仮名の桜は星害によわい。もう少し適した土地に植われば善かったのだろうが、残念ながらこちらの星には、系の恒星となる日廻りによる明白とだんだら闇が存在する。明白のあいだには仮名桜は水を吸うことしかできず .... きみが落っこちてきたとき、わたしたちは羨望と焦燥をもって迎えた。いや迎えなかった。きみが潰れるのを見過ごすのはまわりから非難されるだろうというぼんやりした想像で、どうにか両手を差し出した。きみはまちが .... ハッピーハッピーハッピーハッピーライフジェネレーター
そんな筈じゃなかったの
そういう積りで生くと誓ったのではなかったの

こんなふうに秋でもなんでもない生温い季節に
恨み言をゆうなんて
 ....
小学校のプール(ぶ厚いこけ緑の濡れたものがびっしりと)
大学一年の時の合宿(飛鳥のとぼけた顔)
中学校の理科の時間(ふくらんだ新芽がひらいて気持ち悪いくらい匂い立つ)
わたしたちって今までのこと ....
寝ても醒めてもおめでたい。ゆうゆうとして大股であなたは歩いてゆく。のっしのっし、などというかあいい物ではない、ザッザッ、または、ズサ、ズサ、と、軍隊だか、女戦士だか、裾翻し、大股と感じさせない .... 花先が指に触れる
雪の際からとけていく六角みたいに
わたしの指が花の熱で
輪郭を失っては蒸気になって
この空に還る
いまここに
この場所に
花先に恣意はないのに
わたしが勝手に崩壊して ....
きみよくオレンジジュースを飲んでいるね
ええそうなのわたし主食は人参だから
ではキャロットジュースじゃなくていいのかい
人参は高いし手に入りづらいから
それにしても人参とオレンジは離れているよ ....
 うすむらさきのワンピースを着たほっそりした女が丘の上をあるいている。この女は主人公ではない。この女は主人公ではないが、とても重要な人物であることは確かだった。うすむらさきはそのまま黄緑の丘をすらすら .... 薄暗がりにあなたのこえ
ここはやさしい夜明け前
半分こもるはねごと未満
わたしたちの微かな同盟
思いも越えて跳びかえす
深く眠れと祈るばかりで
無力なわたしの無力な詩
どうかあなたの今朝 ....
どう見てもセブンだったコインランドリー
セリアになった文教堂
跡形もなく消えたケンタッキー

街の記憶ではない
私の記憶である
誰にも譲ることのできない
私の記憶である

市営住宅の ....
バスタブは白いのに中のお湯が水色もしくはアクアブルーに見えるのはなぜでしょうか。私たちは長らく父の作る青いばらの花をちぎって食べてきた。父を土に埋めた瞬間、全員が安堵した。あの青い花びらをもう見なくて .... 教室はひらたく冷たく新しいノートだけが勇気 四月

世界史の資料集先輩の名前空から降ってくる不良

追い抜かす時によろけているひとが怖い心が青い動物

弦楽器は満月、真か 解き明かすB判定 ....
日本語が美しすぎるのが悪いみながTOKYO出てゆかないのは

調子よき友人LINEで言うことにゃわれの浪費をハルノマモノと!

急停車、無言車内の春に漏る若きAirPods轟速のジャズ

 ....
「私まだ褒められてない」悔し笑いソーダ色の朝世界間に合わず

冷凍庫 プリンは普通そこじゃない私が生まれたきいろい凍土

少女余生一人で処女路踏みしめてひきずってゆく白いドレスを

日本語 ....
フェイト・イズ・カインド
説得力をもった誰かのこえが朗々とうたう
運命はやさし
運命はきっときみにやさしい
運命はきっときみを満たす
そこまで言われたら願わずにおれない
願ってもいいのだと ....
さみしさは海を渡る
正確には海のうえを滑る
すさささと波をうすく蹴立てて
遠いかなたの国へゆく
かなたの国で出会うもの
鳥小屋、豆スープ、神様のかわりの紙
それらがさみしさを取り囲んだ時
 ....
面倒くさがればいいんだろうと投げやりに思っても、眠れるかどうかはきりんの首が長くなってしまった偶然と同じくらいきらめいている。眠れませんでした、って日記に書いたとしても、それでもじゃあいつかは寝ている .... この祝詞をあげる
あなたにあげる
ひとすじの狼煙のようにあなたに上げる
呪いになろうとあなたに上げる
ひたむきにけなげにかれら
上がっていく

