陽光が煙のようだ。蛙がポストが風見鶏がプッシュ・ホンが。
日中の光はブラジル人のバケツに安穏と溜まった。

その度めくれ上がるカーテンにイとハの印を押して回った。

刈られぬ雑草はようやく郵 ....
わたしは言っているとき、そのものが悲しい。二回繰り返すことで否定する。思うときはそれが違う。繰り返すときはそれ以外のものではない。

(つくえつくえ「つくえ」)
 つくえ つくえ「つくえつくえ」 ....
線は線に縁取られると形になる
あるいは輪郭と呼ばれても
わたしたちは先に生まれている
そのことはいつも
部屋の中で動かずに考えるべきであろうことを

わたしは知っている
いつもぶち当たる ....
 わたしはシャッターの降りた酒屋の前で人を待っていた。夜だ。幸いにしてベンチはあったが、なければ凍り付いていたかも知れない。木で出来たベンチは冷たく、しかし体温は冷たくなく、わたしはすぐに暖かくなるだ .... 落札!
高らかな宣言とともに成響くハンマァの音
砕かれる落札者の商品

海に灰を撒くなんて穏やかじゃないね
豪華クルーザーの乗客の声
本当は叫んでいる

薄暗い雪が降る
溺れているの ....
ぼくはおんなを殴打する めちゃくちゃになるまで殴打する マウントポジションで殴打する 大通りのど真ん中で 分離帯の真上で殴打する オーストリアの悲劇の歴史を暗唱しながら 念力で街路樹を根っこから持ち上 .... 古い橋は渡らない
細い縦糸
ほつれた
少女の白いカーディガン
茶褐色の肌
それは鳥取砂丘
バンカー手前の
モスグリーン
国の名前
言葉の意味は
「寒波がやってくる」
ねえ寒いの
 ....
いくつかの部屋は音もなく連結した。触覚を結ばれた虫達は手足を麻痺させた。苦しむことの自戒は書ごと焼き討たれた。その日からあらゆる喫煙が禁止された。
今、歯車は轟音を立てて回り始める。台座は細かい亀裂 ....


わたしと わたしとはまったく縁のない十数人のよそびとたちは皆押し黙って沈痛な面持ちをして バスの中にそれほど窮屈でないにしろごみごみと固まってひとところからひとところへ運ばれる途中であった わたしは豪 .... 夜の神社は出店の明かりを一つだけ灯しているという話である わたしはまったくの夜にそれを探しにいく狐である 闇に薄れるわたしを見守るわたしはやはり夜の闇である 明かりは不思議と風にそよぎながら同じ場所を .... 迷子のお知らせをします
赤い帽子をかぶった
ワンピース姿で
後期量産型の
中年男性が
迷子になっております
アナウンスはスロープを
なだらかに崩れ落ちる
伏せられたメガホン
かぶせら ....
まだ 小さな眠りのことから うまく話せないでいる 濁ったものや 透き通ったものが 次々と流れていく 潮の引いた海岸 陥没の七色の群れたがり 等しくなく問いかけるもの 温度を感じるならば それは揺らぐ雲 .... 暗号電文を流すのはやめてくださいという文章が郵送で届く。どういうことか問いつめると何もしてないと言う。ぼくらはキャッチボールをしに外へ出る。遠い異国から輸入されてきたいくつかの異なる言語圏の文字で書か .... 不意に後ろから呼ばれることに身構えている名前のように

わたしは鉄板のように滑らかだと思っていたら 後ろから打たれた
ひどく鋭く尖ったもので ハンマーの音は屋根裏から聞こえるのだ
知らないこと ....
ウェーブしたものをつくりたいと思ったことはあるか。わたしは、ある。それはまず滑らかでなくてはならないだろう。日差し例えば、うたたねをする準備ぐらいあってもいいだろう例えば、枕ぐらいあってもいいだろう。 .... 1.もたげる 
朝が来たのか夜が来たのか、わからないとにかく太陽が窓に貼られたらわたしは、起きなければならないわたしは。ワッペンは太陽の形をしているかワッペンは太陽の形をしていなければだめだワッペン ....
ある日、呼び出されて

