子供の頃のいたずらの跡がまだ 障子に残っているから ぼくは床に伏したままでも透視することが出来る 空は曇っていて 北と南で濃淡が違う あの人は傘を持っている カラスは濡れても構わない あるいは飛び立っ .... はねられるときは
不意にやってくるから
はねられるときは
自由でありたいものだ
まずお気に入りの
ポシェットを身につけて
交差点を
まったくの無防備に
横切っていると
真横から
真 ....
血が欲しいんだ血が欲しいんだと繰り返し言うことが本当に必要だったらやってみるがいいよ今にじみ出すような本当にきみが必要としてるような世界は赤いセロハン一枚で事足りてしまうぞどうするんだ幼稚園児と手をつ .... 青い糸は政府専用の糸だから切ってしまう
そんなこと言ったって
道路は糸電話の糸であふれかえっているし
不自然な形で投網まで紛れ込んでいるからな
こんな偽装はもうたくさんだ、腹立たしい
と言っ ....
何を拾ってきた?
何を持ち帰ってきた?
それらを並べ替える
きちんとした言葉になる前に
ぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に捨てる
飛ぶ鳥は水平線を濁しながら渡る その足が青いのを見て追いかける 何か落とした! 青色一号の入っていた分別されていない容器につまずくと 足が染色されてしまうことがよくある もし洗っても取れないなら その .... わたしが電柱に並んで立っているとき
それは危険を知らせる合図である。
速やかに立ち去り
和室の掛け軸をめくり
経路を確保しなくてはならない。

わたしは電線を引きちぎって
えび結びにする ....
公園で
重たくて透明なプレートを
持ち上げたり
降ろしたりしている
それは誰にも見えない
それは誰にも分からない

わたしは
疲れると
家に帰るふりをして
子供をあやすふりをして
 ....
しなやかな笹を選んで 束にして山を下りるひと
川のたもとに立つときは裸足と決まっている
少女の霊をクーラーボックス 良く冷やしておくことだ
石を積んだ痕跡がある 年号を数えているうちにすべて忘れ ....
 縦に長い画布を目前にしてわたしはしばらくの間立ち尽くしていた。白い画布は天井から垂直に吊り下げられていた、わたしはその天井を有する広い部屋の真ん中で、真ん中に吊り下げられている画布の前で、自らの腕を .... おぼうさんは
朝早く起きる
おぼうさんは
長い丸太の枕で
横一列になって寝る
おぼうさんは
剃髪した後
剃刀を
水で洗わない
おぼうさんは
沐浴をしても
身体を拭いたりしない
 ....
幾千の怨み孕みを一つずつ行分けしてピンで留める
ある精神状態の加害状況は鉛筆で
夏の日の蝶は羽ではなく胴体を なでてやる

蛆め 蛆ども わかってるか このわたしだ
肉体を探せ 肉体をよこせ ....
東京ドーム三千六百二十七個分 の広大な敷地に立てられた遊園地は砂に埋もれた 鉄扉は申し訳程度の隙間を約二十年に渡って広げ続けていた 淡い記憶のフラッシュメモリー 吹かれたことや吹かれないことがまるで思 .... ピンポン球の
はねる理由を
知りたくて
開いてみたら
からっぽだった

どこかで
見かけませんでしたか
やがて知らない街で ぼくらは旅に出たことを心底憎み 育つだろう
明かりの消えた街頭が時折点滅する 宇宙の言語だテレパシー
保全のために まったき保全のための遊歩を 遊歩するんだ
こぼした飲み物の ....
どさくさにまぎれて昏睡
痛く滑稽
ハニエリシダを少々
いただきまして
ねむりますの?
ねむりますの?

隣人の性交雨読
ねむれない夜が続く
朝食の重複禁止
フライパンの上の
ピラ ....
 写真を撮ってくださいとお頼みしたかもしれません。いつのことかは忘れたけれど。忘れないうちに忘れてないことを語っておきます。戦争があったのは三年前で、街はぼろぼろになりました。その頃に犬を買って、お金 .... 1
旅行者のトランクの中には死者が入ってる 閉鎖された事務所の机の下には死者が入ってる 金庫の中にも死者が入ってる 下水が道路と交差する暗くてよく見えない場所には死者が入ってる 重たくて動かす気にも ....
やぁ娘さん
いったいなにをしてるんだい
金魚を飼っているの
金魚を飼っているの
金魚を飼っているの
その娘は三回答えたり
二回答えたりした

