桃
八布
いろつやかたち
どれをとっても
こんなに優しいものはない
桃
両手でそっと抱いてみる
たましいは傷つきやすくて
触れあうたびに痛がっている
薄皮を爪ではがせば
そこには
今にも泣き出しそうな顔
涙をすくって舐めたら
甘い味がするかな
何に似ているかと言えば
頬に似ている
あるいは・・・に似ている
桃
触れれば触れたそばから
指先に色がうつるような
自由詩
桃
Copyright
八布
2013-12-27 22:06:14
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