私が殺した感情は
私の中で静かに眠る
消えてしまったものでなく
忘れ去られたものとして
奥につかえて何かを残す

私は必死で辻褄合わせ
殺したものに気付いていない


私が飛ばした ....
空が青いから
僕は屋根を焼く
焦げて崩れたその隙間から
青かった空を覗く
思うほど息苦しくもない午後
崩れた屋根は既に屋根ではなく
いつまでも煙を空へと飛ばし続ける

僕は灰空を見るの ....


鍵を開け部屋に入ると
夕暮れが横たわっていた
ただいまを
告げることができずに
カーテンを閉めてしまう僕は
そうして一日が終わることを確かめる







母さ ....
情報通の友人から
感情の食べ方を教わったので
早速今ある幸せをかき集め
ジックリコトコト煮込んでみたところ
これが何とも薄っぺらい味であった

アイスのフタを舐めているような
惨めったら ....
少しずつ 遠ざかった街で
午後の地下鉄に揺られながら
僕は いつかの頃を思い出している

目の前を
たくさんの人が
揺られ押され 通りすぎて

毎日決まった場所で
同じように吐き出さ ....
「帰ろうか」

誰かの声が
夕暮れ道に静かに落ちて
僕たちは 帰路に着く
寂しさが空を染めて
影が体を追い抜いてゆく


歩きながら
置き去りにする風景と
正しく遠ざかる声

 ....
青空の下
少し疲れた大人たちが集まり
この広い世界いっぱいを使って
間違い探しをしている

私は右で あなたは左

お互い自分の側が正しいと思いたいから
間違いはすぐに見付かる
けれ ....
強がった右手に
透明の微熱を握り締めて
失くしたものが届くのを待っている

帰り際には
いつも 何かが足りない
何一つ
持たずに出かけた
そんな日でさえも


昨日も来た道を
 ....
ゆらり ゆらり
波が
揺れるように燃える
空が
夜に向かって焦げてゆく


一度放したその手は
まだ
消せぬように熱を帯びて


窓が紅く染まる
夕景の中
明日は既に迫っ ....
空を見上げたくなる心境と
予定通りに降らない雨とが
またしても 複雑な今日を作り出しています

明日の行く先を
確かに誰も知りません
ただ わかりきった結末も 実は多くあるということ
そ ....
明かりの無い部屋の片隅
目を開けて 僅か
閉じる

暗闇を見つめることはいつも難しい


閉じることで
そこに何が生まれているのかを知りたかった

同じことで
閉じたところで何も ....
雑踏の中で一人
実在しない 視線と
増してゆく 孤独みたいなものを 
蹴り飛ばしながら歩く
少し爪先が痛む


すれ違う人は 揃いも揃って
バカみたいな笑顔をばら撒く
人ゴミ
今度 ....
やわらかな
風が吹いている
丘の上の

さようなら

たくさんの公園と
澄んだ小川と
空き地と

苺の庭と
カブトムシと
サッカーボールと

さようなら



そう ....
気にしても仕方がない
の精神で
逃げようとして
結果はいつも残酷だった

結局は繰り返すことで


黒い円を描いて
同じ場所に戻りながら
落ちていくばかり


小さな幸せを
 ....
あったかい
ふわふわ

どこからか やってきて
みんなの前で
楽しげに浮かんでた


とげが刺さった
けれど
ふわふわ

気にしない


雨が降って灰色
それでも
ふ ....
あらかじめ
決められた色に
染める

透明と透明が重なって
疑って
濁ってゆく


気が付けばここに辿りつき


誰もが
青い炎に焦がれた

見せ掛けだけ
大きさだけを ....
何をすればいいですか
指示を待っています

言われたことはきちんとやります
責任感の強い子です

小学校の頃褒められました


公式はありますか
マニュアル通りに動けます

 ....
明日は
遠くへ行こうと思う


太陽が眩しくて
だからといって目をつむることはない
登り坂は上を見るためにある
アスファルトの道は歩きやすい
子供の笑い声は音楽だろう

受け入れて ....
ベランダから見上げる夜に
存在しなかった
色彩は
どこにいってしまったのか

青も白も赤も灰も
全て飲み込んで

夜は静かに笑う


今日は星が見えない
そこに 雲が浮かぶ証明 ....
意味を無くした
薄い翅が
地面に横たわり
時折風に揺られ 浮き上がる

小さな蟻たちがそれを見つけ
肉を探すが
見つからない
持たないものが
空を飛ぶことなど想像もできない

透 ....
耳鳴り
それは耳鳴り

眠りの中から
実はもっと前から
絶えず 響き続けて


聞こえない
それは普段聞こえていない

突然に気付くのは
何が原因なのか
いつもわからないまま ....
「いたいのいたいのとんでいけー」

? いたいのどこにとんでいくん?

