ねぇ、ここへ来て
僕を抱き締めて
何もかもが怖いんだ
誰もいなくなればいいって
その前に僕だけが消えればって
そう思うんだ
{ルビ零=ゼロ}の間で彷徨ってる僕の
その腕を引き寄せて
....
自分を売る少女が
ドレスを脱ぎ暗い部屋で
見知らぬ男に奉仕します
笑顔で優しい口調で喋ります
心を捨て去って
時間に追われ窮屈だと
小さな暗がりで思うけれど
口にしてはいけません
....
世界の終わりが見えたあの日
僕は産まれたのだと
身体のどこかで誰かが囁く
液体の中で呼吸を始めたのだと
瞼の裏で透明が交錯する
あの星たちは終わりを見てきたのかと
ビロードを拡げた空を ....
身体が疲れを訴えている
誰にも言えずに殻に閉じ篭り
静かにベットに入る
ようやく独りになれる
部屋の灯りを消して瞼を閉じる
重力から開放されない身体
柔らかく冷たいシーツに包まって ....
定規で垂直に線を引いたように
羽ばたけなくなった羽根は
風の抵抗を受けて揺らめいている
金髪に似た銀髪が諦めた風に
静かに空中を落下する
僕は自分の流れる髪を眺めながら
どれ程のスピー ....
心がゆらゆら揺らめいて
蒼く赤い燃える小さな炎に
過去の自分が走り抜けて行く
あの頃はよかったね
何も考えずに毎日を通過
感情を失いそうで
ベットで疲れた体を横たえる
フラスコに一輪 ....
止まった時計の螺子を
ゆっくり回せば
涙が零れ落ちてゆく
回しても時間は戻らない
壊れた時計はいらない
螺子を回しながら
瞼の裏に映る映像を見る
抱き締めて欲しいだけ
この心をそっ ....
悲しみを掻き集めて
掬い上げれば指の間から
流れ落ちてゆく
消えてゆく喜びの欠片
散らばった感情を踏み付けて
また掻き集める
世界は僕を望まない
集めるのは悲しみの白
他はもういら ....
キミを大切に思いたいはずなのに
自分の我侭ばかり言ってしまう
気付いているのに直せなくて
そんな自分が大嫌いで
いつの頃からだろう
こんなに歪んだ心を抱いたのは
怒りを堪えようとするけ ....
海辺で佇む僕の背後から声
透き通るような澄んだトーンの
潮風に乗って耳に流れ込んできた
何がそんなに悲しいの?
そんな瞳で僕に囁かないで
そうだ僕は空になり
キミは海になるだけの未 ....
夢でなら会えると信じてる
見なくてもいい物ばかり見えて
寂れた部屋で一人で
涙を流すばかりで救いは見当たらない
止まったままの時計の螺子
いくら言葉を連ねても伝わらない思い
貴方の耳に ....
「くだらねぇ」って思ってさ
コンクリートに転がった石ころを
蹴飛ばしてやったんだ
繁みに変な音を出して消えていったよ
毎日が同じ気がしてならないんだ
まるで無限ループみてぇだ
「それっ ....
言葉って悲しい
伝えようとしても伝わらない
震える唇から滴る言葉を掬い上げても
そこには何もなくて
何も伝えられない伝わらない
誰かの冷たい裏切り
私なんて消えてしまえばいいのに
心 ....
私という形がなくなってゆく
壊れた時計の螺子は緩んだまま
閉じた瞼に踊る蒼白の輪に
何かを託そうと指を動かすけれど
心はいつもの空へと還ろうとする
私を破り捨てて昇る世界は
思うより華 ....
殺風景な通路のソファに座って小説を読んでいた。見渡す限り廊下で窓からの光が心地よい。他に誰も見当たらない。
そこへ、黒く細長い布を持った天使が僕の前で立ち止まった。僕を舐めるようにまじまじと見 ....
いつの頃からか覚えた喜びという形
空を見上げたら本当は逆さまだという事に気付いた日
悲しみの水辺から這い上がったあの瞬間
そこに無言で立っていたのはキミの影
何かに圧倒されて押し出された街 ....
生まれてきた事に意味などない
必要とされないまま育ち
悲しみしか拾う事しかない過去
僕はこんな世界に生まれたかった訳じゃない
この手で何かが変えられるとすれば
そう思っても脚に絡みついた鎖が ....
背中に組み込まれたプログラムが静かに動き出す
螺子が音を立てて動き出す
体内で何かが変わろうとしている
生まれる前からの記憶が蘇る、今
僕の心はもうすぐ消えてしまう
今までの思い出を振り ....
いくら言葉を連ねたってキミには届かない
諦めた瞬間から何も沸かなくなって
全てがビロードの闇に包まれた錯覚に陥った
このままでは見えない壁に心は閉ざされてしまう
ずっと一緒にいたはずなのに ....
小さな音と共に白い羽根が折られた
静寂の空気の中狭い通路を前に向かって歩く
黒い布で目隠しされ足には枷を
両手を引く者の温もりが伝わってくる
風もなく音もなく裸足の足音だけが響く
何も浮 ....
込み上げてくる何か
押し寄せては私を浚う
思考を破壊する物体
螺子が外れたら止まらない
何度部屋を壊せば
この心は落ち着くのだろう
後悔しか残らないのに
左手首に付けた軌跡
これは ....
押し寄せてくる波
セピアに染まらない記憶
誰も助けてはくれなかった
今でもフラッシュバック
華麗なダンスで私を慰めて
寡黙に待ち続ける憧れの日々
先に光さえ見えないけれど
空想でもい ....
寂しくなんかなかった
独りでいいって思ってた
冷たい海を泳ぎきる
それはとても辛くて
本当は誰かの温もり探してた
僕には出来ない
こんな姿じゃ誰にも
振り向いてなどもらえない
汚れ ....
背中に羽根があったら
この大空を飛べる?
浅瀬で溺れる魚が
岩陰でもがく姿のような
哀れな姿勢で窓辺に立つ
何度も練習してきた
羽ばたく為の訓練を
見えないスロープが夜空には
....
天井に描くイメージ
理想の光は射さないようで
私が追い求めている光
手を伸ばせば届く場所にあれば
こんな思いもしないのに
もう誰も信じないと 壁を作って閉じこもる
過去の日々が足枷となって 軌跡を残す
あの頃に戻りたいと願っても
時間は戻らず 少しずつ煌きを失うばかり
全てを消去出来たなら
全てを忘れられるの ....
くだらないと嘆いて
毎日を終わらせたくなる
僕の価値がふらつく泥濘
今日も生きていていいの?
誰かに縋りついて……
誰に縋れば?
どうしようもないと
空を見れば底無しの蒼
僕が立つ ....
硝子の破片を踏み締める感触
裏から赤が流れ出し反射する
握れば滴り落ちて
届かない思い叶わない願い
僕は床に散らばった破片を
両手に掬い上げて
ゆっくり握り滴る液を眺める
頬が涙を伝 ....
一度だけでいいんだ
僕の頭を優しく撫でて欲しい
ずっと望んでいた貴女の手
ゆっくり僕を癒してくれたなら
きっと涙が頬を伝って
堪え切れなくなって
呼吸さえ苦痛だと思える部屋
この存在 ....
小さな箱庭から眺めて四角い空
造られた白い雲は紫に染まり泳いでゆく
僕の視界からはすぐに消えた
冷たいコンクリートの香り
重い鎖に繋がれた身体に自由は――
純白の羽根の天使が僕の前に降り ....
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