一・何処までも泳げるだろう

遠くに見える島を目指して泳ぎだした
泳げども辿り着けないその島は
蜃気楼なのだろうか
それでもまだ
辿り着けると信じていた

二・振り返ってはいけない
 ....
まだ
手を伸ばしたならば
間に合う

まだ
目を見開いたならば
見える

走れ走れ 風より早く
泳げ泳げ 魚の様に

そこに一粒の星が
光るなら
見えるなら
諦めるにはまだ ....
どうしてあたしに いじわるするの
と聞いても
あなたはただただ 小石を蹴った

どうしてあたしが来ると でていくの
と聞いても
あなたはただただ そっぽを向いた

だからなのかな

 ....
愛してるも
好きも嫌いも無い

僕には君しか居ない

そうして

僕には君が必要なのだから

愛してるかと聞かれたら
僕はこう言うのだろう

愛しているとは言えない
だけれど ....
隣を歩いていた君の右手が
隣を歩いていた僕の左手と
ごっつんこしたから
僕らはそのままなんとなく
手を繋いで歩いた

映画を見ていた君の手が
映画を見ていた僕の手と
ごっつんこしたから ....
引越しが終わって
パソコンのコンセントを入れたら
知らない誰かが言うんだ
つなげておいたよって

疲れて帰るとご飯があって
旨そうだなと思うと
知らない誰かが言うんだ
大好物だったよね ....
ずれ出した世界に身を潜めて
静かに世界を見つめる

少しずつ
凍てついた世界が溶け出して
流れ込んでくる

気持ち悪い
いつの間にか汗にまみれて
平穏は消える

湿度は腐食する
 ....
遠くに見える軒先の明かりは
線香花火の様に見えました
それは小さく {ルビ朱=あか}く
瞬きをする度に{ルビ滲=にじ}んで
まるで線香花火の様でした

どこかで歌う声は{ルビ囁=ささや}き ....
その時モグラは変だと思いました。
目蓋をつたう涙を止める事が
出来無かったからです。


彼はその土を一生懸命に
生きがいをかけて
まっすぐに掘り進んだと
心の底から信じていたのでした ....
太陽となりて君に熔ける
太陽となりて君に混ざる

荒がうな

爆ぜるな

太陽となりて君に焼かれる

それはとても熱く
それはとても狂おしい

あぁ今日は雨が匂う
太陽にはなれない
流れる川の様な風の中で
月は太陽に嫉妬する
光があるから陰があり
太陽があるから月は輝く

あの子はじっと目を細め
息を殺す様にして遠くを見つめる

まるで
そこに何かが居る様に
 ....
愛し方など忘れてしまった
僕は少しばかり
酔っ払ってしまった

君がもしも困っていても
僕はもう
笑って大丈夫だよなんて言えない

僕は君に何か伝えられただろうか
君はいつだって
 ....
夕暮れの 空を見上げて ただ一人
らららと唄えば ただ一人

お星さま 夕焼け空に ただ一つ
きらりと光れば ただ一つ

田の蛙 蜩の声 ただ一つ
いつの間にやら ただ一つ
いつの間にやら ただ一人
住んでいるアパートの階段で
小さな蜘蛛が巣を張っていた

それは何処にでもいる小さな蜘蛛で
だけれどもその姿は初めて見るほどに
頑なに黙々と同じ動きを繰り返し

{ルビ蜩=ひぐらし}の声 ....
声を振り絞るだけ振り絞って叫んだ私を
君はふり向きもせずに歩いて行く
そこに一本の道があるように
脇目も振らずにただまっすぐに

背中を向けて歩く君に声が出せない
手を伸ばしてみてももう届 ....
どこに居ても君が見つけられる様に
僕は世界の中に居続けるよ
負けない様に
空を見上げる様に
手を伸ばすよ

嘘だ
そんな綺麗事じゃない
僕は
忘れられるのが怖いんだ
ただ
一人に ....
ありふれた背中には
きっとそれぞれの想いがある
流れ出した世界の中で
あの頃の事を考える

夏のラジオを聴いて
気が狂いそうに
泣いて叫んだその後に
山の葉が赤くなる頃

何を求め ....
昔は全ての言葉を追いかけていた
だのに僕と来たら
一つの言葉すらまともに喋れない

昔は全ての思いを伝えられると思っていた
だのに僕と来たら
一つの思いすらまともに伝えられない

そう ....
透明な筆箱につめた夢は
いつも僕のポケットに入っていた
どこへでも持って行ったし
どこででも開く事が出来た

だのにいつの間に
筆箱を使わない年齢になったんだろう
気が付くと筆箱はどこに ....
透明な空にそっとストローを差し込んで
ちうっと吸ってみたらば
なんとも言えず暖かな味がして
僕は悲しくなった

