「さんさい」
ピースサインをしながら
息子はごく自然に鯖を読んだ
うん、君は二歳だ
....
鉄の孑孑が
陽に吸い付く
山羊は飾られ 剥かれ
刎ねられる
空の ....
もう旅はしたくない、と思った
サンクチュアリ
蓮のかおりがすこし漂っている
....
「お前彼氏作らないの？」と言われて
思わず泣いたその理由が
「あなたが好きだから」なんて ....
青い看板に白い文字で
ビジネス
カジュアル
フォーマル
朝の ....
夕方のラッシュに逆ろうて
工業地区行く電車に乗る
降りた駅ですれ違う人たちに
ご安 ....
生活感のなかに、だいすきな匂いをかぐ
ゆれるカーテンを抱きしめる
そういうとき、私のなかには
....
移転先の
地下に溜まった水が
汚染されているのか
いないのか
それが重要な問題のはずだったの ....
幽かな機械が夢を語っている。
夢みる幽霊が歌を歌っている。
夢みる夢が音楽を奏でている。
夢み ....
死のようにつよいあなた
鯨の神秘的な泣き声に似て、
茫漠として残酷な闇の世界
きら ....
僕が生まれて初めてしたことは、喋ることでした。
まわりの喋り声が五月蠅くて辛かったり、まわりの喋り ....
長命寺幼稚園は、石神井公園駅から、歩いて七分ぐらい。
ぼくは三年保育で、その幼稚園に通った。
....
かかわりの中で
愛が生まれる
かかわりの中で
愛が育つ
愛の反対は
憎ではなく無関心だ
子供の頃の私にとっては
ばあちゃんの家というのは
いつ行っても
心やすらぐ場所だった
あの頃 ....
久しぶりに見る陽光は眩し過ぎて
自らの汚らしさを思い出す
卑屈になって
謙って
疲れ果て ....
水の｛ルビ簾＝すだれ｝がそこかしこに垂れ下がっている夏の部屋に居て、ぼくはもうあの郵 ....
優雅なるおのが自虐の洗礼に母性あなたは鏡のごとく
聖典を真夜にひらけば一本のわが少年の髪ユダに ....
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