すべてのおすすめ
その古い家には
ちいさなあかりとりの天窓があって
夜ふとんに入ると
その窓がいやに気にかかってたまらなくて
ぎゅっと目をつぶった

星も見えないようなちいさな天窓
月明かりだけはぼんやり ....
死体って本当に動かないんだ
父さんの死体は 父さんと言っても動かず
とても不思議だった

死体だけども 父さんと変わらずに呼び
唇を水に浸した綿で拭いたり
保冷剤を取り替えるのを 成る程と ....
  
「はい」その一


はい!はい!はい!はい!はい!

はいは一回!


{引用=はい}



「はい」その二


はい、はい、

はいは一回!


{引 ....
サッシュの窓といえども二十年もすれば、ひずみも出るし、隙間も出来る。
夫婦の間にもずれや、隙間ができる。
若い頃は埋めようと色々と努力して、かえって息苦しくなった。
年経て、諦めたのか、ゆとりが ....
北欧から来たアイスブルーの瞳を持つカモメがこの空を飛んでゆく。
氷川丸に群れている黒い瞳のカモメはそれを全く気にしない。
孤高のカモメがはるばるやって来たというのに。
彼らは群れてはいたが、 ....
むかでがのんびり散歩してたら
にんげんがさけぶんだ

あわててむかで
はしるはしる
足はからまわりして
からまるからまる

なんにもしません
むかではなきながら
からまる足をうらみ ....
部屋の中 わたしの吐息で満たされていて
蒸し暑くて目が覚めた

普段お洒落なんてしないから
どうしたの?って聞かれて恥ずかしくなった赤いペディキュアを

あれから何度も何度も塗り直した
 ....
人は死にます
みんな死にます
老いたり病んだり疲れたりして
どこかへ
行ってしまいます
君だって
僕だって
あそこに居る人だって
テレビの中に居る人だって
穴の ....
全部嘘でしたって言おうよ
本音なんてない
ただ
この建前だけが
本当でした
きみはぼくを情熱家だと言う
それで多くのものを得たとも
多くのものの襟を正したとも

でもだ
これだけは覚えておいて欲しい
英語でいう“passion”には
受難という意味があることを
 ....
うすずみ色の
やわらかな蓋を
かぶせられた街で
こまやかな水に
しっとりと懐かれて
わたしの内側は
ほんのり熱を帯びる

うすずみ色の
やわらかな蓋の裏に
みっしり結露した水玉 ....
  蜘蛛の足が
  多すぎるからと言って
  面白半分に引きちぎる子供

  休みの日が
  長すぎるからと言って
  魚を釣り上げたあと
  血まみれの口から
  針を引き抜く釣り人 ....
水の匂いのする
あなたの
指先の和音で
おどりだす
初夏の背表紙は
水溶性の文字たちの
ぽつぽつと吐き出す気泡で綴じられてゆく


垂直に
落ちてくる六月の
浸透してゆく
素直 ....
桃の実をすぐるため
はしごに登って高い枝に手をのばす
少し時期が遅くなったので
実はピンポンボールのようにまで
大きくなって 枝一杯になっている

このままでは多すぎるので
適当な間隔を ....
「あいつどこ行ったんだろ」
「ずっとオニやってたもんな」
「怒って帰っちゃったんじゃないの」
「あいつヘンジンだからな」
「もうそろそろ帰ろうか」
「帰ろ」「帰ろ」
「それじゃ」「また ....
夜中、雨音で目が覚める
キッチンテーブルで煙草を一本吸う
暗闇にたちのぼる煙に
一匹の黒い魚が遡ていく
勇ましいその魚影は
たぶんマラッカ海峡で
海賊たちと渡り合い
インド洋に出て行くの ....
先生が、いい子いい子言って
わたしのあたまをなでる。
土のにおいのする、ざらついた手のひらが
高いところから降りてきて
ちから強く、あたまをなでる。

いい子いい子、土人形よろしく捏ねられ ....
閉じられた瞼は
眼球にやさしくかけられたさらし布
或いは
フリンジのついた遮光性の高い暗幕

時折
なにかに呼応して
波打つように
揺れる

ベビーカーのハンドルに止まったちょうち ....
ただぼんやり笑って生きています
心から笑うことのないまま
ねこ、かぶって生きています

本音も言わない日々は少し息苦しい

言いたいこと言わないのが
大人だよって
我慢するのが ....
お父さんの部屋は半分おなんどで
机の横にさびたバス停がありました
お父さんが3年前
会社の近くのがらくた市で買って来ました

