一
雨粒に君を閉じ込めて
空にぶら下げておく
いつでも好きな時に
見えない糸を
風の鋏で切って
僕の前で
パチンと弾けて
ほしいから
二 ....
…セックスは…正直、するよりも見る方が楽しい。若い頃、最初にした経験がトラウマになっている。恋人とのセックスで、まるで冷たい泥の中に生殖器を突っ込んだような感触を味わった。僕の手の内で悶える、彼女の身 ....
言葉がなくても
生きていける
もっと大切な
ものがある
それが何かは
知らないけれど
言葉だけでは
生きていけない
温もりは
肌で受け取る
も ....
顔をかきむしり
皮を剥ぎ落とし
血を雨と流しても
自分の素顔が
見つからないのであれば
鮮血の海に
溺れそうな
二つの目に
空を走る
雲の足取りを
....
涙は手頃な宝石です
貴方のほっぺを飾ります
私の心を溶かします
嘘でもいいかと許せます
嗚咽が喉を焼きだしたら
抑え込むのは無理でしょう
風に押される野火のように
貴 ....
いち 1はカカシの数
一本足で風に震える
縫い付けられた微笑みの数
細すぎる腕を広げて
波打つ小麦畑を守る
に 2はつがいの数
人々を見降ろす街灯の上
互いにキスを振舞う二羽の鳩
....
にくぶくろに
あなたの肉体が
つまっている
やぶけたら大変
飛びたすのは
肉だけじゃない
骨やら血やら内臓やら
手に負えないほどの貴重さを
複雑な構造の中 ....
美しいものは
遠い所にいる時
一番美しく見えるみたいだ
苦しかったら
ここにおいでと
空が囁いてくれた
でも私には
翼がなかった
辛くなったら
ここにおいでと
海が囁いてくれた
でも私には
鰓がなかった
....
夜空の星を撃ち落し
野に転がった光の匂いを
猟犬の鼻に辿らせた
茂みに瞬く星明りは
拾い上げても尚
掌に小さかった
なぜならそれは
潰えかけた
希望だったから ....
嘘を百回繰り返してみても
それは本当にはならない
醜い自分を
美しい言葉で飾ったところで
鏡に映る本質は変わらない
皮膚の下に埋まった弾丸を
取り出して ....
僕を好きになってください
趣味は
月に落書きすることです
フクロウの背に飛び乗って
音もなく夜の森を滑空することです
金曜の夜に
大きな音でロックしたりします
....
直線って
一種類しかないのね
だから
想像力のない奴らには
ちょうどいい物差しなのね
曲線って
もうイヤってくらい
いろいろとあるのね
そのどれ一つと ....
「ゆっくりと腐っていくなら
火にくべた方がましさ」
「でも
腐葉土は緑を育む
揺りかごは惰性から生まれるよ」
太陽が笑ってる
海が唸っている
誰も
僕 ....
私は何でも食べる
例えばあなた
あなたの息を
あなたの足跡を
食べる
見上げる空を
闇の奥に見る夢を
私は何でも食べる
例えばわたし
わたしの ....
世界を変えたければ
自分を変えなくちゃならない
なんて面倒くさいんだ
そこには見方の問題がある
今夜
雨上がりの空を見上げる時
誰も同じ角度からは
....
間違いを犯し続ける
勇気が欲しいね
何が正しいのかを
忘れてしまわないうちに
黒板に殴り書きされた
白いチョークの言葉を覚えてる?
あれが最初の知恵だっ ....
もっともらしい言葉で
魔法をかけようとしても
下心は見透かされて
彼女は立ち去っていく
もっともらしい儀式で
神を呼び起こそうとしても
やってきたのは雨雲
雷を落として
....
゛る゛の字の
足のところって
くるりと丸まってる
ギャグマンガ的表現の
横から見た駆け足みたいで
なかなか愛らしい
゛る゛の字の
頭のところは
べったりと ....
投げつけた白球が
君に届く前に
風にほどけて
宙に舞うリボンになる
草むらに転がって
土のにおいを嗅ぐ
俺はここから生まれた
ミツバチの羽音が ....
のばした指先の向こうに
サクランボが揺れている
それを
掴むことができる
噛み 食んで
味わうことができる
幸せが揺れている
....
夜には涙を流し
昼には歯を食いしばり
そんな 見苦しい表情を
想い出の中に焼き付けてきた
大勢の自分達
心の物置に積み上げた
記憶のフィルムに踊りだ ....
君から赤を絞り出そう
絵の具のチューブみたいに
滴り落ちるほどの血を吸った
むくむくの ナプキンのように
つまらないんだろ?
一体 何が楽しくて
そんな風に 自分を苦しめ ....
mkiMaop9htstaj:@r4hoa[h.th\@-hro
,l;pKA*Zpfrea0hgriahahr-a\h^h]ah;
hmkl@p^\hr4Ph\ ....
よく切れるナイフを手に取り
一粒の砂に 切りつけようとしたが
どうしてもできない
手の平は血まみれになり
その上に置いた砂は
無傷のまま 涼しい顔で
寝息を立てている ....
時々、訳もなく泣きたくなる。
今日がそんな日だった。目に映る何もかもが煩わしくて、それでいて、執拗にそれらに触れたがっている、もう一人の自分がいた。放っておいて欲しいのに、見捨てられたくない ....
日々を無駄に過ごすなって
お袋によく言われたっけ
汚れたエプロンを
鎧みたいにまとって
布団たたきを握りしめ
水仕事に荒れた両手を 腰に当てて
にらんでいたお袋
....
俺のテレキャスターは
どんな女よりも
艶っぽく喘ぐ
だから
要らないんだ
柔らかくて暖かい
夜の女の 肢体なんて
俺のテレキャスターは
どん ....
それは 真夜中の出来事だった
白いシーツにくるまった
私の鼓膜をくすぐる
乾いた漣の音
胸騒ぎが
私を揺り起こした
その音が響いてくるのは
....
胸ポケットに挿した Myボールペンをとって
くるくると 青空に放ってみた
跳ね返す春の光で ウインクを繰り返しながら
手元に帰ってきたときは 一本のナイフに代わっていた
迎え ....
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