立ち止まる午後
見上げる空
見下ろす街
切り取った直線のシルエット
時は規則正 ....
朝起きて昼めし喰って夜おなにい
雨に降り込められた金魚鉢からみる世界は
刹那をその胸に刻印するように
モノクロームに沈もうとして ....
ボーイ
これは「さようなら」なんかじゃない
「またね！」なんだよ
ボーイ
優しくなろ ....
夏を告げる鐘が鳴ると
少年たちの中で 天国が走り出す
光源のない白い光に満ちた中を
球や三角錐や立方体の闇が
行進する
思考線をよぎる空中魚族
....
願ってしまった
明日の雨と
日曜日の晴れを
とてもとても傲慢に
願ってしまった
彼 ....
３歳の｛ルビ姪＝めい｝が
遠視矯正めがねを初めてかけて
鏡に映る見慣れない顔とにらめっこ
....
＊＊＊序章 蒲田行進曲（目覚めの曲） ＊＊＊
まだまだ寝てたいっス
っつか暑いんでクーラ ....
私が君を理解しようと思ったのはいつごろでしょう？
最初にふとそんなことを思ったのはおとなりに君の優 ....
何故かホームレスは街に棲む
しょざいなげに地下道に
初夏の花咲く公園に彼らは居る
両手いっぱい ....
夏休み
街から人はいなくなった
窓という窓
木陰という木陰
ベンチというベンチ
そ ....
本当のことはどうでもよくなってくる
夢でしか逢えないけど
もうだいぶん平気です
夢の中 ....
君は先ほどからスチームオーブンのカタログを
身じろぎ一つせずににらんでいる。
凝視する先の、その ....
いまだキルトを綴るという
針の動き、
広がる愛を不安と呼んだ彼女よ！
違う！僕はそう思わないよ ....
ある物理学者が、人の数だけ次元は存在するといった。人と人が出会うたびにそれらの次元はゆがみ、分裂し新 ....
実家の近所を走っている大きな道路がさらに拡張され、道路に近い住宅に住む人は立ち退きをしなければならな ....
素直になれず
一人
苦しむ
不器用な
あなたを
愛してしまった
もう
苦しまないで
....
黒い涙
空から落ちてくるものが、雨と呼ばれるなら
それは、黒い涙
抗うことの出 ....
夜の毒気に
酔っ払ったから
窓を開ける
外の雨の雨の雨の
そのむこうは
....
しろろい
くろろい
ゆれて
くゆ な
くゆな
イカサマ
占い師が私の手相を見て言う
「あなたは二度結婚しますよ」
一度ならともか ....
旅館から浴衣がけで我々は夜の温泉街に出かける。川の橋の袂に、テントがけの射的 ....
君を守る
今はこれだけしかいえない
どんなに離れていようが
....
一対の髪捩れほどける朝の晩餐
視界深く神軍ゆきゆきて
他愛ない言葉のスープにまみれる
トグロと ....
高低が歪んで見えるので
何処かに抵抗があるのかと
探してみる
言葉にする事も無く
応 ....
もし息詰って行き詰まったなら
いちばん薄い壁に 自分で出口を｛ルビ象＝かたど｝るんだよ
君は逃げ ....
「ダン・ブラウンの新刊置いてますか?」
「置いてません」
「残念。じゃ、ひとつ前のベストセラー、 ....
梅雨の夜風に混じり込む体臭の湿気
雲にまいた砂混じりの渇いたため息
無気力にぽっかりあいた満月の ....
美しいものを見ると
なぜか哀しくなる
そう言ったあの人は
ときどき
儚さに目をそむけて
....
記憶の ぬくもりが
朝のラインに 並びます
いくつかは やわらかく はじらい
いくつかは つめ ....
あの、
いけないんでしょうか？
私のヤルコトナスコト
すべて
気に触るようで ....
壊れかけたラジオが
なぜだか中国語の放送だけを受信する
意味はまるでわからないが
聞き覚えのあ ....
夜に浮かびくるには
断然に 白
やままゆがの
巨大な紋様は
それは
彼女のいいところ
....
同じになったためしがない
あなたを
追いかけて
私は走る
あなたは
いなくなったけ ....
センパイ綺麗ですよねなんで結婚しないんですか
などとほざく後輩の頭をこつんとこづき
それじゃ明日 ....
そろそろわたしたち、逃げる準備をしましょう
滅びてしまうものたちに囲まれて
この瞬間にもわたした ....
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