まだここにあなたはいた
片足だけ残って、小石を崩していた
篠突く雨に耐えかねて、隻脚は ....
たとえば
地下鉄のホームにゆらめく陽炎を見ることができたり
たとえば
街中の吸い殻捨ての汚れが ....
見上げた空に 月
朗々と歌は聞こえ
足元に 花
虞美人草は 濡れてなお美しく
空は堕ち
....
冷蔵庫から ほろ苦い
コーヒーゼリーを取り出した
冷風吹きすさぶ 一番上の段
甘いフレッシュの ....
虚ろの巨人が のしのし と後をつけてくる。
ふりかえれば、ふりかえる 仮面のひとびと。
あの ....
白い鳩
{ルビ貴女=あなた}の首のしなやかさ
円柱を飾る髪の毛が 池のほとりで、
....
突然に「さよなら」を告げれたら人は悲しむだろうか?
絵画は遠くで見るから美しいのであって
....
ゆらり金魚
ふわふわ踊る朱色の帯
髪結い上げた女の子の
すくい網から
グルリと
あわてて
....
強欲と言う実体の残酷さに 涙を流した
強さの裏の 頼りなさに 地面が揺れた
才能と言う言 ....
はじめては、アニメだった。
サザエさんのお父さん、波平さんの趣味が、たしか盆栽だった。
おじさん ....
若い乙女に恋すれば
男のタイは 綻びる
爪は綺麗に磨かれて
白いやえばを覘かせる
....
なぜもぐらは
たたかれたのか
ただいちどきり
空を見てみたかっただけなのかもしれないのに
....
お金持ちになって
お金はぼくにとってたいした意味はない
とか言いたい
そんな自分を
眠る ....
先日、たまたまテレビでNHKを見ていた。
中世に西欧諸国から入ってきた技術や文化を紹介していた。
....
すべての事実を見たとしても
見ているようで何も見ていない
それは単なる感覚器官の一つが
脳 ....
こぼれないように差し出す手を
すり抜けてはこぼれ落ちる
掴めそうで落ちるその砂を
握ってみても ....
よーい どん
合図のピストルを撃てば
電柱が走りはじめる
電線にとまっていた
鳩の群 ....
お花畑のようなものでできた駅に
列車が到着して
たくさんの乗客が降りてくる
小さなホームはやが ....
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エキサイティング!
の一言。
今話題の ....
みんなも知ってる昔話『鶴の恩返し』なんだけれども。なんと、この話に異説が唱えられたそうなんだ!
....
水が割れるのです
いま
指先の銀の引き潮に
水が
割れるのです
うなじを笑い ....
窓を開けると庭でねこじゃらしが揺れて
通り過ぎてきた時間を優しく撫でていく風
いつの間に同じ高さ ....
*
真夜中にふと 目が覚めることがあります
このときは夢と現実の境界線 ....
ごちそうさま ....
タイミリックマシーンは出来損ない
どこにだって飛べやしない
過去も未来も遠い夢の話
目の前には ....
花子は豚です。
山形県のある町で幸せに暮らしていました。
町はいつもとても静かで、響くのは、花子 ....
詩は語らずに歌えって
俺の先生が言った
先生って誰だ
そう訊くから
雀だって言ってやった ....
空の青に風が線を描く
空の青に流されていく
薄紫色の花を持つ
貴方の笑顔と空気が
透明な ....
月明かりだけで暗い森を分け入って
辿りついた小さな泉
濁りのない水は鏡の様に
僕の顔を優し ....
ばっさり斬り落とした短い髪に
唖然とたたずむ
(なんか、めんどくさくって
照れたように君が笑 ....
コンクリートの壁は
滑らか過ぎるくらい滑らかで
虚無が手を通して
伝わってくる
その平ら ....
魚、ありふれた、罪過。
魚の見る夢ではないのか?
僕の人生は、海の底で眠ってる。
時々 ....
腑で発酵する咎
苛立ちは他人に向けたほうが楽だ
優しくては稼げない
悲しみは他人に ....
ギョウニンベンと
にんべんの
力比べを見に行った
外国生まれのギョウニンベンが
断然強い
....
光のなかに陰を求め
憩う人々の姿を探して
地平線に向かう
掟を破って
水平線を求めて船出する ....
あの子とあの人と君にも
いつも愛情をと思っているの
いつでも と
カーテンがなびいてる ....
夕暮れ紅く照らす顔
小さな微笑みを見つけ
うなづき揺れる香りと
はかなく写る夕日の跡
闇 ....
口紅の色ほどよくて春の雨土はつち色水はみず色
バラバラに瞬く星
輝くために
たった一瞬のため
生まれては消えていく
私たちには永くても
....
十九時半を過ぎた家路は
真夏に向かう季節を否定するように
涼しげな風が混ざっていた
真白の ....
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