夕暮れていく空の
侵略される白と
紫が混ざり合うように
中途半端なまま心は
形を変え続け ....
洗い立てのかるい
ネルのシャツにでも着替えて
家を出て行けばいい
そして袖口を泥で ....
「一件のメールを受信しました」
薄い透明な膜
電源を入れれば一瞬真っ白になる
僕のパソ ....
現代詩はT.E.ヒューム(1883-1917)から始まった、とよく言われます。
ヒュームは二十世紀 ....
カレンダーを一枚めくる度に
当たり前に季節は深くなってゆく
ビルとビルの谷間の廃屋にひとり住む老 ....
まぶたのかたち なぞるたび
まなこのかたち なぞるたび
くちびるはすこし か ....
閉じられた
まぶたのうえに
のせるくちびる
まぶたのかたち
まなこの ....
ねむくなったので
さきにおふとんにはいっていると
おねえちゃんはつくえのひきだしをあけて
....
お母さんお母さん
お父さんが
仮面なとんとかーにいじめられてるよ
あ
....
どうしようもなく 寂しくて
なにがあった訳でもないのに
どうしようもなく 苦しくて
ベッド ....
僕の道を歩き続ける
僕は僕なのだから
僕の道はどこまでも続く
あの丘の向こうにも道がある
....
遠くに見える軒先の明かりは
線香花火の様に見えました
それは小さく {ルビ朱=あか}く
瞬きを ....
ツクツクボウシが鳴き細り
ぼくらの夏が終わる
夢をいっぱいにはらんだ風が
尖ってゆく
....
遥かの西方から雨は僕の世界にやってきて
もう三日も降り止む気配がない
大粒の
激しい雨に
僕 ....
大好きな人。大嫌いな人。愛してる人。憎んでる人。
崩れた記憶。崩れた心情。崩れた信用。崩れた安定。 ....
タイトルだけ見たら、危ないですが、
記憶喪失の話ではなく、
酒乱事件の話でもなく。
....
小首をかしげて 鳥が
私の胸のあたりを
ついばむ
私は
驚きで声も出ない
鳥は
よく ....
仏蘭西語よりも希臘語よりも陰気な羅典語よりも
英語の発音が好きだ だから
私の名前を呼ぶと ....
山里深く
美しい女が独り
淋しく庵を結んでいるとの噂を聞きつけ
伊達男や
誇り高い ....
隣の空から降ってくる
それをわたしは見ていたよ
苦しくて眠れないのか
眠れなくて苦しいのか ....
金太郎飴を舐めんなよ
ヤツは世界最強だからな
金太郎じゃなくて金太郎飴がだぞ
どこを切られても ....
会社
会社の顔を汚すなと
上司に言われた
僕に顔は
いらない
....
太陽がセパレートコースを直角に照らして
スタートラインで静かに永久を刻む
その時大気は止まった
....
先生が言いました
「3日前に拾いました。これは誰のですか?」
キラキラ輝く宝石みたいな堕胎児
....
わずか25cmの彼女は
メルフェンだった
愛くるしい顔をした
庭の番人
彼女の周りにはい ....
地上23階のビルの入り口には、受付嬢が2人いる。大理石の床にはいつも、雨よけシートが敷かれている。エ ....
嫌な夢を見た
意識がぼんやりして現実へ戻ろうとする
でも頭も体も重くて動けない
ま ....
駅までの途中
紺のひだスカート
髪はキュッと右上でくくり
鞄はぺしゃんこ
ローファーに「 ....
そっぽを向いた鏡をなだめて
今日も自分は
この世に映る
....
蓮の隙から顔出した白鳥は
あてもなく
よすがもなくて
海の{ルビ底=そこへ}へ沈んでい ....
おんなのこはバナナとイチゴがすき
まるみのおびたちいさなスプーンで
くりーむをたがいのはなのあた ....
昨日、ビールを家で飲んだ。
初めてひとりで飲んだ。
苦くてどうしようもなかったので
ギンギンに ....
降れば泣き濡れる弱虫の彼女は
大雨の通知表に耐えられない。―
リッツのヴァイオリン弾 ....
ぽこぽこと生まれた涙を瓶に集めて
ひとりで海開きをした
太陽の灯を消そう、
吹き消そう、
すると見えてくる
難解な文字や数字を窓から棄げて、
....
日替わりで
ミルクの量が変わるコーヒーをあなたは
おまえの機嫌が手に取るようだ、と
綺 ....
ココロの動き、お話の続き、
世の中の動き、
出会い、重複、発散、離別・・・
ココロの動き・・・ ....
それは
私が見た
たくさんの野を駆け
私が見た
たくさんの空を駆けて
いつも また
ここ ....
A! ルルの音は℃m、藍の為す 冬の夜に降りる
ホワイトノイズの、囁き スピカの瞳の目配せで
混 ....
赤道直下の交差点を往来する、プラスとマイナス。
鉢合わせとなった影像から、流血沙汰の騒ぎへ。
切 ....
40rows, 1.1sec.