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白鯨ゆく遥かな青天を
僕もゆけたなら
四肢の折り目を開き
やっと、やっとの夏の日を
僕もゆけたなら
平泳ぎの一掻き、一蹴り
果てしなく自由に
生まれたまま ....
サザエさんの一家ならソフトウェアにしのばせて歩けるやさしい世代だからわかるよね。 クレヨンしんちゃんのママなら浮気してもいいかな。セクシーで小股キレそうだから。あとで毒を盛られてしんちゃんのしてや ....
白く光る田舎の道を
カンカン鳴り響く踏切越えて
海に向かって歩いていた
薫る潮騒、うねる波
空き缶一つ、浜辺に落ちて
わたし独りのたましいが
水平線を覗き込む
遠く船が落ちてい ....
詩集を出したばかりの頃
卒業後初めての同窓会があった
みんなそれぞれの世界で活躍していて
「詩集を上梓しました」と宣伝すべき立場と
疎ましく思われる現実とに混乱した
高1で同じクラス ....
{引用=恋}
掌にそっと包んだ蜘蛛に咬まれて
上気した頬――金の産毛の草原へ
わたしは微睡みを傾けた
卒塔婆に書かれた詩のように
高く傾いだ空の下で
訪れては去って行く
たった一つの ....
「星くず」
しんだらみんな
星くずさ
だからそんなに
泣かないで
「雨」
いま
雨の音を聴いている
雨を書くとは何だろう
雨のもたらす心象(イメージ)を表現したい ....
前方不注意で迷い込んだ森で
僕の死骸は笑っていた
それが実に正夢で
私は確かに発狂している
もう望んでない
もう恨んでない
上澄みだけが
強がって
僕を守ろうとした
無意 ....
寝ている時以外ずっと書いていて
目を悪くした
ひどい頭痛に見舞われている
図書館で
フジモトマサルさんの
『夢みごこち』を借りて
それを今
1メートルの距離をとり
眺めている
....
行くあても無く歩行する
真っ青な夜に靡く草原を
やがて月の照る浜辺に出る
遠く漁り火が燃えていて
忘却された団欒のようだ
月光がつくる海の道が伸び
僕は何処までも歩いていく
....
冬の終わりに桜が咲くように、ぼくの終わりにもきっと何かがはじまる。
それを見れないことは少し寂しいけれど、未来を見れないから持てた希望や、綺麗と思った世界や、笑えた日があった。
冬が終わって春 ....
猫はバンドネオン
彼女の腕に抱かれ
残像の融解と拮抗する
毛皮のレジスタンス
霧の池に耳を沈める
跳ねる魚
飛び立つ水鳥
昨夜の夢から浮かび上がる
白い死体
隠れた月が手 ....
ガソリンスタンドの先の路地を入ると
そこは一方通行路
いつもクルマで走る
路地の両側には所狭しと民家が軒先並べてるけど
途中右側に小さな産院の駐車場と建物がある
そこは助手席に座っている嫁さ ....
瀧の音がする
雪解けだろうか
それとも
凍りついた瀧の裏側が動き始めたのだろうか
いずれにしても
寒い冬にあるとき
人はあたたかな春を待つ
つまりはこの瀧の音が
春を招き 冬を ....
中途覚醒の早朝
後悔の隙などない
叶わない夢
抗わない今
午前六時
カーテンを貫通した朝日
届かない理想が
気まぐれに私を応援している
一筋の光に導かれた
二度目の眠 ....
ぼくは華麗な洋服を怠そうに着て
傷口からにじみ出る滲出液の水路を跨いでゆく。
ふたたびすべてが鋳直された火曜日や
二十億年前の晴れた木曜日や
遠い外国の豊かな安息日__などを思い出しながら。
....
ディズニーランドのなかにディズニーランドがあるようなもの
あるいは
ディズニーランドの外にもディズニーランドがあるようなもの
おはよう、正解のない世界
いつの間に白くなったのだい?
....
雲の切れ間に青空が見えても
青空が切れてその先に別の世界が見える事はない
いつも何かを期待してるけど
日々は過ぎていくばかりで何も変わらないんだ
いいかげん飽きたな
って思い続けても ....
雪がきれいにふる音のふらないさむく白いつめたいつまさき声のいないそれを作成しゆるさない影たくさん温かく春に戻っていくまぶしいつめたい朝のゆき
腐乱した犬の
うつくしい歯が
その人の口から語られた時、
男根たちは騒然となり
子宮たちは安らいで
世界の終わりを迎えていた
あなたの詩にはどこかしつこいところがある
押し付けがましいところがある
詩なんかぜんぜん読んだ事もない人にそう言われたことがある
あ、ちがった
あなたにはどこかしつこいところが ....
そう、
おっきいとおっかない
だからさりげない水草のひとつまみ
このボートもあんまり
湖の真ん中へは遣らないでおく。
麦わら帽子を制える君を
想像で支えられはすまいが。
そう、
こ ....
{引用=まどろみ}
種子は雷鳴を聞いた
意識の発芽前その核が
ひたすら芯へと引き寄せる
死に疑似した時間の中
最初に震動があった
そうして微かな熱
やがて忍び寄る水の気配
たった今 ....
{引用=内から喰われる}
くちびるから離れる熱い器
つかもうとして膨らんだ白い手は光にとけ
網膜にしみる青さをかもめが掻っ切った
上澄みだけ日差しに毛羽だった
時のよどみ底なしの 泥夢―― ....
綿の毛が風に飛ばされ
小麦の穂は枯れていく
見よ、紙幣と言われた紙屑が宙を舞う つまり
誰かがシュレッダーにかけてビルの屋上から撒いたのだ
これは、ま ....
バスは満員
電車も満員
ひとびとは水底に四角くならんで
青くひかる
ぶつかり合わない程度に
ゆれあい
いつか
自由になれるんだろうか
乗り物を降りると
豆腐屋が通りを ....
繭を羊毛を麻を綿花を紡ぐよに
するすると解けてきたのならいいのにね
糸巻き巻きを歌いながら
とんとん しゃー
とんとん しゃー
ひと目ひと目
一段一段
頭に図柄を描き
まだ ....
メガネ外して
泣きそうなのです
まばたきの
かずだけ心に蝶がいて
夜空がこわくてじぶんを抱きます
その産声も周囲の空気を震わせて
その場に居合わせた何人かの鼓膜に音を伝えたに違いなかった
その時の周囲の人間の喜びと安堵がどれ程のものであったかと想像しても、すべては遥か昔話だ
本日、選 ....
美しいものの正体が
そのまま
美しいとは限らない
おぞましい化け物が
人の内面には隠れ潜んで
いるからさ
今朝
家の駐車場で蛇を発見した
蛇はゆるしがたいいきもの
ゆるし ....
いつものようにとなりに座る
夕焼けのなかさよならをした
時はゆっくりふたりを変える
すべてのような恋をしていた
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