あすは大事なひとに会う
あかりを落として伽羅を焚く

あすでくるりと生きざま変わる
あかりを落として伽羅を焚く

あすでくるりと生が変わるなら
いまのわたしは今宵かぎり
さいごのわ ....
横断歩道のラインの梯子
とおりゃんせ、がスピーカーからあふれる
さあ渡ろう
白だけを踏んで
くちさびしいからつぶやく
「アネモネ アネモネ アネモネ」

猫みたいにやわらかな足で
 ....
さいごだから、と
紅をひいて会いに行った
二度とこの紅がくずされることはないので
安心して いちばん似合う色をひいていった

約束の場所で待っていたひとは
いつも くちびるをくれたひとだっ ....
実は明日で辞職です 皆さまお世話になりました
行儀よろしくつるんでた 同僚キミともおさらばです
昼餉は弁当派でしたが 最期に社食をつかいます
想像以上に美味でした おごってくれたキミに感謝

 ....
砂、で
こどもは城をつくる
世界に果てはなく
時間は無限にあり
はやくとしをとりたい、とすら願う
十年後に彼等はすべてが有限だとしるが
いまは有限という言葉の意味すらしらない
こども ....
{ルビ慕=した}わしいあなたと 可愛いわが子 三人の穏やかな暮らし
{ルビ野=の}にうずくまるわたしを救い 傷ついたあなた 愛したの
だのにわが子よ おまえは{ルビ聡=さと}く 母の姿を見透かした ....
同じ二音を持てる単語をかさねて詩歌は作れぬか
「{ルビ窓=まど}辺に{ルビ惑=まど}うマドンナが{ルビ魔道=まどう}師を呼ぶマドリード」

こっから先が出てこない 考え続けて十二年
そろそろ新 ....
炊飯器が天に召されて三度目の冬
あれから飯はフライパンで炊いてます
浸水三〇分ってのは変わりませんが
一〇分で炊けるんだからやめらんない

着火して 最大火力で加熱
ガス台の隣でうすい文庫 ....
カップ酒酌みつつ画集ひもとけば見よ我が胎に森羅が宿る 砂糖で出来た四肢に諦念はめぐる
踊り子の腰に巻かれた拒絶
やわらかく宙を抱く腕の中で
見えない魚がくるりとひるがえる

塔のない町で 城のない町で
踊り子は眠りにつく 酒精の匂いに紛れて
 ....
恋する君が好き
あでやかに咲いてる {ルビ難攻不落=なんこうふらく}の彼女を 
守るように立つ君が好き
たとえば一〇〇夜ののちに
この眼が{ルビ盲=めし}いるならば
難攻不落の彼女の
 ....
わが弟は師走の生まれ、
誕生日には雪が降る。
故郷が初雪みるのは大抵、
わが弟の誕生日。

わたしと違って律儀なやつで、
盆と正月に帰省する。
うわばみの父と呑んで笑って、
真っ赤 ....
瑠璃いろマニキュア乾かしながら ジンを{ルビ生=き}でのむ「しかってほしい」 {ルビ鬼灯=きちょう}のランプともしてまいろ 恋のむくろの野辺送り 翼をもぎました
背中がかるくなりました
しとどに流れる血 真珠色の血あふれて
ふたすじの傷口を {ルビ白南風=しらはえ}がなでて過ぎゆきました
すずしい背中
六月のこと

あなたの手をと ....
もう僕はよそへは行かないから帰っておいでと
ただそのひとことが聞きたかった

彼岸へすこし渡る その前にひるめしを食べよう
あなたはそう云ったので
わたしはピアスをして電車に乗りフォークをと ....
とろりと金色の滴りは オリーブや椿や葡萄の種から得たもの
蓮から採った精の封を切り ボウルに張った油におとす

傷を いつくしむこと

じくじくと痛む恨みを切りひらけば
妄念の脂が現れ 穢 ....
 シーアスパラガスというものを見つけて身請けした。イスラエル産らしい。
 植木で見るような、ガサガサした葉で、初めて見たとき「なんかえぐみが強そうだな」と思った。完全なる偏見であることは後に判明する ....
息するようにあざむく君が あざむかるるを忌む不思議

{ルビ吾=あ}を嘘つきと繰り返す君 嘘つきであってほしいのね

こころを尽くし語ってみても 嘘だと君は望んでる
 生栗の皮むきというのをやってみたくて、お勤め品のを買ってきた。
 実家では、「危ないから」とさせてもらえなかったので、どきどきする。
 水で3時間ふやかし、まな板の上でざらざらした尻をちょいと落 ....
{ルビ夕立=ゆうだち}あけて空は葡萄酒
{ルビ美人=びじん}が沈む湖沼の水銹
{ルビ記憶=きおく}の底に誰かの日記
{ルビ龍=りゅう}がぬすんだ幼い契り
しなやかな四肢で彼女は舞い狂う 猫を孕んだ女神を擬して 好いたお人の{ルビ勝負運=ツキ}になりたい {ルビ犯人=ホシ}を弑する夢をみる いつの間にやら煙草をやめて おんなの顔した元親友 語られないのは
はじめての恋
いつかの歌姫
めくるめく夜 
ルビーが腫れてく
くちづけだから
ランプも恥じらい
いつしか消える
ルシアン・ベアってお酒をひとくち
痴情のもつれもた ....
桃花の薫る社日に識った酒の味そして兄の聲 ふたありは互いのカムパネルラでした
過去を封じた絆創膏が{ルビ愛=かな}しくていまも剥がせない
なりたいものは差し向かいにて箸を動かす古女房 三千世界のコロナを殺し全人類とハグしたい

{引用=#究極の願望。}
口が裂けても言えぬ恋ゆえマスクしている君とぼく
46U(76)
タイトル カテゴリ Point 日付
伽羅を焚く自由詩5*23/10/26 0:22
アネモネアネモネ自由詩3*23/10/24 23:38
花だった自由詩4*23/10/8 13:59
センベツ自由詩2*23/9/27 13:50
砂の城自由詩423/9/18 13:34
信太妻自由詩2*22/12/31 14:21
サバカレ自由詩2*22/12/12 13:14
拝啓、浄土の炊飯器自由詩4*22/12/11 20:05
天啓短歌1*22/12/1 18:05
夜の住人自由詩222/11/17 8:50
トリニティ自由詩221/12/28 23:04
わが弟は雪男自由詩3*21/12/24 17:50
【都々逸】いたずら伝統定型各 ...121/12/8 21:10
【都々逸】ほおずきランプ伝統定型各 ...021/12/7 22:53
堕天自由詩621/11/15 22:50
仮面自由詩421/11/11 5:25
香油自由詩721/10/30 17:19
珊瑚草を喰ふ話。散文(批評 ...1021/9/17 23:59
[都々逸]うそつき伝統定型各 ...121/9/12 12:15
生栗散文(批評 ...421/9/4 17:45
ゆびきり[折句]自由詩121/6/26 11:38
あらでぃあ短歌021/6/26 0:43
吉祥天[都々逸]伝統定型各 ...021/6/23 21:17
【都々逸】煙草断ち伝統定型各 ...2*21/4/5 14:48
しりとり恋歌自由詩121/3/9 11:56
治聾酒[都々逸]伝統定型各 ...221/2/28 23:16
カムパネルラ自由詩221/2/12 12:30
なりたいものは古女房【都々逸】伝統定型各 ...221/1/12 14:34
三千世界のコロナを殺し(都々逸)伝統定型各 ...1*20/12/11 16:30
くちさけ[都々逸]伝統定型各 ...020/12/4 23:58

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