ダビィンチのおじさんと
二人
寂れたカフェに陣取り
何も注文しないまま
そこで
殴り合いをする

「小銭を盗んだろう!」
「うるさい
恥知らずの男色家め
 ....
わたしはコンビニエンスストアで傘を買う
ビニール傘だ 貧弱なのは値段のせいだろう
支払いを済ませるまで店主はわたしの顔を見ていた
道路を渡り向かいの建物に入りガラス戸を閉める
と店主もちょうど ....
わたしが 水から上がるとき、いつも
聞き忘れていることがありまして それは喋りません が
ふ と流れていくものを 仕草、捕まえるときの
肉体の動き、地脈らしく 地層の重なり 浚渫は終わり
わた ....
驚くほど滑らかなスプーンの潜水
ぼくらは口を開けたまま黙る
ひとすくいの果物が次々と放り込まれて
租借には百や千の年月を要する
ぼくらは汚れの取れたスプーンを見るか
時代──書物での構築、さようなら──会いたかったひと。手を振る行為──訳せない、線路の上──近似値を計る人。ミリメートル──時折かさばるもの、果てしない段組み──力つきるまで。クリーム状の──コンセン .... 踏切のあの 落ちてくる棒みたいな奴が 包丁に見える とぎゃあぎゃあわめいている市民がいたので 実際 包丁を持って奴の部屋に上がってやったら 「ああ 踏切が じぶんの部屋にやってきた!」 とか言う しょ .... 誰かが今まで住んでいたような匂い
発散と吸収
なまあたたかい家具
苦しみは重みを持たぬ
弱々しい声での応答
工業製品に縛られては
目盛りも決して傾く事はない
まるでさびた分銅を手に
彫 ....
「担当の岩崎です」「はい」「どうぞ」「石川県金沢市の河北郡で」「河北郡は」「はい?」「かほく市になりましたが」「そうですか」「そうです」「どうしてですか」「合併したからではないでしょうか」「合併」「合 .... アイスキャンディー
ある冷たい話をする
アイデンティティ
大学の一室はもう真っ暗
カーテンは黒い
書道部が逃げていく
追いかける学生はその倍
自宅待機の者はその倍
中国の人口はその倍
 ....
たおれてしまったものを
たてなおすとき
きみがどう思っているのか
ぼくが
知らないとでも
思っているのかい

かえらざる
都合があり情緒がある
結構なこと
思い出は
日記と写真で ....
もっと楽しいことがあるなら
ぼくはそこに行くと思うけれども
どうせそこにはもうないんだろう
どうせそこにはもうないんだろう

もう、
もう、

牛のようだ
ええ、牛のようですね
それでもまだ日付が変わるまでは 黙っていたいことがあって/わたしは玄関にいる 幼年期に買ってもらえなかった自転車は買ってある 柱にくくり付けられていて 犬のようにはしゃぎもしない 鍵の番号は親の誕生日 .... 近付くもの
未来を予言するもの
告白するもの
わたしはねむる。
つかさどれ、
つかさどれ、
わたしを煩わせるすべてのもの
ビッグバーンは跳ね上がる
冗長な呼ばれ方
土星の輪が曲がって ....
黒川排除 (oldsoup)(384)
タイトル カテゴリ Point 日付
事故自由詩104/11/28 1:55
わたしは不特定多数(です)自由詩304/11/23 2:18
追放自由詩704/11/18 9:56
スチール自由詩204/11/16 0:02
忘れえぬ夜のために自由詩404/11/4 2:36
殴打自由詩304/11/2 23:33
季節は季節のやりかたで自由詩504/10/29 1:42
自白自由詩104/10/27 1:58
沈黙そして暗い穴自由詩104/10/25 2:10
シネマトラジック自由詩104/10/22 1:40
来たるべき眠りのために自由詩104/10/20 13:48
3000リットル自由詩804/10/13 0:39
それから自由詩304/10/10 0:01
だけれどぼくらは自由詩204/10/9 2:42
くされる秋自由詩204/10/4 22:23
冷たい図工自由詩604/9/28 2:11
言遊病自由詩304/9/25 13:10
ミシガンノーツある古びた家屋にきみは生まれた自由詩004/9/24 9:56
傘を買う自由詩204/9/23 2:22
屠ってない自由詩604/9/21 2:31
スプーン自由詩104/9/17 1:18
打楽器自由詩204/9/12 0:12
踏切自由詩404/8/29 8:33
軸舎自由詩004/8/27 2:49
104自由詩504/8/21 21:46
アイスキャンディー・アイデンティティ自由詩404/8/19 0:15
レバー引かれた自由詩304/8/17 1:42
程度自由詩204/8/10 2:03
あるいはスペースを入力してください。あるいはスペースを入力し ...自由詩4*04/8/7 1:57
近代自由詩204/8/3 1:54

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