寂しかったでしょう
ほのおと分断されたよ ....
朝の陽の果ての君を想うこと。わらわれても泣かれてもきみはきみの真実を世界につき刺してやろうといつも健闘していた。たのしいね、とか、よかったね、とか、そんな貝がらを耳にあてればひびいてくるような漣のこと .... いつか夢みたいなすべての願いがかなえられた世界がきて、あなたはたちまち涙なんて出なくなる。そう言い切れればどんなに楽か、っておまえそれを躊躇してる時点で誠実じゃねえよ。言い切ってやれよ。言葉は呪いだよ .... こんなふうに育つはずじゃなかった。黄色の朝顔って見た事あります?多分無いと思うんだけど、あなたって黄色の朝顔よね、って言われた人ならわたし見た事ある。黄色はいい色。悪くない色。でも朝顔としては全然だれ .... 解法を開放するとの快方を介抱した会報は、たちまちきんいろの瞬火と等価に交換されて消えていってしまった。吹かれていたよ。誰よりも。あなたは恰好よかったよ。でもそれだけだった。そのしらせが持ち込まれた時も .... 星の形のいるかがいるようなところに住みたいってきみは言ってたね。そういうことを聞くたびにげぼでちゃう、と思っていた。きみが何か得体の知れないきみ特有のユーモアをもってしておそらくは希求した果てに選びと .... 朝を磨こう。あなたの朝でいいよ。それはとても蒸し暑い午後三時かもしれないし、泣きたくなるほどこごえる夜の二時かもしれないよね。でもそれが、それだけがあなたの朝。あなたはめをさまし、その瞬間から終わりに .... いつものように笑うことを諦めたままで
きみはちょっと怖くもみえる
顔をしているけど
ぼくにだけ
わかってしまうよ
恋だ

きみの恋は困難で
いいかえればとても時間と手間と苦労をきみに
 ....
涙でぐしゃぐしゃなんだわあ。あなたがそうであるように、私もぐしゃぐしゃなんだわあ。結構な大騒ぎです。もう帰ってくるとむらさきぐものきれいな朝空が見える季節になってしまったし、私の古い恋なんてほんとにほ .... ツイッターが落ちた。ツイッターはものではないので、手を離しても重力によって落ちることができない。それなのに、それでも、ツイッターは落ちた。落ちて、音もなく地表にぶつかり、跳ね返って、キラキラピンクのゴ .... あれ、さあ
ああ、あれ
どうなってんだろね
さあ、本人に悪気はないんじゃない
でもさ、一応悪いことなわけじゃん
まあ、恋や愛は他人が口出すことじゃないよ
そうかな
そうだよ
奥さんと子 ....
痛みをもって痛みを制すか、あたたかのふわふわでもって怒りを殺しに仲間を募って血に塗れるか、どちらか選べ。ってずっと言われて育ってしまったピアノは黒鍵ばかりきれいに響くようにはなったけど、白鍵の素朴さが .... 雪のことを知っていますか。「誤解しないでくれ」と言っていた海賊とは無事に地獄で会えましたか。こちらはもうすぐふぶきです。海に降る雪が紙吹雪のようなのと、あなたは言っていましたね。紅白の小林幸子をいつも ....
万願寺(42)
タイトル カテゴリ Point 日付
仮名桜待ち惚け自由詩3*23/8/8 2:56
出生後のはなし自由詩223/6/27 2:37
非の打ち所のないパーティーライフ自由詩4*23/6/27 0:56
おそらく業務用として卸されるホテルのシャンプー自由詩323/2/7 11:19
ともがら自由詩122/12/22 2:57
花先が指に触れる自由詩2*22/7/5 22:39
日常における狩猟自由詩022/5/28 14:30
陸に上がったワンピースの話自由詩122/5/27 18:40
五月若人自由詩222/5/15 5:22
平成を生き延びて自由詩11*22/5/2 19:48
遺伝子の色づく自由詩122/4/27 4:49
ゆうこのゆうは短歌222/4/21 4:57
日本語が美しすぎるのが悪い短歌322/4/17 6:58
そーなんしんずくらいんで帰るね短歌122/4/9 8:07
寝かしつけのメロディ自由詩222/4/4 2:28
やがて重なる自由詩222/4/3 21:52
くるしみ連盟自由詩321/6/25 6:20
詰込教育自由詩220/10/22 18:37
沈まぬこころ自由詩120/7/23 23:19
花の周り自由詩120/7/20 6:10
夏は咲きたい自由詩120/6/30 7:39
ああモザイク自由詩120/6/2 22:24
ワンノートサンバ自由詩2*20/6/1 1:11
命はめぐまれた自由詩120/3/21 14:17
とてもふつうのありきたりな自由詩220/3/13 2:49
娘へ自由詩120/3/11 7:11
願いそうで願わなかったあの事自由詩2*20/2/8 7:13
あれ自由詩120/1/29 0:19
五段論法自由詩120/1/17 1:43
届けよ、跋文自由詩320/1/15 2:57

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