彼は寒いね、と言った。

数秒遅れて、彼女はそうだね、と返した。


彼は、二人が座っているベンチ付近の気温の低さを、彼女に確認したかったわけではない。


言葉にせずとも分かることを ....
朝が来た また一日の始まりだ 洗面所でため息をつく


自転車が単なる手段になってから どのくらい時が流れただろう


携帯を見つめてるとき 見てるのは画面の奥に隠れた虚無感

 ....
志望校の欄には、必ず書くこと、という注意書きがあった。
どうやら、未定、というモラトリアムの代名詞は此処では通用しないらしい。

まぁ、そりゃあ、進学校だもんな。大学に行くための高校だもんな。志 ....
「間違いは誰にでもある」だとか

「罪を憎んで人を憎まず」だとか

そういう免罪符のような言葉は きっと

過失のない過ちに対して使われるべきだろう



いつも 気付くのは 傷つ ....
居場所というのは、用意されたものなどではない。

探すものでも、見つかるものでもないし、

作り出すものでも、切り開くものでもない。


君が、今、ここに、存在している。

その圧倒的事実が、君の居場 ....
正しいことを証明するのは、非常に難しい。

間違っていることを証明するのが、はるかに簡単だ。


わざと矛盾した仮定をして、それが間違っていると証明する。

そんな回りくどいやり方をしな ....
寝る前に、これを明日の日付にするのが習慣になった。


別に、日付が知りたいわけじゃない。

ただ、毎日を刻みたいだけ。

一日、を感じたいだけ。

一体、もう何百回転がしたんだろうか。



そろそ ....
君は呟く。死にたい、と。

僕は知っている。君が僕の何倍も生きたいと思っていることを。



君は叫ぶ。学校なんか嫌いだ、と。

僕は知っている。君が僕の何倍も学校に行きたがっているこ ....
何がしたいんだっけ。

何が欲しいんだっけ。

何を求めているんだっけ。


たまに、解らなくなる。

悩んで、忘れて、思い出す、繰り返す。


それが、続いている限りは、大丈 ....
殺してやりたい過去の自分は、山のようにいて。

殺してやりたい今の自分は、一人しかいなくて。

殺してやりたい未来の自分は、まだ存在しなくて。



過去の自分は殺せても、今の自分は殺 ....
僕は不器用だから。

君に近づこうとしているのに、君が離れていくのが解るから。


もう、どうしようもなくて。

自分の力ではどうにもできないと、決めつけて、諦めて。


僕は、閉 ....
誰もが物語の主人公だとは よく言ったもんだ

確かにその通り

主観的にはいつだって自分が主人公だ


でもね

誰もが物語の主人公のような性格をして

誰もが物語のような人生を歩む

そんな世界は成 ....
人畜無害になりたい、と思う。

大切な人を傷つけてしまうくらいなら、人畜無害になりたい。


いっそのこと死んでしまおうか。そうすれば誰も傷つけずに済むんじゃないか。

そう思ったけれど ....
過去の自分はよく見える。
嫌になるくらい鮮明だ。

恐らく、その当時の自分よりは、自分のことを正しく見ることができているだろう。


僕は現在に常にいる。
この僕という存在は現在にしか存在しえない。
 ....
口内炎が痛むのが、僕のせいではないように。

きっと、この心の痛みも、僕のせいではない。誰かのせいだ。僕以外の誰かのせいだ。



そう思い込んでると、治らない傷。
誰ひとりとして上ろうとしない階段に、価値は?

