あなたに縁するすべてのひとが
思うとおりの仕草や言葉で
やさしく温かく包まれていたなら
あなたの敵討ちをしたいだなんて
ドンキホーテみたいなこと
世界に誓わずにすんだのだ ....
アンネの日記がやぶられる
それを世間は心配している
死んだらどうなるのだろう
それをぼくは心配している
日記を勝手に読まれても
平気になってしまうのだろうか
日 ....
祈るような開花
ひと花ふた花
祈るような開花
つらいトンネルを
つかの間でも
さ迷い出られたら
ひかりの妖精が
ひと精ふた精
ひかりの妖精が
....
陽気な緻密
タフなフロンティア
ゴンに嫉妬
きみの切実
自信ないようなこと言われると
つらかった悲しかった
合格できたら自信つくんかな
へんなこと、ないか ....
グーグルマップカーだ
こんな街角の検索に
へんな遠近感でオレ出演してしまうのだ
なぜオレはこの車を襲撃しないのだろう
グーグルマップと原子力発電所は似ている
電源喪失の原子力発電所
宇宙 ....
さめたみそ汁
水たまり
霞や雲が
大人しく降る
風に運ばれ
光に刺激され
歴史の束の間
毒をおびる
ああ、黙っていたら
損をするなんて
....
ミスターメリット
おまえにあるのは
在り方じゃなくてやり方
ミスターメリット
おまえにあるのは
在り方じゃなくてやり方
雪の河
ハイドロスリップ
死 ....
あしもとの雪は泥混じり
むこうの雪は白くて綺麗
この雪の河渡るには
生きてさえいればいい
この愛さえあればいい
この雪の河渡るには
あしもとの雪は泥混じり
....
みんな
ちゃんと
みとめられて
みんな
いいひとで
いいことをして
みんな
きもちよく
生きてゆければ
不意に訪れるのは
悲しみか
....
市井のすみで本能が
真実をねじまげるのは何故
真実とはからくりのようなもの
本能とは時限爆弾のようなもの
共働きの内縁の
事実婚のカレーのルウ
遠くから澄んだ口 ....
タクシーがつかまらない
ちょうどいいバスあるかも知れない
病院坂のからくり峠
蝉鳴く頃会えるかな
俺が弱ってしまったら会えなくなる
強くなきゃ会えなくなる
自転 ....
雪はライトに照らされて
数千万の点の直線になる
雨よりストップモーションで
風より自由はないようで
そんな光景を外に置きながら
ひとり畳のうえでうたた寝をする
....
宇多田ヒカルで思い出す
25年くらいまえ
学生のバーテンダーがいました
アルバイトでした
常連の女の子がいました
その娘はマスターと付き合っていたのかも知れません
....
声が聞こえる
耳のおくで聞いている
あたたかくて
なつかしくて首傾げる
声が聞こえる
じぶんをコントロールできたなら
まわりもコントロールできるかも
じぶ ....
ほっほっ、ほおたるこい
ほっほっ、ほおたるこい
自転車に乗って帰ったり
ぬるい夜風に咳込んだり
ほっほっ、ほおたるこい
ほっほっ、ほおたるこい
楽しいことなんか ....
カーリング
そうじや、そうじや
カーリング
おばちゃんばっかや
カーリング
ねむてえなあ
ああ、ねむてえなあ
ねむてえなあ
このまんま木になってしま ....
お墓参りは楽しいな
ふしぎな通信
ふしぎな記号
お墓参りは清しいな
だってあふれるDNA
その容れ物の骨組みが
きっと?のキーだから
お墓参りは楽しいな
ふしぎな通信
ふしぎな記 ....
あのときオレいたから
死んだらオレ
あのときのおまえのそばで
バンザイバンザイしていたから
バンザイバンザイ
進軍ラッパ吹きながら
バンザイバンザイ
行進曲奏でていたから
あのとき ....
あなたとあなたの影だけの
薄灰色のひかりのなかに
ぼくは死ぬとき舞い降りる
舞い降りるように見つめている
あなたがうまく生きますように
なんにも煩わされることもなく
あなたがうまく生きま ....
ハンバーグ
あたしがつくった
ハンバーグ
おいしくできた
ハンバーグ
13階のハンバーグ
ハンバーグ
遅刻覚悟のハンバーグ
この世の中の曖昧を
....
地上と天をつなぐ幻
虹を見逃さない
レインボー・バウムクーヘン
虹を見逃さない
誰かの希望になれるかも
金髪のモスキート
地上と天をつなぐ幻
悲しい苛立ち
恨みや損な役回り
生まれ ....
売春宿から助けだされた女の子
お話ししようとしたけれど
おまえらどうせいつか帰るやろ、
黒い瞳はただ暗く
敵意や失意にみちていた
そうだ、その通りだ、いつか帰るよ、
....
原発0を政府として打ち出しているドイツでは
原発はまだ稼動している
原発再稼動を政府として打ち出しているこの国では
原発は一基も稼動していない
この国はもう実質的には原発0なの ....
なんにもなくしたものなんてない
かわいそうなんて言われたかない
がんばれとか言われたかない
ぼろぼろになったって
ぼろぼろになんなかったところも
たくさんたくさんある
....
しずかな曇り日
サイレンが鳴る
すみやかな避難を告げている
雲のすきから光が射している
神話のような光の柱が
地上を柔らかくつらぬいている
ミサイルはまだ見えない
....
遥か草原のようなこの街を
ひとつかみの雲のようなふたり
あてもなくさ迷い飛んでいる
建物の影や光や風
ぼくには優しくすることもできない
だれかに守られている
幸 ....
ひとりで
そとに出たらそとがいた
アキラを買ったら夢中になった
タイガース
菜の花ばたけのタイガース
電車は2分も乗れなかった
エレベーターも無理だった
....
小学生のころ虫を食べていた
アリやトンボやチョウやセミ
その味ならいまも思い出せる
小学生のころそれで虫博士と呼ばれていた
頭がよくなったような気がして
嬉しくてみんなの ....
部屋にひかりをいれる
朝のひかりに街は黄ばんでいる
むこうに富士が朝焼けている
いつ爆発するのかを見つめている
この瞬間は永遠につづくわけではない
それはただ
過去 ....
歴史の知識のフィルターで
あたりを見回しながら山を上った
城跡にひとの気配を探していた
何百年か前ここには猛るひともいた
しかしこの城跡にはもう道さえないのだった
私 ....
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51
0.56sec.