朝暘
リリー

 カーテン開ける
 東の窓辺は柔らかな
 柳の芽吹き おもわす光

 三度目に
 鳴っていた携帯のアラーム消して
 私を 執拗に抱きしめるコットン毛布から
 這い出してきた脳みそが
 いつものブラック珈琲で覚醒する

 そんなリビングで頂く
 ハムエッグと野菜炒めの皿には
 定番じゃない、ミニトマト
 お弁当用に買ってあるオレンジパルチェを添えたい

  旦那なく子もなく資産もない独居なれども
  わたしにも 陽のある朝

 石油ストーブあたりながら着替える
 通勤には派手だけれど
 お気に入りのラズベリーピンクのセーターを
 着てみたくなった


自由詩 朝暘 Copyright リリー 2024-01-27 12:26:45
notebook Home 戻る  過去 未来