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土砂降りは はげしいリグレットの雨
腐敗臭は つめたいカルマのヘドロ
頼りの杖だけが 骨折をわずかにささえる
胸のうちで 燃やすものがなくなった
胸の底から 萌えあ ....
IEでまた知った
名のあるひとが鬼籍に入った と
空洞にしてもちろん名もない
おいらの齢(よわい)より
五年も十年も若いのに
な ....
丘に控えた公団住宅を取り巻く
風は脈を沈めていた
光は息を殺していた
盆踊りのやぐらを無視するように
七階の窓からは
敷き布団を叩く音が重たげに─
四階の窓からは
....
伸びざかりの庭木にも負けず
ぺんぺん草も群叢となって
素っ裸の夏をオードしている
セミのスケルツォに応えて
なのに 老 ....
散策の道なかで遭遇してしまった
街はずれの竹藪から立ち昇った
にびいろの烽火に─それは
宿命をあざ笑うタナトスなのか
四次元をのろうデーモンなのか
....
朝刊に折りこまれた
それは裏面が真っ白な
パチンコ屋のチラシ広告
(メモ用紙にと気をきかせたのか)
そして
無聊に明け暮れてい ....
──平均余命だけがにやにやしている──
瀟洒な閑静といえば聞こえはいいが
実態は里山的過疎というほうがぴったりの
いろつやまだらな丘の街並み
....
青い時を濡らすように
赤い空を泣かすように
白い風を脅かすように
黒い光をなだめるように
(梅雨の雫が一滴また一滴)
ベランダの樋からの滴りを
老いたおひとりさまは ....
早苗月というのに
落日後には過敏症となる
生来のアデノイドと
老後の筋骨のバリケード
その寛解のために
気・ ....
あわれなことに
老残の年配ともなると
過去に偏り 拘り 囚われ
追いかけること 以外 能がなくなるんだょ
こころの足腰に粘り ....
「時」に噛みつかれなくなったら
「空」がにらみ始め
「風」を敬遠しだしたら
「光」がこんどは戸惑い始める
八十路のおらにむかって
黒衣の ....
寂びれきった家並みに囲まれながら
ぽかんと口をあけている 原っぱから
一角を揺すらんばかりに
こどもの喚声がこだまする
それは──
閻魔大 ....
どうしたわけか
平均余命のかげが点滅するなかで
鬼籍へのあわれな想いが流れる
留年すれすれのおらと違って
旧制中学で ....
遊び歩きで息を吹きかける
ふーぅ ふーぅ ふーぅ
放蕩ずきな群雲
氷山を渡り歩きで息を荒だてる
おーぉ おーぉ おーぉ
躁病となった北極熊
....
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