歌人という音の響き
歌人と言う人に憧れを抱き
見よう見まねで歌を詠み始めた
少年の日

石川啄木を読んでは心が震えました
万葉の歌を諳じました
与謝野晶子の恋情の詠みに痺れました

 ....
ノブちゃんはね。
むかしも今も女の人でした

私たちは偶然再会しました
その時ノブちゃんはね、鰻屋さんで働いてました
私はお客さん
勤め先の社長や同僚と食べに来ました

鰻重を運んで来 ....
天国へは
個々に専用のエレベーターでいく
押せるボタンは最上階のみ
そして
最上階が何階かは昇る人しだい

地獄へはエスカレータでいく
階段の上は人人人
死人で溢れ足の踏み場もない
 ....
むかし
私は反戦の詩ばかりを書いてました
他人の真似をして
だけど浅い心の底では
平和は水や空気と一緒でした

むかし
反戦詩人だった私も
今は救いようもなく歳を重ねてしまい
ただの ....
遺体と死体

なんで分けるの

死体は無言劇

遺体は饒舌だとでも言うの

遺体と死体

なんで目を背けるの

遺体と死体

どっちもどっち

遺体と死体

どっち ....
カラスが鳴いてる
何処かで鳴いてる

カラスが鳴いてる
相も変わらない気味のわるい鳴き声で

カラスが鳴いてる
電線の上で鳴いてる
飛びながら鳴いてる

カラスが鳴いてる
車に轢 ....
敵の飛行機が一機だけ群れからはぐれてしまった
首都を爆撃するために幾千の機体が飛来した夜に

無差別に投下された焼夷弾は
街を容赦なく火の海にした

それは
幾千の渡り鳥が
幾千の糞を ....
もしかしたら
ヒトの成分は
血と涙と汗だけで
てきているのかもわからない

喉が異常に渇く
「オーイお茶を」と妻に声をかけた
反応がない 無理もなかった 彼女の両の耳はイヤホーンで塞がれ ....
私は
私の人生の途中で二度
自らその命を絶ってしまった人の葬儀に参列した事があった。

一人目は同じ工場内で働いていた五十代の男性。
とは言っても勤める会社は違っていたからほとんど口を利いた ....
極極、平凡な毎日です
極極、平凡な暮らしです
私が切に求めてやまないものは

でもね
極極、平凡な毎日や
極極、平凡な暮らしほど
簡単に手には入らないと
よくよく身をもって知らされまし ....
一人の女の人のお腹の中に10ヶ月と余りを滞在した
そこから出るまでの間に
私は
何度蹴っただろう
彼女のお腹を

胎児の足で
宿借りの分際で

でも
私が蹴る度に
彼女は自分のお ....
駅のトイレの個室の壁に書かれた
作者不明の一文
それに
興味をそそられた

読んでしまった
用を足しなから
読んでしまった

 俺は失敗して彼女を妊娠させてしまった
 出来ちまって ....
その頃
私は手紙に執着していた

記憶の引き出しにしまってある
その頃という一定の期間には
時間の埃がそれなりに積もっていた

ある日
何となく引き出しの奥から探し出して
太陽の光に ....
寂寥が近づいてくる夕暮れは駅の改札素早く抜ける

汚れてた鏡の中に映る顔拭い取れない俺の目線は

生き方を記した地図は襤褸になり風に千切れて拡散しても

気になって仕方ないのにその女抱きた ....
JR線の駅が近い。線路の上にかかる橋の上から通過していく電車の音を聞きながら歩いていた。

もしかしたら余命幾ばくもないかもしれない私の命。
人間の寿命なんて人それぞれに違いがあるけれど一世紀を ....
この目に見えないもの
たとえて言うなら
この世界の片隅

何処だよそれ
漠然とし過ぎだろ
地球は文字通り球形なんだから

この世界の端とか
真ん中とか
有るとしても
どこを指すの ....
ジャンケンなんてしなくなっていた
それはすっかり大人だから
もう子供には戻れないから

ジャンケンなんてしなくなっていた
もう鬼ごっこはしないし
できないし
かくれんぼは
どこにも隠れ ....
どうしても息は吐かなくてはならない
そのせいで
どうしても息を吸わなくてはならない

肺という
この体のなかに組み込まれた風船を
膨らませ
そして萎ませる為に
それは繰り返されなくては ....
もう
これ以上先には進めない
そんな行き止まりに遭遇してしまう
人生
その途上