空よお前はそんなにも
人恋しいのか
なんて思って

優しくなんてしてみ ....
世界が終わる
何も言わずに
世界が終わる
全て隠して
世界が終わる
嘲笑うかの様に
世界が終わる
祈りを溶かして

だのに あぁ
見よこの世界の美しさを
果てしなき地平を
何と ....
散々泣いた夏の雲は美しくたち
もうじき夕暮れの風鈴の音色は
甘くて遠い気がして

少し懐かしい思い出は記憶からこぼれだし
涙色の青空に蝉の賑わいは
必ずしも必要ないのかも知れない

狂 ....
からりとなった空っぽのグラスに
何をそそげばいいの

透明な空には小さな朝があり
世界が少しだけ遠くに感じる

ここにはまだ きっと
やり残した事がたくさん たくさん

世界なんて大 ....
さようなら
しばらくのお別だ
私の事が気になたら
星にお聞き月夜の晩に

さぁさぁ
少し早い呼吸を整えるように
ふぅっと細く糸より細く

右手をおだし
記憶の旅はこれにておしまい
 ....
泣きたいほど
貴方に伝えたい言葉が有ります
私ごときが
貴方に言えた義理では無いのですけれど
どうか笑って許して下さい

一歩前に進んで

貴方に声をかける

呼吸が

止まっ ....
あなたに伝えたい言葉は
たった一つ
僕はあなたの事が好きです
たったそれだけ

永久に伝わらない言葉は
たった一つ
僕はあなたの事が好きです
たったそれだけ

あなたに聞きたい言葉 ....
記憶の湖に小船を浮かべる
揺らぎの中を覗く

湖の底で幽かに白く
蜃気楼の様に
魚の影の様に
消えた世界が見える

あれは何処
あれは何
あれは僕
あれは誰
 ....
全てを捨てて旅に出よう
今まで掻き集めた
宝物がくすんでしまう前に

もうじき夜が明けるなら
穴を掘って
この身を横たえよう
眩しい朝日に
意識が溶けてしまう前に

真っ直ぐに前を ....
前を歩く君に声が掛けられない
あと半歩踏み出したなら
君に並んで歩く事も
出来るだろうに

そんな想いを続けて
君の少し後ろを追いかける
届かない想い
届かない声

少しうつむきな ....
ある日小さな箱が
僕の家に届いた
中には小さな
記憶が入っていた

再生する記憶
笑った君の顔
泣いてる君の顔
怒っている君の顔
君の顔
君の 顔

いつの間にか
僕は眠りに ....
プル式(526)
タイトル カテゴリ Point 日付
月の夢もしくは花の香り[group]自由詩5*06/9/27 0:06
透明な水たまり自由詩3*06/9/25 21:00
狼の手を取って笑う少年は目が見えない[group]自由詩5*06/9/23 22:36
月とは踊る事が出来ない[group]自由詩5*06/9/23 0:10
バウムクーヘンのように[group]自由詩8*06/9/21 22:55
全てが満足すぎて不満足なんだ自由詩4*06/9/21 0:36
森は枯れる事を知っている携帯写真+ ...3*06/9/20 15:24
思い出の街には犬が笑う自由詩8*06/9/16 20:30
盲愚螺[group]未詩・独白7*06/9/12 12:51
希望の朝だ[group]携帯写真+ ...13*06/9/9 8:58
あの子は遠くの星を見ている[group]自由詩9*06/9/5 23:17
僕は愛し方など忘れてしまった[group]自由詩7*06/8/31 1:02
らららとウタウ携帯写真+ ...11*06/8/29 19:03
潮騒を包む風は優しく[group]自由詩9*06/8/28 18:34
世界が紅く染まる頃[group]自由詩3*06/8/27 12:54
揺れる背中[group]自由詩9*06/8/27 12:53
北極星は北に見える自由詩7*06/8/27 12:52
トゥトゥ[group]自由詩6*06/8/25 21:17
透明な筆箱自由詩6*06/8/23 1:09
思い出タンゴ自由詩7*06/8/16 5:07
世界が終わる自由詩5*06/8/12 9:48
東京番外地[group]自由詩10*06/8/11 9:19
それでも自由詩5*06/8/11 9:18
星の鍵を探しに行こう自由詩5*06/8/1 5:47
月のしずくと炭酸水〜夕焼け色を飲み込んで〜[group]自由詩7*06/7/29 6:47
例えば世界が終わるとしても[group]自由詩4*06/7/27 6:09
影のカタチの蜃気楼自由詩11*06/7/27 5:51
僕は祈る言葉を知らない自由詩5*06/7/27 5:49
遠くの空は明るい自由詩5*06/7/24 7:15
[group]自由詩2*06/7/24 7:13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 
0.11sec.