私と妹は大喜びしました
お母さんは
「何考えてるのよ、こんな ....
あなたのスカートの砂浜で
ずいぶんとうたた寝をしていたみたい
つまさきがもう貝殻のかたち

水平線の両端がせりあがり
網になって太陽をとらえる
その瞬間を見ていたかったの

サンドウィ ....
赤ちゃんだった頃
家でぐずり出したぼくは
ベランダに出すと
外の風に当てると
不思議と必ず
機嫌を直したらしい

出かけよう
洗い流しに行こう
いろいろなことは
頭から投げ出して
 ....
フカフカ暖かい道草
水の流れる音
フカブカ深呼吸をすれば
私は広がる大きくなる
プカプカ浮いて
丸い天体のような感覚
ブカブカの長靴を履いたような

スポスポ抜ける音
シュポシュポ弾 ....
  かなしみに塩をふる
  ほんのひとつまみ



  朝の光を浴びるとき
  雨に濡れたいくつもの言葉が
  「うれしい」という言葉に変わる
  あなたのえくぼが深くなるとき ....
触れられる範囲でしか

触れていなくて

表せられる範囲でしか

表せていない私が

ここに居る
笑いたくなるかなしい郷愁を
色にして音にして匂いにして
どうにか形にしたいのだ

過去はもう起こせないよ
君はもうここにいないよ
時間を飛び越えてみせなよ

ほら

笑いたくな ....
バイだって構わないさ

僕はその人間に興味があるんだもの

道徳律を弄んでいるうちには

真実はどこかへ消し飛んでしまうかもしれないんだ


僕は僕でありその根拠は

唯一無二の ....
先生、教えて。
僕等、拒む棘を舐め合ってる。

先生、教えて。
幼さ故に、ナイフを抜き差してる。

先生、教えて。
美しい、夜と夕方の境界を。

先生、教えて。
深い夜の色の邪さを ....
掛け違えたボタンのまま一日過ごすことにする こんな風に今日も終わってゆくのかな
君はつぶやくけど

平和ってこんな日のことじゃないのかな
私は心でおもった

さくらがちって
思い出みたいに
からだにしがみついてきた
ふりはらわ ....
中村 くらげさんの自由詩おすすめリスト(286)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
しょうけらのいる窓- 佐々宝砂自由詩9*13-7-27
わたす- 砂木自由詩18*13-7-21
「はい」三編- 殿上 童自由詩14*13-7-1
隙間- イナエ自由詩8*13-6-30
群集の中の孤独- ヒヤシン ...自由詩8*13-6-30
むかで- 朧月自由詩413-6-30
新しい夏- なかうち ...自由詩413-6-25
能動的な夜に反射するものたち- ホロウ・ ...自由詩4*13-6-25
告白- 佐藤伊織自由詩413-6-25
passion- HAL自由詩6*13-6-24
水の季節- nonya自由詩22*13-6-22
生きろなんて、言えない- まーつん自由詩22*13-6-17
水辺で暮す- 佐東自由詩14*13-6-17
あり- 砂木自由詩13*13-6-17
また明日- nonya自由詩23*13-6-15
孤独- 青園ルカ自由詩2613-6-13
わるい子の小道- 凍湖(と ...自由詩4*13-6-10
おさらい- そらの珊 ...自由詩26*13-6-8
高校一年生- 川上凌自由詩513-4-12
バス停- salco自由詩27*13-4-11
プライヴェート・ビーチ- ロクエヒ ...自由詩313-4-11
風浴び- 三田九郎自由詩413-4-11
フカフカの道草- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-10
- 草野春心自由詩613-4-10
詩と五感- 小川麻由 ...自由詩3*13-4-10
indelible- くめ自由詩313-4-10
ヘテロだってホモだって- 梅昆布茶自由詩813-4-10
塗り潰せ- 雅寛自由詩213-4-9
掛け違えたボタンのまま一日過ごすことにする- 北大路京 ...自由詩1113-4-9
明日の花びら- 朧月自由詩213-4-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10