娘はひらいた
わたしは言い返した
でき ....
ホースを部屋に引いて
蛇口をひねるよう指示したら
部屋の中か水浸しになったが
わたしにはそれが
どういうことかわからなかった
 まず守りたいものを準備します。それはなんでも構いません。個人情報でも他人情報でも不倫の証拠でも消したい過去でも悪い成績でも仕方なく結婚した配偶者でもなんでも結構です。それをまず、柔らかい布で丁寧に包 ....  夢を見た。犬がわんと吠えるまで見た。わたしは当時の格好で、先生は偉かった。偉い先生が偉い表情で偉い仕草で偉い鼻息で見下しながら、お前は望みが薄いから去れ、下山しろと言ってきた。当然意味が分からないか .... 影を落すように
身体の中で必要とは思われない部分を
ひとつひとつ落としていったら
何一つ残らなかった
落とすべき影も無く
たとえ落としていたとしても
それを見るべき瞳も無い
だがやさしい ....
 家の近くには宗教団体があって、夜な夜な奇声を発している。それが時々部屋に侵入してくる。白い毛布だけを残して、宗教のかたまりはすぐ凝固する。わたしがそれを路上に放置すると、がさがさと数人の宗教が集まっ .... どこまでも白い
白い壁に
壁に向かって
(向かって)打っている
震える肩は冷たく切られている
日常の中で
歩くことが常に身軽なように
突然
壁に出くわすことも
日常に取り入れることが ....
幾分か重いものを愛した この身体は幾分か重く 逃げようとしているものを まるでわざと逃がしているかのようだ 放牧場で ひつじの群れを遠くの山の方に追いやりながら ぼんやりと走っているのは 忘れられた  .... アスファルトが
まだ固まる前にその
やわらかな身体に
足跡をつけて回った
柵が無ければ
乗り越えてこなかったよ

ミステリー・サークル
ぼくを呼ぶ
すごく不安定な声
ブロンズのアダ ....
1,
椅子が背もたれを向こうにしている
わたしは座面にかかとを乗せて
中空を見るでもなく見ている
死んだように動かないのか
動かないように死んだのか
ともあれ動こうとしない身体を
板張り ....
にんげんとして それ以上ににんげんとして やるべきことがもっと他にあったと思う が衝動的 におびえながら も強く唇を噛んで 腐った木の実のかろうじて付いている枝を抱えて 地震の直後のようだ 焼け野原に .... あの砂塵の向こう側で何が行われているか確かめたいんだ
どうなんだどうなんだどうなんだ えぇ?
ぼくら 本当はあそこで皆してうずくまってるだけなんじゃないのか

光のある方向が常に光っている 些 ....
黒川排除 (oldsoup)(384)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩504/7/28 22:02
テレポート自由詩404/7/24 2:20
ワンダーセロハン自由詩604/7/21 4:10
つめ痕自由詩304/7/19 17:36
ある予兆自由詩104/7/13 0:38
青足は且つ踊りて自由詩504/7/12 1:10
警報自由詩304/7/9 1:57
透き通るほど自由詩704/7/2 1:55
パイロビジョン自由詩104/6/30 22:02
覆面自由詩104/6/29 3:44
坊主に関する覚え書き自由詩804/6/24 12:59
昆虫採集[group]自由詩004/6/23 1:16
放置自由詩204/6/21 1:58
貼り紙をする自由詩804/6/16 22:22
路地裏マウントホール自由詩204/6/14 0:41
昏睡自由詩204/6/11 1:34
ダルメシアン・ポラロイド自由詩604/6/10 1:40
死者には死者の言い分を自由詩404/6/7 1:09
応答によるけど自由詩404/6/4 3:58
放心自由詩704/6/2 2:09
新しいセキュリティー自由詩704/5/30 2:26
望みが薄い自由詩204/5/28 1:12
茫然の櫃自由詩004/5/26 19:59
宗教自由詩004/5/25 1:01
白い外壁自由詩004/5/23 23:43
解き放たれた・解き放たれている歴史のさなかで自由詩104/5/21 2:41
きみを呼ぶ自由詩204/5/20 2:10
死亡実験[group]自由詩304/5/18 0:52
腹葬自由詩404/5/14 2:20
砂塵自由詩104/5/12 1:04

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