その時々に前途を遮った崖や
道の険しさに
挫折する

たとえ
崖を跨いだ先にある空にこそ
輝く ....
女の人の産道を通り抜けて
その人の股間からこぼれて落ちた
日の記憶は何もない

それ以前の自分が宇宙の何処かで
何をどうしていたかなんて
解る筈がない

産声をあげたとき
自分を取り ....
男に生まれて女に育つ事
その反対もあって
時代はやさしくそれを受け入れた

子供の頃
姉三人に遊ばれた

彼はいきなり着せ替え人形にされて
女の子の格好をさせられた
口紅が塗られ化粧 ....
使えない男だ
どこへいっても何をしても
結果、使えない男だろう

極めて上から見下されたその言葉に
職業人としてのプライドはズタズタ
男としての立ち位置はグラグラにされた

「おい、も ....
たえず耳なりがしている
キーンキーンと機械的なノイズ

何も気づかないうちに断頭台に乗せられているのかも解らない
彼の痩せた首
それは
大きくて鋭い刃物がいつなんどき落ちてくるかもしれない ....
お袋が危篤
数年に及ぶ認知症の果てに

俺を産んだ女
俺を育てたかも知れない女
ほんとうはほとんどほったらかしだった

親父の母親に任せっきりで
自分は金を稼ぐのに一生懸命だった

 ....
感極まって泪が溢れたり
感極まって射精する

普通だな
自然なふるまいだな

法に触れる事は何もない
したくても
できない

そんな事したら世間からつまはじきにされて
世間から著 ....
何でだよなぜ詠むんだよ歌なんてみそひともじが空から降って

そのうちに天使の羽根にゲロ吐いて記憶なくして汚物になって

もう二度とあんたなんかとしないから背中向けられ埋まらぬ溝が

左側頬 ....
腐ってた腐りきってた世の中の泥にまみれて息を吸いはく

見ないふり聞かないふりで黙ってた一等可愛い自分の為に

ジャンケンをしなくなったな忘れたな縄跳びの縄首にまきつき

張りつめた気を緩 ....
そう言えば、俺は嫁さんにプロポーズなんてした記憶がない
気がついたら籍を入れて夫婦になっていた

気がついたら長女が産まれ
気がついたら次女が産まれていた

気がついたら、アパートから建て ....
愛なんて言葉にしたら軽くなる声にしないとただ重くなり

この世界あの世界へと掛かる橋その欄干に一人佇み

立っている人間だからその分の病の種が蒔かれているよ

結婚は契約だから印押した愛は ....
人は誰でも神からの余命宣告を持って生まれて来たに違いなかった

医者が
例えば治癒の見込みを断たれた末期の癌患者にするみたいに
相手のダメージを推し測り、計算を加えながら
絶望の暗闇に僅 ....
こたきひろし(1106)
タイトル カテゴリ Point 日付
詩人ではなくて歌人でありたい自由詩318/11/3 19:41
ノブちゃんは、ね。自由詩418/11/2 7:23
天の国へ地の獄へ自由詩318/11/1 20:12
昔話とその後自由詩418/10/31 23:13
嫉妬深い神の欠伸自由詩318/10/31 1:58
カラスが鳴いても帰れない自由詩318/10/31 1:17
空を飛ばない円盤自由詩218/10/29 2:17
血で血を涙で涙を汗で汗を短歌718/10/28 9:51
陽向臭い匂いと雨の匂い自由詩418/10/28 6:46
極極、平凡な毎日は自由詩518/10/27 7:28
一人の女の人の自由詩518/10/26 7:04
呼ばれて振り返れば自由詩318/10/24 7:35
恋文がバイクに乗って来たとは言えなくて自由詩318/10/23 0:58
人込みは短歌118/10/22 0:29
美空の下に美空の果てに自由詩1018/10/21 6:47
この目に見えないものは自由詩418/10/20 6:43
ジャンケンを自由詩218/10/17 8:23
呼吸あればこそ自由詩318/10/16 6:08
もうこれ以上は自由詩218/10/15 6:19
空蒼く自由詩418/10/14 6:42
男に生まれて女に育つ自由詩118/10/13 7:08
使えない男は自由詩218/10/10 23:14
蝶がヒラヒラ自由詩218/10/10 9:21
数年に及ぶ自由詩1118/10/10 5:14
感極まって泪自由詩318/10/7 7:47
未完のままに未熟のままに短歌118/10/7 7:15
人生は短歌518/10/6 0:32
そう言えば俺は自由詩218/10/6 0:01
愛などと短歌218/10/3 23:22
爪がのびて自由詩118/10/3 22:56

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