誰ひとりとして上ろうとしない人間に、価値は?
我々に与えられた条件は、必ず不平等である。

家庭環境、性格、長所、特技、その他、人間の状況・特徴全て。

それがつまり、個性と一般に呼ばれているものなのだが。


その条件に対して不満 ....
遊び過ぎると、馬鹿になる。

勉強し過ぎると、おかしくなる。

運動し過ぎると、倒れる。

寝過ぎると、太る。

悩み過ぎると、痩せる。

打ち明け過ぎると、馬鹿を見る。

溜 ....
卒業したくない。ずっとこのままが良い。

……そんな言葉を、一体どれくらい口にしてきたのだろう。そして、今も口にしている。

繰り返す、というのは、一番簡単な強調の手段。

いくら繰り返し ....
どうやら、眠れない、なんてことはなさそうだ。

しかし、緊張していないわけでもない。

初めての受験。初めての選択。初めての勝負。


大袈裟かもしれない。

だが、そう形容するに相応しい不安を、今、 ....
強い光は、痛みも苦しみも照らし出す。

眩しい。

でも、見たい。

自分の心に、光を思いっきり打ち込んでやりたい。



いつまでも闇に隠れていては、絶対に損をする。

光は、本来とても暖かいものな ....
石鹸は 清潔感の象徴であるにもかかわらず


汚い手にその身をもみしだかれ その身を徐々に徐々に削り取られ


自らの一部が 汚らしさの象徴である下水道に 徐々に徐々に流れていくのを

 ....
自由は、定義できない

定義できないからこそ、自由なのだ

しかし、「定義できない」と定義している以上、これは自由ではない


つまり、この世界に真の自由など存在しないことを、認めねばな ....
意外なことに、人間の感情は科学的に解明されていない。

何故、クオリアが発生するのか。これが解明されていないからだ。

それはすなわち、何故人間は感情をもっているのか、という問いに等しい。
 ....
未来があるから、過去がある。過去が無ければ、未来は無い。


人間は、記憶する能力を持っている。記録ではない。記憶だ。

それは、時に、記録よりも曖昧なもので、時に、記録よりも鮮明なものとな ....
勉強は、木版画に似ていないだろうか。


学習する内容。教育委員会が決めた内容。これが板。

自分の努力。自分が勉強した努力。時間。これがインク。

当然ながら、自分の脳みそ。これが紙。 ....
生きている以上、僕たちは時間という海に痕跡を残す。

引き返すことはない。
やり直すことはできない。

ただただ、振り向いては痕跡を残した時のことを思い返すばかりだ。
振り向いている最中すら、僕たちに ....
あの時の興奮――。

数万人が同じ想いのもとに集まり、
数万人が同じ音楽に心を踊らせ、
数万人が同じ感覚に陶酔する。

あの時の興奮――。


それだけは、何があろうと絶対に忘れまい。
それだけで、生 ....
どうして、僕たちはこんな歪んだ形でしか表現できない?
好きなことを好きだと、嫌なことを嫌だと、何故言えない?

いつからこうなった?
もう子供のままではいられないのか?
ずっと子供のままでいてはいけな ....
人間は、皆、光源だ。

ただし、輝いている人ほど強い光源だ、という意味ではない。 



光源は自分を照らすことができない。

必ず、誰かを照らす存在だ。照らすだけでは輝けない。

 ....
エルメス(40)
タイトル カテゴリ Point 日付
夜明け散文(批評 ...010/8/19 20:41
少年の一日短歌210/5/1 14:48
進路希望調査散文(批評 ...0+10/1/16 21:14
懺悔自由詩109/11/23 22:59
居場所携帯写真+ ...009/10/22 23:51
証明自由詩009/10/7 22:53
刻む回転携帯写真+ ...209/8/9 23:46
1/34自由詩109/8/4 22:53
大丈夫自由詩109/6/21 13:23
懐疑会議自由詩009/6/11 20:52
距離自由詩309/5/2 14:30
主人公携帯写真+ ...0*09/4/4 0:26
人畜無害自由詩2*09/4/3 20:49
自分携帯写真+ ...1*09/3/28 20:41
口内炎自由詩1*09/3/24 21:12
存在意義携帯写真+ ...1*09/3/21 21:31
条件感謝自由詩009/3/15 19:53
ほどほど自由詩2*09/3/14 14:09
旅立ち前夜自由詩0*09/3/9 20:48
決戦前夜携帯写真+ ...0*09/3/4 20:07
陽光携帯写真+ ...609/2/26 22:43
悲劇のヒロイン自由詩4*09/2/26 20:12
自由自由詩0*09/2/25 21:03
物質世界のスクリーン自由詩1*09/2/20 20:39
記憶が生むもの自由詩0*09/2/20 19:57
懐かしの木版画散文(批評 ...1*09/2/16 20:42
時間大洋携帯写真+ ...0*09/2/13 22:36
Live携帯写真+ ...0*09/2/11 22:48
思春期携帯写真+ ...4*09/2/11 14:45
光源自由詩2*09/2/10 20:26

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