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ぽたり

心の壁の左下の
しみったれた蛇口は
しまりが悪くて
思い出したように
言葉が滴り落ちる

気紛れに
小さな器で受け止めて
液晶の畑に撒いてみるけれど
発芽するのは
 ....
ときどき旅に出る
バスあるいはロマンスカーで

目的地を通り越して
家に帰るために

ごくまれに家出する
抵抗あるいは革命のために

気恥ずかしい迂回の末
家に帰るために

 ....
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙っ ....
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
 ....
本日は
絶好の洗濯日和

見上げる雲は
穏やかな光に浸されて

へたくそな君のハミングが
靴下とシャツの森で揺れる

色とりどりの洗濯バサミが
タオルと枕カバーの ....
いくつもの交差点を越えて
道はまだ続いている
緩やかに弧を描くカーブの先に
終わりはまだ見えない

進んで 止まって 曲がって 進んで

約束事を守って運転していても
右折してきた ....
東には青色の竜
南には赤色の鳥
西には白色の虎
北には黒色の亀

そして
中央には黄色の麒麟

日本橋の
中央には翼を持った麒麟が
鎮座している

かつては
五街道の起点 ....
窮屈そうに
眉を寄せて
酸っぱそうに
唇をとんがらして
真剣に考えを巡らせている

そんな横顔を
眺めていたら
不謹慎にも
笑いがこみ上げてきて
君に怒られた

取り繕うこ ....
切れ切れのあらすじ
離れ離れのせりふ
緑と青と白とその隙間にある
無数の明るい色と寒い色

大脳皮質の砂浜で拾い集めたら
海馬のカレイドスコープに仕込んで
いとおしむように回す

 ....
僕達の薄ら甘い関係は
砂糖というよりぶどう糖だった

君の囀りにも似た言葉は
体液のように僕の身体を巡り

君の微笑みの陽だまりは
L-アルギニンのように
僕の生活に治癒力と免疫力 ....
光が次の
季節を連れてくる
風はそれを
押し戻そうとする
雨が次の
季節を置いていく
人はそれを
なかなか見つけ出せない

ひと雨ごとに
行きつ戻りつしながら
季節は摺り足で ....
湯に首までつかると
毛穴という毛穴から吐息が漏れる
立ち昇る湯気が
表情筋をひとつずつ解体していく

たぷたぷ

あごの先端から始まった
温かいさざなみが
湯船のふちを円やかに乗 ....
あの頃よりも綺麗になった君を
呼び止められなかった右手

苦し紛れの甘い褒め言葉に
不覚にも照れてしまった右手

掴み損ねた夢みたいなものを
慌てて誤魔化そうとした右手

振り返 ....
なぜ詩なのか



面倒臭くて つい
手軽な言葉を投擲してしまった
口淋しくて つい
甘ったるい言葉を咀嚼してしまった

<優しさ>の優しくないアクや
& ....
だきょう
だせい
どんづまり

1366×768ドットの檻の中で
ゆうゆうと座り込んだままの
気障な行分け文章

だみん
だつりょく
できそこない

TFTカラー液晶の眩い ....
青空に顔を向けて
無邪気に咲いた早朝
陽射しが眩しすぎて
不甲斐なく萎んだ午後

無力を思い知って
力なく項垂れた黄昏
もう夢なんか見ないと
突っ伏して泣いた真夜中

花が落ち ....
あたりまえの朝を
あたりまえに迎えることを
あたりまえだと思っている
おめでたい自分に
ときどき気づく

あたりまえのベーコンエッグに
あたりまえのソースをかけて
あたりまえに頬張るだけの
おろかし ....
自分が木螺子だと気づいたのは
空の水が全部落ちてきたような
凄まじい雷雨が通り過ぎた後だった

公園のブランコの下の水たまりに
たまたま自分の姿を映した僕は
ほんの少しだけ驚いた

で ....
この世のうわずみを
あらかた舐めてしまった

僕は

もう

面白がらなければ
何も面白くないし
欲しがらなければ
何も欲しくない

この世のうわずみは
どれも同じような ....
ビルディングに
夕陽が飛び火して
鉄とコンクリートに
ほんのひととき
しょっぱい血が通った

ビルディングの
かりそめの心臓が
眩し過ぎたから
思わず目を細めて
微笑んだような顔をした

夕焼けが
 ....
真っ白な紙をたくさん束ねた
大きな自由帳をもらった
どんな色を使ってもいいけれど
必ず自分で決めなさいと言われた

罫線もマス目も何もない
分厚い自由帳をもらった
どこへ持っていって ....
<上>

暗中模索のキッチンで
夜食を見つけて意気揚揚
紆余曲折のビール腹
逆三角の栄枯盛衰

横行闊歩の食欲を
抑えられない艱難辛苦
気宇壮大の体脂肪
Gパン入らず苦心惨澹

 ....
つまらない昨日にしがみついて
幾つもの朝を見過ごしてきたから
君が咲いていることにも
まったく気づかなかったんだ

いつまでも蕾んでなんかいられない
ホヤホヤの空元気と一緒に
「いってきます」を吐い ....
昨日の上に
淡々と
今日を敷き詰めていく
清々しさ

今日の上に
黙々と
明日を積み上げようとする
凛々しさ

ただ
目指すことだけを
目指す

雑り気のない
まっつぐな力に
憧れてしまう
偶然に弾き飛ばされて
偶然に引き寄せられて
偶然に蹴り落とされて
偶然に抱き締められて

僕はここにいる

何気なく左を選んで
怖くて右に逃げ込んで
勇ましく左に踏み出して
泣 ....
電線を泣かせるのは
木枯らしだ
冬のからだの
声だ

何も掴めないのは
街路樹だ
冬のからだの
手だ

キシキシと縮こまった
エンジンを震わせて
登り坂を這っているのは
 ....
鵜飼千代子さんのnonyaさんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
蛇口- nonya自由詩17*18-6-1
- nonya自由詩24*18-5-20
かものはし- nonya自由詩19*15-3-4
見学者- nonya自由詩17+*15-2-21
柔らかな影- nonya自由詩23*13-9-21
交差点- nonya自由詩21*13-9-14
麒麟- nonya自由詩23*13-8-24
かわいい- nonya自由詩24*13-8-10
夏休み- nonya自由詩21*13-8-3
僕が飲んでいるもの- nonya自由詩18*13-4-20
雨水(うすい)- nonya自由詩27+*13-2-19
たぷたぷ- nonya自由詩27*13-1-19
まねきねこ- nonya自由詩20*12-12-29
詩なのか- nonya自由詩19*11-5-22
3D- nonya自由詩12*11-1-22
落花生- nonya自由詩20*11-1-13
あたりまえ- nonya携帯写真+ ...8*10-12-12
木螺子- nonya自由詩22*10-11-12
ぽつり- nonya自由詩23*10-10-2
夕陽ビルディング- nonya携帯写真+ ...12*10-9-15
僕の自由帳- nonya自由詩28*10-8-7
余事熟語あいうえお- nonya自由詩12*10-5-13
咲こう- nonya携帯写真+ ...7*10-4-7
目指す- nonya携帯写真+ ...7*10-4-3
転がる石のように- nonya自由詩8*10-3-16
冬のからだ- nonya自由詩18*10-2-9

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