雲ひとつない夕闇にこだまする

いくらもないたったひとつの夢なのに

悲しかったのはなぜだったのか

砦になりたいと思ったのはなぜだったのか


相殺されるような気がしたから

 ....
月のひかりが

ぼくのとこまで染みていた

あお黒く白んでいた

その月明かりだけを頼りに

ぼくはクスリを探していた


ぜんぶ誰かが通った道だ

ぜんぶ誰もが通った道だ
 ....
車窓を過ぎる町並みを見つめるたび

そこにある暮らしに自分自身を嵌め込んでしまう

そしていつのまにか

胸を騒がせながら幸福について考えている

その書家の作品のまえで

わたしは車窓を過ぎる町並み ....
冬の夜が始まる

足もとにはタペストリ

藍色に挟まれる

精神のカルテのようだ

深刻に考えても

始まらない、冬の夜だ


羨みたくなかった

傷つけたくなかった
 ....
きのうも闘った

脳が覚える

薬を覚える

それをこころが覚えてゆく


脳もからだのいちぶであるのに脳とからだが闘っている

いや

脳が作り出したイメージにやられたから ....
小さな石段をおりて狭い路地を駅へと向かった

男はシンプルな出で立ちで女は濃い化粧をしていた

あのころ働く女たちは皆そんな化粧をしていた

商店街に入ると両際がプラスチックで出来た季節外 ....
ひとつの大鏡を取り合い皆でお洒落をして私たちは出掛けた

石段を姉ふたりが下りるのを私はうしろからなかを分け入って駆け降りた

ハーモニカをふく少年とぶつかって私は謝り姉ふたりにあきれられた
 ....
子供は三歳で殺される

お母さんも男もいない部屋で

たまねぎの皮

ろうそく

アルミホイル

自ら食べられないはずなのに

未熟な大人に殺される


幸福ではない自分 ....
雲かあ

あれは水か

おなじかたちなんて

あるのかなあ


秋空に昼霞みがかかっていた

肉の自由を嗅いでいた

埃は乾いて湿っていた

秋空に昼霞みがかかっていた


雲かあ

あれは水か

お ....


秋をつくる

ほんとうの色に


もみじ

いろんな絵

木々に

空に

地面に

宇宙に

慣性の法則に

緑がぬけて

ほんとうの色に


色はその色を跳ね返した光

跳ね返す意味?

