落花生
nonya


青空に顔を向けて
無邪気に咲いた早朝
陽射しが眩しすぎて
不甲斐なく萎んだ午後

無力を思い知って
力なく項垂れた黄昏
もう夢なんか見ないと
突っ伏して泣いた真夜中

花が落ちた時から
生きることが始まった
夜のような闇の中を
手探りで歩きながら
いろいろなものを
掴んでは手放した

花が落ちた場所から
生きることが始まった
闇のような土の中で
ひたすら汚れながら
人知れずこっそりと
不細工な実をつけた

そんな実をひとつ

つまみ上げては
体裁良く殻を剥き
都合良く皮を剥く

すっかりつるつるになった
想い出のような実を
奥歯で噛み砕いて
3本目の発泡酒で飲み下す

口寂しさと奥歯の間に詰まった
想い出のような欠片は
ほんのり青臭くて
懐かしくも恥ずかしい味がした




自由詩 落花生 Copyright nonya 2011-01-13 19:09:17
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