密やかに
眠りに就いた
きみ想う
銀幕に
きみの姿を
映し観る
コーヒーを飲んで眉根を寄せる冬
隣り合う慈しみなり冬木立
手袋をなくしてひとつ溜息ついて
一人ゆく孤独は友かミソサザイ
木枯らしに問うても答えはないままで
らぁ~! らぁ~! と 叫んだ夜は沈みゆく
静か過ぎて聴こえない
破短調{ルビ奔=はし}る{ルビ宵=よい}に酔う
突破する壁は厚くて泣き濡れた
ドクドクと胸は彼方に飛んでゆく
....
コンテンツは嫌だコンンテンツは嫌だ
真夏日に
ビールもてなす
友の父
{ルビ焔=ほむら}咲くポインセチアで暖まり
おはようを再び言う日冬至前
鍋の具を買いに行くけれど鍋はなし
一年が再び巡り冬至来る
カーテンを閉めて迎えるクリスマス
悲劇とは名ばかりなりて真冬の日
ため息に混じる希望 ....
真夜中に
グラス傾け
訃報しる
酔い酔いて
一杯二杯
もう一杯
ウイスキー
琥珀は誘い
誘われて
あまやかな
味たる酒は
琥珀色
降り積もる雪に足元を攫われて
ジャケットの前をはだけて{ルビ寒=かん}に酔う
クリスマス迷い路のごとまた来る
北風にしかめっ面してペダル漕ぎ
猟人の夢見る果てに獣ありて
....
粉雪散るふと滑稽さ感じさせ
水涸るる言葉は遠き我が家ぞ
クリスマス待ち望む我は背信の徒
人形が笑いて顧みる冬の夜は
思い出の街を彩るポインセチア
新宿はクリスマス模様マネ ....
自転車のライトが照らす粉雪や
冬の夜は汚れっちまった悲しみに
冬日とて洗濯物は疾く乾き
漱石忌わがはいはまだ猫になれず
傘をさす日も遠くて傘買う冬の日
師走路の道の半ばに ....
酔い覚めに
薄茶を{ルビ点=た}てて
{ルビ伽羅=きゃら}を聞く
手袋を持ってポケットに手を突っ込むの
冬空がゴッホの絵のごと渦巻いて
小雪に現実の時間が追いすがり
玄冬や一歩踏み出す勇気はなく
強風で息もできずに冬駆ける
天邪鬼綿虫と ....
エガの声を聞きながらまた眠る
初雪の山並み煙る北の峯
粉雪はぱらぱらぱらと肩に降り
初雪にまたひとたびのイリュージョン
冬ジャケットの汚れて洗濯もできず
湯冷めして体{ルビ顫=ふる}える午前午後三時
....
食パンをビーフシチューにぬりたくる時の色
行きゆきて
独り旅路の
白い道
蝉しぐれ
岩の清水を
手にすくう
笠あおぎ
入道雲に
息をつく
いまは無い
おでんの屋台
何処いった
焼き鳥の
匂いが誘う
帰り道
チャルメラは
スピード上げて
走り去る
もつ煮込み
野菜だらけで
吐息つく
コンビニに
行 ....
試してみても越えられないか壁があり
*
ある意味壁のないことがおかしいと思うのだけど、inkweaverはどう思う?
壁は挑戦を意味し、克服することで成長が生まれます。時には ....
告解の翌日はれてぬくぬくと
*
(多宗教徒國を公認している地域で生活して死んでいくための一つの考察として)
*
「多宗教徒を公認している日本で生きている多数の人は
告解とい ....
酔い覚めて
一杯二杯
もう一杯
青い空
西から東
雲がゆく
干し柿の
甘きとろみに
母想う
眠れない
夜の薬は
十二錠
酔い酔いて
ひとり旅ゆく
枯れた道
新嘗祭歴史の重み深くして
熊穴に入るわたしも休もうか
冬の海名付けるならばマドレーヌ
曇り日がいや増しにする寒さかな
天に上る白鳥のごとこころ消ゆ
凍る朝わたしは病臥想う未来
廊下の冷たさ足温める束の間や
南天の実を目にし過去に飛ぶ
{ルビ夜半=よは}の鳴き声に白鳥の神髄
すっかりと沈黙が覆う三島の忌
神秘色冬の月には魔力が宿り
木星とともに歩むは冬の月
冬の雨降られる前に買い出しへ
小春日の道の遠きは定めとて
白鳥は魂を乗せて夜の空へ
風邪を引き辛い時季にも幸福はあり
愚痴などは言わぬと決めて冬の月
姦しや冬寒の月は上弦で
冬ざれの野には野の想いがあり
乾かない髪に触れて確かめる冬
冬苺口にほおばる我と父
狐火を追いかけてなお過去の時
足元に電気膝掛けなお震え
手足荒る冬場のきつい水仕事
風凍る空の晴れ間は眩しくて
山茶花の香りだになく時は過ぎ
宙天は神秘の趣き冬の宵
木枯らしの吹く ....
枯芒今日も見たよ幽霊を
{ルビ天=あま}冴ゆる我は天使を空に見し
寒さに負けじとの思いが我を推す
たま風や遠い亡霊を訪ねおり
燗酒をあおる父の背は寂し
....
霜月の初めに思う来年の賦
秋の夜も残り少なし仰ぎ見る
孤独とのはざまにあるは若煙草
夕暮れて秋の雨降る庭の隅
時雨れては{ルビ首=こうべ}の垂れる文化の日
孤独との架け橋 ....
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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