秋ふけて、もみぢがしとねに寄すとて
もみぢ葉の落つるけしきもはかなきに 霜にきほひてつもりぬるかな

浅茅がうへに露おきぬるとてよめる
冬枯れの草葉にむすぶ夕露の 玉なすがごとあけぼのの袖
 ....
寒い夜 
今ごろ どうしてるかな
冷たい風でも吹いたら
諦められるのに

やさしかった
きみの指先
あたためてくれた
冷たい頬を

今でも あたしは
見知らぬ街角に
たたずんだ ....
悲しいほどの平和
それでも 涙は流される
カラスの鳴き声は 相対的に風に流れて
歌になったり 罵声になったり


鉄の扉を閉ざして
こころを磨いている
金属の鏡のように 水晶の玉の ....
誰かが落としたハンカチ
びしょぬれで舗道に張り付く
イルミネーションを飾る 一人の部屋
ひざをかかえて待っている

ポインセチアの鮮やかだった赤は
老人の干からびた腕になった
遠ざか ....
街はガラスに囲まれている
反射する さまざまな夢は
灰色に熱くなったアスファルトに
焦がされて 揮発する

空調の快適な 何もない部屋で
ただ死ぬのを待っている 暇つぶし
ガラスの表 ....
夏の夜の風鈴の音は
少女の細い髪に吸い込まれた
憧れていたものを忘れて
漂っている 闇の隙間

みんな帰った後の音楽室で
ピアノを弾いていた
早く帰らなきゃいけないのは
わかってい ....
ほととぎす鳴きつる夜はさみだれも もの思ふごと降り止まるらむ

ぬばたまの夜に降りしきるさみだれの 音に隠すやよぶ人の名を

さみだれの降りやむころは枯れ果てむ はかなき花の色をとどめむ
ぼくたちは どこで分かれ道に…
雑踏の人波をかき分けて 前へ
日常に埋もれて あがいていた間に
湾曲した道を曲がるときの
あの ときめきも忘れて


手をつないで 昔見た風景を
気 ....
夜のメトロ 向かい側のホームで
小さく手を振った 優しい仕草が傷つける
知らないふりで 次の列車の表示を見上げる
ポケットの中に その手のぬくもり

サン・ミシェルの酒場で アルジェリア ....
夕方のショッピングモールで見かけた
こげ茶のブレザーと黒いリュック
早足の後姿は あの頃と同じで
リュックから にょきっと突き出て揺れているゴボウ


器用な指先を思い出す
鉛筆を削 ....
またひとり 友達が逝った春
ホームの売店で香典袋を買う
無愛想な店員が差し出す
派手な化粧に 朝日が散乱する


押し頂くような仕草で受け取り
擦り切れたバッグに入れたとき
倒れた ....
風にはぐれた椿一輪 川の流れを漂う
冬の終わりに 寄る辺なく揺られて
春咲く花は霞を湧かせて 華やかに
あたしは きみの笑顔を思い出せなくなった


寒さに耐えて 守っていたものは
 ....
道標のない坂道は 霧の中に向かって
砕けた岩が転がっている道端に 
明るい顔で タンポポが咲いている
白い羽を残して 飛び去る


ゆがんだ古時計を壁にかけても
もう元に戻ることはな ....
夢中になった歌集は 本棚で埃をかぶっている
覚えている言葉は もう何も動かさない
好きだった花が 色褪せて見える
もともと 好きでもなかったのかもしれない


紅をさす 鏡の中にいるの ....
暁のうたたね 夢の中で泣いて
白くぼんやりした夜明けの部屋に
ムウドだけが薄く残っている
メランコリックな仕草で 髪をかきあげる


オルゴオルの上で踊る 白鳥が優雅に
ころんころん ....
越えられない 許されてもいない
つるんとした壁を 軽々とひと羽ばたきで
容鳥は笑顔で越えていく 見たこともない
世界へ 想像の中にしかない静かな森へ


平穏な壁の中は 灰色の焦燥に
 ....
降る雪の間に間に後姿 
灰色に滲んで 小さくなる
誰も開いたことのない 図書館の古びた新刊書
端末はいつもいっぱいで 書物は忘れ去られる


早朝のバス停で 
凍えながら待っている
 ....
まだ蕾とも見えない 小さな突起の
春を待っていた梅の枝は 雪の重みに折れる
うららかな鳥の声を聞くこともなく
清冽な香を漂わせることもなく


淀みに映った空は 日に日に冷たく
緩や ....
秋の長雨 落ち葉を濡らす
行き場のない 人知れず孤独な
悲しみの樹 痩せた枝先に
溜まる涙に宿った光 いくつも


泡沫になる 紅蓮の炎
静けさの夜に 音もなく揺らめく
穢れた肉を ....
風が悲しいため息をつく
かき曇った空に 葉を落とした大木の影黒く
烏が鳴く 惨めな輝きを目に宿して
閉ざした扉は 誰かが叩くのを待っている


開き果てた花薄は 干からびて
土の中で ....
あたしが思っているものと
きみが思っているものが
違っていた すれちがい
埋められない 深い谷?

