汚れちまった悲しみに
今日も宇宙のふりかかる
汚れちまった悲しみに
今日も生死がふりかかる
たとえば死体に蝿などが
たかる様子を忌み嫌う
宇宙や生死のなますがた ....
水色がほんとうは
桃色でも灰色でもあるように
白はほんとうは
黄色でも灰色でもあるようだ
自然は
水色だけを跳ね返すことをしないのだ
自然は
白だけを跳ね ....
秋も冬も春も
歩いたね
五月も梅雨も
歩いたね
生き物たちが
呆気にとられて
悲しみに暮れている
ひとが生まれるということは
たぶん津波にのまれるこ ....
特撮映画の基地みたいな音がした
僕は静かを見つめて身構えていた
やがて小さな地滑りみたいな予感に身をまかせていた
地下500メートルの岩盤につくられた個室にも
攻撃の震動が届い ....
きのう土砂災害で死んだ少年がグリーン車に乗っていた
ニュースで少年の横顔を見たときそれは短命の容貌ではなかった
だからいまグリーン車に少年を発見しても動揺はなかった
きのう会社に戻っ ....
狩猟生活より農耕生活を選んだのは
富の蓄積だとか食生活の安定だとかが理由ではなく
命の剥奪から逃れたかったからではないか
命の剥奪はひとを満たすのだろうか
幸福とはぼくらのどの ....
きのうガストで吸血鬼が
ここの血甘すぎないからいいんだよねえ的なことを
学習塾の講師っぽい大学生に言っていた
この大学生は吸血鬼とどういう関係なんだろう
吸血鬼といえば女子高生 ....
七夕ばたばたアブラカタブラ
笹に願いをかけました
みんな仕事ができますように
仕事ができるなら
たぶん金持ちでなくてもいい
お星さま願いを叶えて
七夕ばたばたアブラ ....
悩むのは馬鹿らしいことだ
カッコワルイ大人を見れば
それが清々しいほど分かる
カッコワルイ大人たちにも
そんな役の立ちかたがある
感情でたくさんのことを失うのは損だ! ....
緑の森の伏魔殿
蒸す青い夕方
ひとのざわめき
2時間ばかりいるうちに
昭和のニュース
闇のなかの光
黒い森の伏魔殿
審判は未来にあるのではない
今に ....
理由がある
なんて生き方や考え方は
好きじゃない
いちいちゴールをつくりたがる
そんなのまるで嫌だ
ゴールなんてない
原因なんてない理由なんてない
だって ....
実力がうえの者たちに善戦しても
勝てなかったら
何をやってるんだということになる
戦うということはそういうことなんだ
俺はいま戦っているか?
俺はいま戦っているか?
....
白粉の香り
バター飴の香り
緑に埋もれた
クチナシの花の香り
闇が深くなる
落とし物は宇宙の彼方に
機械仕掛けを歩くようだ
闇が濃くなる
落とし物は ....
戦争は誰かの暴走ではじまる
みんなほんとはしたくないんだ
家事も子育てもできない女も
まいにち右往左往している男も
暴走をとめられない日和見主義者も
期待に応えようとマイ ....
風の調べに泣いていた
涙こぼさず泣いていた
ぐうんぐうんぐうんと
口笛がみずみずしいよ
空の調べにほとばしる
命散らせてほとばしる
すきとすき
夏だろう
....
花咲くころの空気
ステーションから見つめている
無重力の悲しみ
言葉が震えて
生きものたちのみずみずしさ
!!!!駆け出した
切実が無重力の自由に震えている
....
あたま痛い
こんな夜
乗り切りたい
寂しさも
わからない
響きあう
遠くのキラキラ
はんぶんのUFO
かじってみる
冷たいトマトアイス
....
団地の一階のベランダの下
ひみつ基地
アルゼンチンのサッカー場
はがされる
猥雑な清純が広がっている
オイルショックも
社長も東京もタクシーも
まだ青かっ ....
まだ見ぬ不安に
コントロールされる
動悸
圧迫
冷静
死ぬのがこわい
死ぬときはひとりだ
外灯にみどりが鮮やかだ
バスとすれ違う
夏の夜がにじ ....
曇り空に月が隠れている
それが透けて霞んでいる
不愉快な風も風は風なのだ
一掃きしてくれる風なのだ
赤字がひとを頑固にさせる
ひとを腐らせもし
不満のかたまりに ....
電車がホームに入りドアが開いた
秋の風の湿ったのが車内に吹いた
ぼくは久しぶりにその日そとに出たのだった
登場人物のなかに自分がいた
試すことが多すぎて
ぼくはなんだか自 ....
すべての悲しみは郷愁だ
あったかも知れない
世界への
すべての悲しみは郷愁だ
あんなことを
してあげたらよかった
したらよかった
埋めることのできない
あふれだす気持ち
あんなこと ....
こんな粘土みたいな景色のなかで
あの写真にぎりしめながら
ぼくは写っていないけれど
大切なひとたちの大切な夢
天使たちがすべり台で遊んでいる
とつぜん死ぬのなら
さよならされるのなら
....
遠い夢のあとのような水色が
さびしくて
よわって
しんだ
しんだしんだしんだ
遠い夢のあとのような水色が
あの鐘をいつも鳴らしていた
ぼくはここだよ
....
貧しくて
口減らしのために子が親を捨てにゆく話があった
大金持ちで
お金を使う時間が欲しくて親が子を・・・・
お金があれば
それを使うことで人生を豊かにしようとするひとがいても
なんの異論 ....
ハイジいます
ペーターいます
そうこの光景に連呼していた
でも
クララいません
車椅子アルプスじゃ無理です
人口800万、九州くらいの大きさのスイスが
したたかな思いやりで
他の国か ....
雨の朝
曇り空
青い朝
それがみるまに
青から黒がぬけてゆく
するとそこはグレーになる
むこうの空には
桃いろと黄いろと透明が沈澱する
そのうえに
ぼくたちの大好きな水色
雨の ....
雨のジュネーブ
過ぎ去るクルマ
道がジュルジュル泣いている
こどもんときとおんなじだ
雨のジュネーブ
ときどきクラクション
道がジュルジュル泣いている
知 ....
5月の緑のざわざわに
首かたむけた外灯が
ひょうきんポーズを決めている
スイスの緑も日本の緑も
5月のひかりに頑張っている
かっこいい
すずやかな風
あまくてひんやりとして
はな湿ら ....
じぶんの寝言で目が覚めた
企業にいったり集団で食事をしたり
にんげん嫌いのから元気
きのうは120年前できたホテルの部屋
つっぷしたまま眠ってしまった
むなしさを突破しろ
会敵点に飛べ
....
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