病める鳥は少しの毒を好む、と不意に私の夢が言う。父の姿をしているが、どうも本人ではない、私の父は落ち込んでしまった理由がどうあれ前を向くようにと教え続けたことを覚えている。それにしても毒はよろしく .... ○月✕日
今日も駅の伝言板には何もない

無人駅の清掃員である私は、日々をつつましく地味なものとして過ごしていた

今日も今日とて、粛々と退勤時間を迎えようとしていたのだが、そんな私のもとへ ....
誰かに訊きたかった

がぶりがぶりと食べ尽くし、飲みほしてしまいたいことがあった

母はグレーの装いをしている
冷たいものがすべて雨の温もりに溶かされている
雨空をコーヒーに映して言い訳を ....
断片を生む指先

砂にまみれた5本の煙突が現実をか細く揺れていた頃
塵が積もり溶けて排水口から青白い水となり……
朱色の錆も一緒に流れていた

自動車の代わりに風が滑走してく7月の朝に ....
花をみんな枯らした薔薇を見た気がする。野の薔薇か花壇の薔薇か。或いはそんな悲しい物はまだ見たことがないかもしれない。

幼い子供らは走りちりぢりに消え笑い声が耳の奥をくすぐる

手品師が飲んで ....
1.
買ったばかりの鞄に縫いつけられていたロゴを鋏で切るとき
海沿いの坂を上るとき
痛みを覚えた数だけ
報われるわけではないのは知っている
一部を忘れて一部を忘れないで、拗れてゆくのは自分の ....
あめかぜに暦の色も洗われる


浴衣縫うミシンの音が昼の夢


一枚の紙に刷りたし松林


憂鬱の答えを得たりかすみ草


アイスコーヒーいつも半分信じてる
光を消して過ごしました
朝に揺れる光を消して過ごしました
吐かれた煙を夜から夜へ引き継いで
アベンチュリンの若葉を
湛えた私の両目が鏡の中で溺れている


揺れているものすべてを
 ....
冷蔵庫のシュークリームが
パサパサになっている予感とか
時計を見なくても今が大体何時かというのに気づいている眠り
それは当たる日もあれば外れる日もあるけれど
天気予報ほど重罪じゃないさ

 ....
行間のしろいまぶたが
きんいろに開かれてゆくことがある、としたら
白百合を青い糸で綴じたのは余計な悪戯だったでしょう

木の陰に残された小人の足跡
そこにも宇宙にも
数え切れないほどの静寂 ....
どこからやってきたのか私は

何度洗ったか分からない
すっかり芯のなくなった衣服を着て
暑さにふやけていたのではない
でもたしかに眠気の中にいた

あれからどこへ行ったのか私は

逃 ....
鉱石のカタチに眠りを刻んだ空と空を
葉桜の枝が、受けとめる

おぼつかない片手で
時計を読むようにして
枝と枝の間の
石英を拾うようにして
いつもの仕草が
似合わない

薄 ....
霧雨と、海の匂いと薄い雲
みどりの針
風向きを解いている


世界は、計算するあてもないかのようです
厳しい風雨に擦れた跡を渡ろうとすれば

みどりの針がいっそう震える
道を忘れたの ....
「蒼天」


はげしく病みつかれた後に

安静の机上に

灰皿は戻らなかった

こころさびしく

月明かりにうっとりと酔う心地

朝、白く霞んでいる頬に

背かないように ....
南天の緑と赤を描いた日のあなたが居れば良かったけれど ・火蛇玉谺丸骨同黒

・星蟻私光水砂肉島
三度目の雨陣の中に朝があり

秋深しぼくのレジンが弛んでる

洗われて英字を誇るフライパン
渚鳥(17)
タイトル カテゴリ Point 日付
癒ゆ自由詩3*21/11/28 10:11
無人駅で散文(批評 ...4*21/6/25 8:39
自由詩2*19/8/1 13:52
7月自由詩3*19/7/19 23:34
薔薇自由詩12*19/6/10 22:17
旅人の石自由詩4*19/4/18 23:36
◇心模様俳句1*18/7/9 14:47
過_覚_自由詩10*18/7/7 13:52
マガイモノ自由詩3*18/6/6 19:58
虚構自由詩13*18/5/10 0:23
夏は帰途に就く自由詩3*18/5/2 17:10
さいわいなひ自由詩3*18/5/2 9:35
防護林自由詩4*18/4/16 12:13
蒼天自由詩2*18/4/4 18:47
T短歌2*18/3/3 19:29
一行詩自由詩1*18/3/3 18:57
◇部屋とキッチン俳句1*18/3/1 22:22

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