ぼくらはかつて
遠ざかる気層であった
果てのない蒼い夜に灯る
淡い光であった
ぼくらの指先は ....
わたしのせなかというものを
つくっていただけるのであれば
どうか車輪の跡を忘れずに ....
きれいなものにあこがれて。
でも、てにとどかずに。
みにくいものがあふれています。
じ ....
烏瓜が真っ赤に色づき
葛の葉っぱがみんな枯れ
桑の木がセミヌードになるころ
カマキリは生きなが ....
いまはもうない家の
いまはもうない裏の畑で
空いっぱいに舞っていた
アキアカネ。
物干し ....
一九九〇年一月一六日午後三時三〇分
ガンジス河に架かる浮き橋を渡って
バラナシの町に入ると
古 ....
青空だった
そこに一塊りの黒い雲が
漂うのだった
漏れでた存在の気品
のように流れ去るそこ
....
ころんで傷ついた膝に
消毒液をふきかける
わたしの鉄でできたからだは
それだけで うごかなくな ....
生命は
生まれたと同時に
死を背負い
生きてゆくものらしい
人も
その例に外れず
存 ....
1.夢前編:クレバス
ワンルーム まっ白で
床に 暗い
クレバス
あって ....
夜明けと午後と夜中の夢に
同じ女の子が現れて
わたすものがあるけど
....
愛に必要な事っていったい何だろう
「安らぎ」?
それとも「刺激」?
「安らぎ」ばかりを求めてい ....
今夜の月は少し冷たい表情をしているせいか
君の表情も少し冷たく感じる
澄んだ藍色の夜空に浮かぶ蒼 ....
せるふだってさ。何もかもが眩しいよ。
ちゃーしゅーも、おいしそうなそのなべも。
おととい着た ....
僕は今、そこはかとなく広がる大海の真ん中にいる
僕の視界に入るのはイヤミなほど青い空と
僕を飲み ....
原口氏の詩集を拝受。さっそくというにはかなり遅ればせに手に取った。タイトルは『声と残像』。一読して戻 ....
カーテンを開けると大雨だった
ひどく気が滅入る日曜日だ
さらに気が滅入ることに
....
ある日突然
夜空に輝く星がすべて
音符になってしまった
街中の人々は目を凝らし
よく見た ....
遠い昔 誰かがあたしに教えてくれたんだ
タバコ吸うなんて大人がすることで 子供は触れることすら許さ ....
一九八九年九月一日のガンジス河は
モンスーンの雨水を集め濁りに濁り
滔滔と流れて行く
よう ....
おそろしげなる{ルビ杣人=そまびと}の
十人かかりて動かせぬ
切り倒されし杉ありき
杉と契りし ....
凸凹配位座はいつでも漂っていて
なにかの拍子に
繋ぎ合っている手のひらの合間にもある
ついさっ ....
わたしは迷路にうずくまっている。わたしがどこから来たのかわたしは知らない。思い出しもしない。何故うず ....
青春を 青 と言う
青春を 春 と言う
色と季節と くくるなら
「白秋」の
想い ....
「極刑」:まぶた切除−視覚の永久開放
旅立ちの鳥は
透き通る光は
風浴びる葉は
ものいわぬ詩人
羽ばたきが
....
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