「遠くのお山へとんでいけー」

それやと動物さんはどうなるん?

「え?」

お山の動物さんたちがかわいそう ....
一面に広がる海を前にして
子供の視線はずっと波を追いかけています

深く息を吸い込んで
寄せてくる世界に叫びます
その広さを叫びます

内容はちょっと どうでもいいのです


その ....
窓ガラスの内側から
草原のような海を見渡す
波と風が
交互にやってきて
その青はどこまでも青かった


窓ガラスの内側から
光がこぼれ落ちる森の空気を吸う
鳥は人のために鳴かず
虫 ....
轟く
風の音
激しさを増して
静かなはずの夜は
どこかへ消えてしまった

地面を叩く音も
一段とはしゃいでいる
久々に空が荒れたらしい

山に挟まれて
穏やかな
この土地でずっ ....
病院は寂しい所だった

相憐れむ人たちが
見た目には元気そうに
思い思いのことをして待っている

ここでは
みんな少し
優しくなれるらしい

一度目の気持ちなんて忘れた
穏やかな ....
凍った地面で
ハンドルを誤って
突っ立っているだけの電柱にぶつかり

運良く傷一つ無かったのに
進み方を 踏み込むべき場所を
忘れてしまったので
仕方なく
クラクションを鳴らし続けてい ....
図書館は今日も
中身の無い棚ばかりで
全部で五冊ぐらいしか本が無かった
世の中を模して
広すぎるように建てられている

CDレンタルの店員は
僕がばらまいた小銭を
借りてきた笑顔で拾っ ....
夜の紺色に
黒ずんだ雲がかかり
死んだような空

どれだけ早く走っても
生まれる風は
どこへも連れて行ってくれない
ただ
頬を氷のように撫でていく


帰ってきてしまう
暖房の ....
吐き出したくてたまらない
感情が
弱さのために
置き去りにされていく

そうして自身は守られている


紛らわす娯楽が
今は溢れていて
でも何かが残る
痛みの無いかさぶたのように ....
(133)
タイトル カテゴリ Point 日付
呼吸自由詩5*07/4/4 21:47
カラスは空にいない自由詩12*07/4/1 23:25
家族未詩・独白507/3/31 20:38
味覚障害なのかもしれない自由詩18*06/7/8 1:14
帰路自由詩9*06/6/30 22:38
自由詩3*06/6/30 22:36
間違い探し自由詩5+*06/6/10 22:32
これから自由詩5*06/5/28 13:24
暮れ方自由詩3*06/5/19 21:54
予定通りに行くと自由詩5*06/4/4 23:59
まぶたの裏に自由詩5*06/3/27 23:00
人ごみ一人自由詩7*06/2/10 21:19
さようならと共に自由詩11*06/2/5 0:38
馬鹿げた話自由詩3*06/1/27 23:44
ふわふわ未詩・独白3*06/1/26 20:49
白い実験室未詩・独白2*06/1/26 20:08
アルゴリズム 教育[group]未詩・独白8*06/1/22 22:02
明日は遠く自由詩6*06/1/17 16:36
夜色自由詩7*06/1/11 22:33
自由詩2*06/1/9 14:04
ある夜、響く音自由詩5*06/1/7 18:32
とんでいけ未詩・独白306/1/4 18:00
思い出として自由詩5*05/12/30 20:37
広がらない空想自由詩6*05/12/29 23:55
朝に融ける自由詩2*05/12/25 1:55
寂しい所だった自由詩3*05/12/23 1:16
路上の風自由詩3*05/12/18 1:30
失くした一日自由詩7*05/12/17 0:45
寒雷自由詩4*05/12/13 23:09
一つにならない自由詩7+*05/12/9 1:09

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