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名前とこのからだを
引き受けたときから
ぼくは舞台の主役になった

科白は自分で決めているようで
多くの出演者に
気配りしながら
作りあげていく

嫌われたくなくて
意見を言わない ....
眠りは死の子ども
一日一日
気づかないうちに大きくなって
やがてぼくと等身大になると
目覚めることがなくなるのだろう

いつその日が来るかわからない
いつそうなってもいいという
準 ....
色紙を折って
六角形の船をつくる
水が入らないように
縁を高く折る
かわいいお雛様を折るときに
見えない不安を
そっとつつみこむ

これから
どうなっていくかわからないのに
想えば ....
朝の心の空に
温暖前線がやってきて
晴れて
温かくなった
さっきまで雨が降っていたのに
雲も遠くへいってしまった
公園に散歩に行って
寒椿の花をながめる

午後
嫌なことを思いだし ....
小路の角を曲がると
家並みの
屋根の傾きの下で
格子戸が眼をつむっている

晴れても明るくならない
印画の街
軒と軒とが接するように
建てこんでいる

植物は軒下におかれた
盆栽 ....
熱せられてどろどろになった
黄色い言葉を型にいれる
冷えてプリンのように固まったのを
皿の上にもる

黄色い言葉は
テーブルの上の静物画だ
触れると聴いたことのある歌声
この中にきみが ....
妻が孫の顔を見に泊まりに行った晩
ぼくは真夜中に目覚めた
喉が渇いているわけではない
トイレに行きたいわけでもない
なんで目覚めたのだろう
ふと隣を見た

そうなのか
きみがいないから ....
小学校から家に帰ると
母の店に勤める悦ちゃんが来ている
兄たちは学校からまだ帰らない
今のうちに二人で遊ぼう
きっと楽しい時間になるだろう
ぼくはランドセルを投げだす
悦ちゃんは少年少女世 ....
小学校の体育の時間に
逆上がりができなかった
隣りの席の女の子が休み時間に
鉄棒をしにいこうと誘ってくれた
ぼくらは二人で
校庭の隅に立つ鉄棒に向う
鉄棒は低いのから
順番に高くなってい ....
たまにしか見ない子が来ても
近所の子どもが集まると
すぐに仲間になって遊ぶ
長兄はこのあたりのリーダー
ビー玉をしようといいだした

みんな家にかえって
自分のビー玉をもって
ふたたび ....
小学校の修学旅行で
男子は三つの班に分かれる
クラスのほとんどがいずれかに手を挙げたが
ぼくはどの班に入っていいかわからない

先生が人数を確認していく
「男子がひとり足りないわ」
それ ....
鵜飼千代子さんの殿岡秀秋さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
嫌われてもいい- 殿岡秀秋自由詩514-7-15
眠りは死の子どもである- 殿岡秀秋自由詩914-2-1
流し雛- 殿岡秀秋自由詩713-10-15
閉塞前線- 殿岡秀秋自由詩813-10-1
路に記憶がある- 殿岡秀秋自由詩1012-12-16
黄色い言葉- 殿岡秀秋自由詩612-11-15
妻に- 殿岡秀秋自由詩812-9-15
焼かれすぎた胸のフライパン- 殿岡秀秋自由詩410-8-1
逆上がり- 殿岡秀秋自由詩410-7-1
勝負- 殿岡秀秋自由詩110-5-1
お化けになりたい- 殿岡秀秋自由詩910-2-28

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