も ....
高倉健が死んで

もうこの日本の世の中に彼がいなくなったと知って

日本の男たちは

彼が私たちの代わりにしてくれていたことについて


精神のどこか片隅で気づいただろう

これ ....
風にちる

枯れ葉ちる

茶色や黄色

タペストリ

うら返る

枯れ葉ちる

茶色や黄色

タペストリ


悲しみ/疾走する/気持ち

KPPをゆき過ぎる

 ....
恋とは山と海が交わったようなものだ

秋づいた山肌が涼やかなマイナスイオンを発していた

それが文明に轢かれ血を吐いて死んでいた

山肌に海の青が染みていた

山と海とが交わっていた! ....
悲しくてしかたなかった

どうしたらいいのか分からなかった

だからひとに電話した

悲しみを伝播させただけだった

この悲しみを詩にしてみようかと思った

でも悲しみの伝播を無責 ....
薄紫いろの軽自動車

後部席のドアに開いているような影

だれか乗っている人影

それをぼくは

喫茶店で

珈琲を呑みながら

見ていた立ち上がったそれきりだった


 ....
ぼくらはアリだ

アリより小さいかも知れない

命さえ持たないものなのかも知れない

宇宙から覗いてなにが悪い

ぼくらは命さえ持たないものなのかも知れないのに

アリが儀式をして ....
遮断機がおりる

喧しい静寂につつまれる

電車が激しく行き過ぎる

心が傷ついてゆく


どうしようもない

業を見せつけるように

ほとんど絶望的に

命を振り落とし ....
生きづらさ

なんでこんなこと考える

スマイル

幸せを考えるなんて

現状否定みたいなもんだから


ほんとうのぼくを

ゆっくりと解き放とう

ガンダーラガンダーラ

デイセーイトワズインイーン ....
月のそばでよこになる

半分の月が星をしたがえている

きのうまた行ってしまった

ことしもう三度めの大きな発作だ

思考を放棄しても

なにか考えごとをしてしまう

泣いてい ....
美輪明宏の幻だらけだった

美輪明宏ならすべてを歩いて確かめているはずだ

たとえ肉体でなくても霊魂でそうしてるはずだ

座席を探していたら香りでむせ返った

まんなかあたりに座って俳 ....
月の光がぼくに問う

ぼくもまた心のなかで

それをひとに問うのだ

楽しいことを

見つけたときのように

ビニールが発する光の

美しさや無意味さのように



き ....
死にたくないから苦しいのだ

だから死にたくなればいい

死にたくないから死にたいへ


それとも死に対して鈍感になる?

命綱なしで命懸けで生きてゆく!


死にたくないから ....
見渡すかぎりは夜だった

関東平野は夜だった

マンション明かり遠くの底

自由で豊かでちんけな広大

関東平野は夜だった

見渡すかぎりは夜だった


みんななにかになりた ....
あたまのなかのあたし

あたまのなかのあなた

あたまとは

臓器のことではなくて

イメージのこと

イメージとは

実体のないことではなくて

憧れの果てのこと

 ....
大切なものを落としてしまった

それは方法のようなものだった

それは機能のようなものだった

それは祈りのようなものだった


新たに買えばすむようなものではなかった

代替に ....
昨夜も死と戦っていた

胃カメラを飲むように

ぼくは死と戦っていた

ずん胴な土管をイメージして

胃カメラをやり過ごすように

染み渡れ、縋りつけ、寄るべなき生に


薄 ....
終わりがないというのは

恐ろしくもあり頼もしい

ロサンゼルスに住む日本人の言葉だ

単純なドレミを一時間かけて弾いてゆく

世界をどう感じどう語るか

世界はひとりが感じるもの ....
整形がくずれてゆく

吐息の白さ

アンビバレンス

夜の駐車場でドラマみる

せつなく

虫みたいに死んでゆく


生まれかわる

なんどでも

生きなおすから
 ....
イマオレはシアワセかもしれない

窓辺の木々に鳥のさえずり

雲のない空が端をいろどる

枕元にはチャイコフスキー

素肌のところだけひんやりしてる


いまから逮捕状をもって警 ....
有吉とぼくは仲間うちでも別格だった

ふたりは仲悪くはなかったが互いの影響力を鑑みて近づくことを避けていた

有吉とぼくは野球が好きだった

プロ野球のもっとも大切な試合のチケットをぼくは ....
吉岡ペペロ(4238)
タイトル カテゴリ Point 日付
たったひとつの夢自由詩514/12/16 12:42
自由詩314/12/12 0:06
いつからか携帯写真+ ...514/12/4 17:02
群青のサンドウィッチ自由詩514/11/29 18:36
闘っている自由詩314/11/26 9:16
昭和32年の冬自由詩414/11/24 15:52
昭和10年の秋自由詩314/11/23 19:14
子供/三歳/大人自由詩414/11/22 18:00
秋空に携帯写真+ ...314/11/22 15:32
秋をつくる携帯写真+ ...414/11/22 10:58
高倉健がしてくれていたことについて自由詩114/11/21 23:02
枯れ葉ちる自由詩114/11/21 22:52
自由詩414/11/21 15:18
悲しみ自由詩614/11/19 21:40
珈琲を呑みながら自由詩414/11/18 10:39
アリの儀式自由詩414/11/17 23:02
踏み切り自由詩214/11/16 12:54
スマイル携帯写真+ ...414/11/15 23:14
月のそばで自由詩414/11/15 22:57
美輪明宏の香り自由詩314/11/9 20:44
月の光自由詩614/11/8 22:50
神の栄光の為に自由詩214/11/8 19:20
武蔵野の夜自由詩314/11/6 22:51
あたまのなかのあなた自由詩514/11/6 22:09
祈り自由詩414/11/6 21:51
染み渡れ自由詩1114/11/5 9:22
祈るような気持ち自由詩314/11/3 22:55
なんどでも自由詩314/11/3 12:04
イマシアワセ自由詩514/11/2 10:49
有吉について自由詩114/11/1 13:17

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