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いつもの店のいつもの席で
ちょうどよく酔ったその後で
独活の酢味噌和えという旬のものを
うすうす噛んで
うすうす僕は
ひっそりとニンゲンをやめるのだった
右の席からは仕事の話
左 ....
髪についた雪を払って
傘も持たずに街を歩けば
見慣れた景色は別世界
眩しいほどの銀世界
ふかぶかと残したはずの足跡も
振り返ればもう微か
念のため確かめてみたけど
両足ともにちゃ ....
いろつやかたち
どれをとっても
こんなに優しいものはない
桃
両手でそっと抱いてみる
たましいは傷つきやすくて
触れあうたびに痛がっている
薄皮を爪ではがせば
そこには
今に ....
ある冬晴れの日のその空と
同じ色の表紙をした
日記を買った
他に種類はたくさんあったのだが
それはひときわ僕の目を惹いて
一度手に取り
一度戻して
もう一度手に取り買ったのだった
....
みんな昔はサルだったと
自分で自分を慰めて
路地裏を抜けたところにある
月のよく見える広場から
積木でできたビル街を
にらみつけた
雲のはやい夜
笑わない神さまが作り上げた
ウ ....