少年
ルラ

名も歳も 無く
鋭く 無垢な筆勢で
通り過ぎる ものみな
書きとめる 少年

姉妹に 恋をした
密かな 罪を燻らせ
拙い 経験を統べ
生き死にに 眼を馳せる

葉と石を 神とし
風と水を 境しない
思想の 胎児を
胸の子宮に 宿している

軈て 戯れの庭など
失望の火に くべ
堅い門を くぐる
孤独を 愛でるようになる


自由詩 少年 Copyright ルラ 2019-01-31 00:47:47
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