はつ雪さんぽ
八布
髪についた雪を払って
傘も持たずに街を歩けば
見慣れた景色は別世界
眩しいほどの銀世界
ふかぶかと残したはずの足跡も
振り返ればもう微か
念のため確かめてみたけど
両足ともにちゃんとある
だとすればやっぱり僕は
幽霊ではないのだな
降りしきるあわ雪の中では
生身の体は重すぎる
音もなく色もなく
そして意味さえないままに
雪は降りしきり
つもりにつもる
隠したいものがこの世には
多すぎるとでも言うかのように
自由詩
はつ雪さんぽ
Copyright
八布
2014-01-10 22:36:20
縦