風の音が聴こえる
こんな夜は
抑えつけた想いが
はじけそうになるのを
必死でこらえて
....
感情は時と共に丸くなる
丸くなり未来への坂を転がり続ける
そして、忘却の泉の中に落ちて消化する
....
あなたの中を泳ぎたい
余計なものは脱ぎ捨てて
ただ あなたの中にいたいよ
....
雷鳴が珈琲に足りない
足を浸していた黒い闇の中に輝く鳥たちの羽、羽
微睡みの中にそれは来るのだ
....
もうなんども終わりにしようとしたことをはじめてしまうことは
波ににている 世界は波ににている
....
私はあしが遅いから
全力では走らない
前にだれもいない風景なんて知らない
だれもいなくなっ ....
Ⅰ
ずっと昔にほしかったもの
ようやく、指先が届きそうだ
かすめる指の ....
チンレンホウが
嘘ばかりつくので
精神鑑定を行った結果
多重国籍はもちろんのこと
多重人格で ....
そうしてお腹を空かせては
仏の唇を食み、人の指を食らう
曼珠沙華咲く薄暮の川岸
醜い心をさらし ....
僕のなかに沈んできた娯楽の集まりが、僕で、あなたたちを楽しませてくれたらいい。
沈んでいる人を ....
峰と峰とのつなぎ目に鞍部があり、南北の分水嶺となっている
古い大葉菩提樹の木がさわさわと風を漂わせ ....
僕の知ってる音楽は
3つの箱に入ってる
青春のすべてを使っても
3つの箱しかわからない
....
乳の出なくなった母豚が
子豚を育ててくれるという、
やさしいニンゲンに預けた
彼ら ....
スロヴェニア史を
学んでいる老婆のくちばしに
十分な金貨を与えた上で射精した
....
生きていることが嫌なんて
つまらない嘘つく人形が一匹
真夜中自転車こいで
部屋を訪ねる
....
いっちゃんは、喧嘩が強い。僕も、弱い方ではないが、いっちゃんには、敵わない。
二年生のある日、 ....
うずく傷がいつまでも私を捉えて話さない。
幼い少女の前で、マスターベーションしちまった後悔
....
むしの声 聴こえて来たので 明日から 存在したい 時間を生きる
時間たち 人たちのなかの ....
ここまで来たら
いい夫婦しかあるまい
あの世までもう少しだ
一篇の詩をつづりながら
多くの迷い道を選びきれないでいる
夜 飼い猫の眼が光る
....
人生は
いっぱい
汗をかいて
いっぱい
涙を流して
生きていくものなり
靴は最初から選びようもなかった
いつかしら迷い込んでいた鏡のなか の既視辺
描いたのは自分じゃな ....
にゃんこホアキン
きみの硬直した屍体はぼくを悲しませた
にゃんこホアキン
ふさふ ....
もしも真夜中がこれ以上長かったら
私は姿を変えて
あの街の塀の陰へ急ぐだろう
深海の鯨の死骸の ....
私たちは望んだ
林檎の木のやせた小さな実を
うなだれて実をこぼす廃れた窓辺を
細い水のはねる汚 ....
{引用=９月１日
眠る前、枕元の明かりを消したら、あたしの中では 隣に君がいる日があっ ....
『ここは狼だから会話するだけ無駄だ』まで言われてもヘラヘラ笑って ....
久しぶりに晴れたので
走らせた 川に自転車を しかし
会社に通っていたこの道も
時間がいる ....
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