旅に出ればそれがいつも素敵なこと
あの時が最後だったかと思い出す
どこへ行こうと痒いものは痒い
地図がなくとも足はある
〇番線から月の汽車出る
ある者にとっての美はまたある者には絶望
愛しさに心のゆとり蝕まれこれぞ恋と悟る
人に花を持たせ自分が咲く
かすみ草畑の中で夢見る
咳払いするが如く物忘れ
....
狐の里でたんぽぽ茶すゝる
放置した退屈 空気冷やす
人との関わりで余計な退屈また増やす
開き始めた花咲くまで見届ける
ゆとりのない部屋のゴミを隅に追いやる
知らぬうちタイヤに穴があく
退屈とは人が生きている証
叢踏みしめウサギの息探し
度が過ぎて今日もまた何も得ず
雑踏で手足に逃げられる
友乗せて今船が港にやって来た
ラグタイムで身体動かす
過度の緊張は強烈な睡魔
海原に浮かぶ島に石投げる
青深々と時を吞み込む
黒玉西瓜食えるのかと目疑う
遣らずの雨と喜んだら叩き出される
世界に佇み梢を探す
河原に縞模様の石のみ目立つ
言いたいことすべてマンホールの中
遠雷や深夜のシンクの銀のいろ
生きている時間が光る梅雨の雷
梅雨晴やギフはお家でお留守番
テーブルの上の湯気かな虹二重
風青しキッチンクロスを干して空
....
遠くのコンビニを選んで買物する
あとは下るだけの観覧車の退屈
明日の希望まだ遠く時計見て待つ
今日は何を決めた
瑞々しき言葉揮発して
遠くを見て加速する
水着素材のおむつそれほど優秀か
どれだけ金に執着する
!の使い過ぎ見苦しい
流れる風景に逆らい大仏立つ
蜩の声が響くとリセット
雨から逃げたくて走る
大阪では四六時中ボケ突っ込み
生まれる前の記憶を呼び覚ます音
バイクで走る 逃げた春に追いつくため
似たもの同士も好き嫌いはあり
星に冴えを感じぬ熱帯夜
別れゆく友さらばの言葉もなく
留守電の件数だけ溜息
日常に意味を求める理由とは
わざわざ眞夜中にラーメン屋探す
みんな帰ってわれ独り
焦って目的を忘れ去る
退屈は食べても減らない
まだ星が高いので帰る
本日のお品書き~素麺
からだのすきとほりゆくそうめんの昼
「素食」なる言葉が流行ったのは、いつ頃だったろうか?粗食ではなく素食。化学的な加工のない天然自然のものを食べようという提 ....
今スマホかテレビのリモコンを踏んづけた
轢かれた猫見て時を取り戻したくなる
南国の秋の夢に見たみかん
急須傾けた分今日のあれこれ忘れる
砂嵐の画像を見つめ夜も更ける
....
写真のないアルバムを開く
ギターの弦切れて退屈押し寄せる
屋根裏からモデム出てきた
待ち人来ず時間返せと呟く
だから安い方で良いと言ったのに
口にする退屈のいつしか有り難き存在
最後に時計見てからまだ七分
いつもいつもいつかもいつ
ホルモン焼きの煙に噎ぶ
酒気ぬけず仕事休む
微睡みて雲の夢など見る
浮いて沈んでまた葱を切る
漁火を数え漁獲を想像し
夜な夜な届く電波が眠りを妨げる
闇へと続く線路の先に赤い点
あんな瞬間さえ懐かしい
人の退屈を請け負う
立ち止まれば尚忙しい
元気でいる鎌倉の空の下
何かを手放し明日を迎える
別れた恋人を思い出す時間が無駄
退屈の種を諦念という大地に蒔く
いつかまた来て土産を渡す
靴磨いても出かける予定なし
充実の花が退屈の実を結ぶ
退屈も度が過ぎれば動くことさえ億劫
やりたいことを準備しておく
かつての金言も時代変わればたゞの不適切発言
迷っている時間で一日が過ぎ
時々ノイズが入るくらいでよい
....
眠っている時間が勿体ない
気もそゞろで橋渡る
私は失敗作
深呼吸して窓の外見つめる
詩なんか書いて何考えている
戯れ言ばかりの日記帳焼く
バス停で深く考える
弟は来年も四歳
読書もできず口の中に荊
誰かのエゴに苛立つ己のエゴ
松茸ご飯と知りジャーの蓋閉める
感性をいまいちど研ぎ澄ませれば
大荷物でボートが沈む
友人に誠実でないと嘆く
何を抱えて今日を終える
呼吸の乱れ悟られる
退屈の有り難み思い知る
さっきまで晴れていたのに
腹の減らない香りがする
定期的に泣き笑い
冷たい雨から逃げられず
自分から魂が抜ける
美声で歌う石拾う
訳もなく急ぎ足
昔の村の記憶が蘇る
侘しさ連れて暴走族やって来る
故郷の秘密基地見つけられず
失敗してまた作り直す
名前も知らぬ親子が懐かしい
あの頃の夜はもっと健全だった
目の前でバスが出る 時刻表見づらい
時化て波ばかりが踊り狂う
音楽の正体を突き止めたくなる
あの霧の中かもめはいくつ
デジタルな言葉ばかりでは退屈
試験監督中に尿意を催す
バスで巡礼するな バスで
グノシェンヌで眠れない
聞き飽きた言葉で退屈になる
試験中に便意を催す
年賀状の写真に見慣れぬ子供
のんびりしたくて新幹線に乗る
本当に悲しい曲はメジャーコード
先を越されてやりきれなくなる
年賀状の写真に見慣れぬ犬
ラグタイム聴きながら歩く
床屋で居眠りした
ラップ流れてスイッチを切る
痒いのだか気持ちいゝのだか
思わぬ場所で腹が鳴る
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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