もう放っておいて
分かってるから

何度も同じことを
言わないで

全部、分かってるから

そんなに心配しないでよ
大丈夫だから

期待とかそんなもので
突っつくのはやめてよ
 ....
わたしがまだ、
母のお腹の中にいたときの記憶。

狭いアパートの四畳半。
低い天井。
薄暗い曇りガラス。
脚が四本ついた白黒のテレビ。
テレビの横に置かれた背の低い茶箪笥。
まあるいち ....
私は知っていました
あの林檎に毒が入っていたことを。
隣国の王子様が
私を見つめていたことを。

私は知りながら食べました。
毒の入った赤い林檎を。
倒れた私に王子様が
キスをくれ ....
笑って過ごしても一日
泣いて過ごしても一日

同じ一日なら
笑って過ごしたいね

時間は巻き戻せないのだから
昨日、今日
お天気はあいにくの雨

でも、
それはそれで仕方がない

晴れの日もあれば
雨の日だってある

一年でいちばん
優しい雨の降る季節


「傘を持たずにゆ ....
泣きたくても
泣けない時がある

泣けたのに
泣かなかった時もある

…心にだって雨は降る
今日という日が終わり
明日になって

明日という日は
また今日になる

今日と明日の間に
また逢いましょう

夢の中では
なぜか車椅子のあの人と

薔薇の門を ....
わたしが子どもの頃、
庭で番いの雉を飼っていた。

決して広くはない鳥小屋で
父は黙々と世話をしていた。

鋭い眼光と美しい羽。
「綺麗だろう?」と父は言った。

雉は時々、たまごを ....
確かに僕は
君を好きなはずなのに

いつだって僕は
君のことばかり考えていたのに

ない
どこにもいない
不思議

こんなこと今までなかった

君が欲しくて
たまらな ....
自分の産んだ子どもが
ある日突然、宇宙人みたいになっちゃって、
不登校とか摂食障害とか思春期病とか
病名をつけちゃったりして、
片っぱしから本なんか読んでみちゃったり、
病 ....
ちーちゃんはのら猫。
毎朝、ご飯をもらいに来る。

待っている姿が
わたしと重なる。

「ご飯を食べたら行きなよ?」

してあげられるのは
ここまで。

本当は面倒なや ....
ポップコーンを食べている
君を見ているだけで
訳もなくいらいらする

ちまちまと1つ摘まんでは口に運ぶ
それもすごいスピードで

ポップコーンを食べている
君を見ているだ ....
緩やかな坂道を下りると
遠くに海が見える

ここから見る海は
手のひらの中に
隠れてしまうほどの大きさ

海を目指して歩いてゆくと
潮の香りの風が吹いてくる

風は太陽の ....
蛇穴を出て前向きに生きてゆく 立ち止まっても
振り返っても

…一歩も前に
進めなくても

風が
わたしの背中を押してくれる
「自由ってなに?」

「自由ってね、 手を出してごらん?」


そう言ってあなたは
私の手のひらに氷を乗せた


手のひらの上で
溶けてゆく氷を見ながら



 ....
度の強い
あなたの眼鏡をかけると
そこは二重の世界

レンズ越しの
歪んだ世界

たった一枚のレンズで
私の世界は歪んでゆく

人の顔も表情も
喜びも悲しみも
全 ....
誰にも
知られたくないことって

本当は誰かに
いちばん理解して
もらいたいことなのかも知れない

止まっていた
私の時間は

君に出逢った
あの瞬間から動き始めた
 ....
chiharu(78)
タイトル カテゴリ Point 日付
かたつむり自由詩5*14/7/4 10:07
胎児の記憶自由詩5*14/6/28 16:46
童話自由詩11*14/6/16 15:35
時の日自由詩8*14/6/10 23:14
六月自由詩6*14/6/1 8:47
自由詩4*14/5/27 16:07
薔薇自由詩3*14/5/25 9:13
雉のたまご自由詩2*14/5/13 14:49
行方不明自由詩6*14/5/7 9:34
宇宙人の子ども自由詩5*14/5/4 1:15
のら猫自由詩3*14/5/2 9:12
ポップコーン自由詩2*14/4/20 23:33
故郷自由詩9*14/4/18 14:11
「蛇穴を出づ」俳句2*14/4/17 18:00
春風自由詩0*14/4/17 1:42
自由自由詩1*14/4/15 9:17
眼鏡自由詩5*14/4/8 18:58
アイスクリーム自由詩5*14/4/7 10:57

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