すべてのおすすめ
キツネうどん
体が疲れた時は
キツネうどんを食べるがよい
関西のキツネはねー
甘味がするでよねー
つるつると入ってゆく
キツネうどんはねー
大阪がよい
夫婦善哉のねー
....
磨りガラスの向こうの公園で
外国人に話しかけられた
どうやら、フランス語らしいが
何を言っているのか分からない
家に帰ると母親が叫んでいた
ひとつひとつは意味のある言葉
けれど、つなげ ....
黒いアイリスは
男の喪に服した女だ
ジョージア・オキーフが描いた
花の絵は
どれも女の顔に見える
花が儚く美しいという概念は
もしかしたら幻想なのではないか
もうこれ以上
対象に接 ....
少し肌寒い秋の夜。
澄み切った空気を吸い込み、久しぶりの深夜徘徊ランニング。
今日は5km走れるかしら。
最後まであきらめずに走れるだろうか。
徐々に高まる心拍数。
だけど、走るのをやめ ....
みぞれ ゆき はれ みぞれ ゆき
ねえ
殺して よ
きっと気持ち良くて
笑ってしまう
わ
ひらり ひら り
には
まだ早く
濃色花蕾累々と
香り温くも木洩れ日なく
....
席について君はコートを脱いでハンガーにかけていた
ピチッとしたニットセーターをきみのおっぱいがここにちゃんと存在していますといった感じで押し出している感が
暴力的で
無言ですべてを伝え
....
あてもなく路地裏を歩いていると
灯りの下にケイオスリミテッドエディションという看板がみえ
ああここは混沌としてるというのだから俺だって参加して入っていいんだと思い
薄暗い階段を降りた
転ば ....
しあわせがサラサラと
指の間から
零れ落ちていく
静寂
音も立てないで
苦しみもしないで
描いた文様は
風に吹き消される
伝わらない思いを
伝えようとあがいた
その言葉 ....
朝 目覚めたら
鳥の巣箱の中にいた
市会議員選挙の告示のニュースが
母屋の方から聴こえてくる
体を起こし 何となく上を向いて
首を伸ばしてお口をあんぐり
母がテントウムシを口移ししてき ....
優しい人の手を拾った
深夜だった
路上の片隅に転がるそれは
少し青白く
何だか寂しげに
落とし主が戻るのを待っていた
ひんやりと冷たく
落とせば砕けそうな手だった
それでいて重たく ....
ここに私がいないことを誰も知らない。
嘘は何一つないけれど
ここには本当の事がない。
パジャマで過ごす一日も
痴漢に耐える満員電車の一時間も
恋人とのえげつない二時間も
....
赤信号を歩いていく人の背中を見ていた
急いでいる訳でもないその人につられて
ひとり、またひとりと流される
流行の最先端を行く
誇らしげに胸を張って
アスファルトに張り付いたガムを
幾人 ....
世界中のありとあらゆる生き物が
一度は足を運んだことのある映画館
数十席の腐りかけた椅子が並んでいる
かつては誰もがここに座りたがった
八十分のフィルムしか流さない
それ以上でもそれ ....
先日
とある公共TVの討論番組を見ていました
テーマは若者、若者世代とオトナ世代の一騎打ち
スタジオに集まってあーだこーだと、進展のない議論
ま
それはいいんだけど
びっくりしたのは学 ....
「僕」の住む町
鍵降町には伝説がある
それは
空から延びてくる
絹の帯を滑って降りてくる鍵の雨の伝説だ
雨のように降ってくる鍵の1つ1つが
一人一人の、少年少女の、幼年期に入り込み ....
おでんを食べて体が温まる
寒くなるとおでんをする回数が増える
家族揃って食べる
ありふれた会話が続く
愛が漲っている
母のおでんは最高に美味しい
しっかり味が染み込んで
でも ....
屋根に大きな聖書のオブジェを載せた
中古の黒いトヨタ・ハイエース
後部硝子一面に赤いビニールテープで
「死後、裁きに会う」と貼り付けてある
第二阪奈道をホーンを鳴らしながら
狂おしく大阪 ....
瓶の中にとり残された
ピクルスひとつ
蓋が開くのを ただ
待っているだけの日々
見通しが良すぎて
すっぱい孤独
《ピクルス:2013年11月10日》
花柚子を貰った
実家のお向かいの家で
段ボール箱3箱も採れた内
実家でいただき、
そこから、
わたしも鍋いっぱい分けて貰った
柚子は好き
柚子胡椒も好き
柚 ....
おおゆきが降った夜
雲の切れ間で
三日月につかまって
空中ブランコしてたのは
木の葉の舞う頃
行方不明になった黒ネコ
最初は新聞の折り込みチラシ
猫のアップの写真の下に
「飼い猫を ....
今日は寄生虫館で
目的もなく死んだ思いで
落ちていく夕日も見ずに過ぎた 音楽を
肝臓として機能させずに 見つめていた
昔 聴いたことのある
自転車を見ていた時の音楽 オーパーツの雑誌の中 ....
昨日と 今日と 昨日を見よ
一昨日は 知らない
梟だと 信じていた 鳴き声が
キジバトだと 知った日
汗をかきながら 笑っていたけれど
心では 泣いた
もう それは もう
....
意味不明な場所で会うんだよ
真っ白な怒りの板に
悔いを食ませ
流れた燐のほとばしりとは
ついさっきまで
この身体だったもの
としたらかすかな
ほんのわずかな瞬きで
吹きすさぶいまの ....
5歳の野原に
少年をひとり
おきざりにしてきた
今も夢に見る
あれは
世界の果てまで
走って行くはずだった真昼
やけるような緑と
汗と言う名の夏が
身体にべったりはりつい ....
夜とともに減っていく
時間を受け付けないけものたちの
踏みしめた道がまっすぐ見える
悲しみはすべて
地下鉄を通る行き場のない風に送り
手のひらに
季節のない球を乗せて
鳥からの便りを ....
ありのままをみせる蟻はいないけど、わたしたちはあるがままに暮らす人だったので、ゴシック体でゴシップ斜め微笑み返しでお互いの口の中へウィスキーボンボンを放り込み、舌べらで潰しあった。薄っぺらな唇を噛んで ....
雨のなかの馬
時間さえ檻のなかに閉じ込められる
そっと名前を呼んだ
季節が過ぎて青いさびしさが満ちてくる
後ろさえ振り向かず駆けていこうとする
雫のビーズをまき散らす夢よ
どうか名 ....
「砂浜に抜ける路地」を一つ拾ってきて、波の音
を額縁に飾る。愛という言葉で何を隠したいのか。
行間には関係性だけがあって鞄には入らない。み
んな事情を抱えていて、 ....
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