着る服の好みも
好きな映画のトーンだって
ほんとは違っていたのに 
嘘をついて  ....
空蝉がしがみついていた 葉は紅く
翔び立った鳥の羽風に ゆらりと落ちた
机に頬杖をついて 知らない間に眠っていた 
痺れた腕は きみの髪の感触を覚えている


川に落ちたもみじ葉の 流 ....
キャベツを刻む 0.5mm できるだけ薄く
手間と時間がかかる 何のために?
きみが喜ぶ顔を見たいだけ ウソつきのあたし
なけなしの時間を使う理由があった


小さく手を振った 改札か ....
「6月に脇芽を差しておいたら大きくなった」
根元は気の毒なくらい細いのに 上は梅雨時のよう
緑の実をいっぱいつけて 木枯しに揺れている
他の作物は枯れ果てて 掘り返された畑の隅に


 ....
きれいな人が 大きな昆布の束を抱えて
ピアスの石が イルミネーションに煌く
街のざわめきの中で 抱えなおした昆布の音が
雪が舞っている 北の海の潮騒に重なる


あたしは帰りに寄ったス ....
夜明けの淡い光が ゆるやかな
丘の木立を 悪夢から救い出すとき
白い衣の少女たちが 透明な微笑を
ローリエ樹の 木末の葉先に 露を宿す


遠い思い出に浸って 白い午後は
菜の花畑の ....
スーパーの袋にいっぱいのみかん
向かいの席に座ったおじさん
着いた駅のホームで倒れた
淋しかった夜更けのホームが
めいっぱいの 太陽の色にあふれて 


スマホで救急車を呼ぶ人 
 ....
存在の不安を癒すはずの
名も知れず 闇から生まれ闇に去る運命の
生者よりも はるかに数多い死者を看取った
神が それを許したのか?


大好きな町が 罪のない血に染まった  
夜が真 ....
静まった水の鏡に ラムプの炎揺らめく
消え残った恋の余韻 燃えつきるまで
髪を撫でていて もう一度連れて行って
きみを振り向かせて 繋ぎとめたい


夜半にふと目が醒める 夜翔ぶ鳥の声 ....
窓ガラスに張り付いた もみじがはがゆい
暖炉に火を入れた午後 雨はやまない
あなたを待っていた 知らない間にうたた寝
溝に吹き溜まった 心の破片はまだ紅い


冷たい秋の雨は 落葉を急 ....
藤原絵理子(221)
タイトル カテゴリ Point 日付
初冬三首短歌0+17/12/24 21:09
クリスマス・イヴ自由詩217/12/24 20:37
病院自由詩317/1/9 18:40
冷たい雨自由詩217/1/2 22:22
夏の断章自由詩216/8/27 21:23
風鈴自由詩316/8/23 22:44
さみだれ三首短歌0+16/7/8 21:40
ゆるい曲がり角自由詩116/6/28 21:51
カルチェ・ラタン自由詩116/6/24 22:17
恋人自由詩216/4/17 21:35
自由詩316/4/12 22:37
落花自由詩116/4/7 0:47
春へ自由詩316/3/24 22:32
時雨に自由詩416/2/9 22:04
東風自由詩516/1/31 23:47
天秤自由詩6*16/1/27 22:47
つとめて自由詩6*16/1/24 22:48
冬の香自由詩616/1/19 22:16
流れる自由詩516/1/11 22:31
冬の池自由詩8*16/1/6 22:01
結婚自由詩6*15/12/26 22:44
枕に消ゆる自由詩5*15/12/15 22:55
夕焼け自由詩5*15/12/10 22:43
12月のミニトマト自由詩615/12/4 21:43
グルタミン酸自由詩13*15/12/2 21:58
日曜日自由詩715/11/30 21:54
みかん自由詩10*15/11/27 20:53
虚構の大義自由詩5*15/11/21 18:49
朝けの袖自由詩515/11/16 21:32
夢と知りせば自由詩7*15/11/13 22:29

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