水滴がバスタブで凍る
湯が流れている雨でなく雪だから
ガスが家全体から吹き出して雲を作り
水 ....
愛らしい後輩が今日は珍しくレギンス姿なのが残念
あれは
花の散る音だよ
花びらの儚くはがれ
地に落ちる音
砂に擦れる骨片の
乾いた軋みのよ ....
建築資材を吊り上げて
運ぶみたいに
大きく精密に
きずなをつくっていた
雲ひとつない東京の空 ....
青空が全てを飲み込んで
見渡す限り空っぽになったような そんな日々が続いて
生まれた街を離れ ....
大事なひとの訃報
全身の痛みのなか
苦しんで苦しんで
生き抜いた
あなたの顔が本当に
....
女子トイレから拝借した
汚物入れに氷を入れ
ウォッカを注ぎ
ステアして
最後にレモンを添える ....
角のまるい三角をつみあげる
角砂糖のような几帳面さであなたは
猫も飼わなかったし
お揃 ....
会社を辞めることとなりました
ご迷惑をおかけし申し訳ありません
うなだれる青年は小さい声では ....
昨晩は大雨が降り今朝はもう穏やかに晴れ雨寄せつけず
別荘が同じ間隔で建てられて夏は賑やか冬はひ ....
不眠症のユウコは今夜も大量のクスリを飲んでは
ヘロヘロ状態
潔癖症のさなえは自分の周りが ....
画面上の葬式
あいつは別れ際
手を振り泣いていた
森の中、投げ出された靴に活字の鬱を誘われ。
逃げ道は、誤ると蟻地獄に堕ちる自分を
ありあ ....
歴史上の人物の名前は
タンスにしまった反物に似ている
たまにタンスを開けてみて
その知識が ....
逐一 イライラッて 出していたら
大爆発しなくて 済む
いや、場合によっては 爆発しちゃって ....
たとえばきみが何もかもを
小文字から始めてしまうひとだとしても、
両方の足を水の中に沈めて
砂 ....
ふつうのことはわからない
私は人より足がおそいし
人より少し頭がいいから
ふつうのことはわ ....
「思うよ。
いつまで生きねばならないのだろう？
だれも思いませんです？
明日死ぬ可能性もある？ ....
極月の丸いお尻のピアニスト
極月の国は機密に覆われて
炉話の途中で花を出す手品
別れてもっと好きになる
戒名に顔文字を入れた
棺桶を担ぐ役からはずされている
【なぁ｛ルビ気味＝キミ｝、
もし｛ルビ餡奈太＝あなた｝が｛ルビ合歓鯛＝ねむたい｝と｛ルビ樹＝き ....
メールに添付されてきたのは大粒の涙
メールの香りがそれを証明してる
僕は不安をひた ....
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