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いつかの時代のバンドマンが
「ドブネズミのように美しくなりたい」
と言っていたような気がするが
果たして、
下水を掻き分けて
文明の残飯を貪り食らう生き物に
鼻 ....
まだイントロだったのか
草むら駆ける僕と犬
不確かな未来を信じてる
風に吹かれて速度を上げて
川に突き当たるまで
昨日と今日の境界線
憧れの気持ちを失いたくないから
それを超えて立っている
夕日の中にも影を ....
十日後の蛹は還った、土に
それはどこかの子供に
踏まれてしまったから
大地を踏みしめることを
生きている事だと教わった
羽ばたくことを
人間たちは許さない
....
詩人の方々
告白します
手元にある数十冊の詩集
八割以上は古本屋で買いました
おまけにほとんど百円コーナー
いくつかの本には裏表紙に
詩人のサインと送った相手の名前
生々しく痕跡本です
....
詩を読んでいる
文字を眺めては書いている
言葉は巧みに扱えるが詩は巧みには扱えない
それは人を育て上げる教育にも似ている
鏤骨
生まれる 。
....
君の前で溺れるから人工呼吸してください
八月一日
骨を転がす夢を見た
八月二日
私ではない、誰かの
八月三日
ブレーキを踏む摩擦の音
八月四日
君は居ない、もう居ない
....
腹話術でラジオ出てるのか
森に囲まれた白い家の個室で私は私の感性を解放する。
それらのうち、あるものは壁に反響して部屋中を駆け巡り、
あるものは開けた窓から外の空間へ抜けてゆき、そしてこれが一番厄介なのだが、
そのど ....
妄想から引っ張り出した庭に椅子を並べて
母屋でくすねたたばこを吸う
大事な人が減っていく未来に
振り上げた拳が帰ってこないように煙で包む
アルバムをめくるのは
悲しみに見つけた一本の線を ....
)))))ゴキブリが這いまわる
((目がまわり
)夜がまわる
助けてよ
熱がまわり
わたしの部屋の時計が止まる
風がまわる
猫もまわる
壁は空と
屋根に止まり
花の咲き ....
疲れて眠いのだけれど
眠りに入る前に
伝えたい
選んでプレイヤーにセットしたニューエイジ
いつもの紀成の明かり精神と溶ける滑らかな心
瞼が床につく ....
富のなかに財布が埋没した真昼、君は百円玉と十円玉をにぎりしめてコカコーラを買う、きっと雨が降るよ、自動販売機の売り切れの赤いランプに蝶々が、もうすぐ雨が降る、一粒目の雨が頬に落ちた、スーパーマーケット ....
1.
○月✕日
今日は朝が来なかった
うちで一番早起きの祖父が
起きて来なかったからだ
その日は一日中
「おはようございます」を
誰も口にしなかった
2. ....
ひとりごとを聴いている耳がある
あたらしい妻とあたらしい夫、
あたらしい家とあたらしい隣人たち
愚かで口うるさい奴らは死んだ
そして煩く吠える犬もいなくなった
穴の開いた靴下はもう履かない
寝苦しい夏の夜に鼾を聞くこと ....
お楽しみ会を楽しめないでいる
チョコ貰えない理由が苦い
今宵の半月は満月並な威力をしている
魂の座に脳天から入り込み 喉仏を通り
みぞおちと肋骨に絡み 股の下から足元に刺さる
シニスターが作動し始める
油じみたヒステリーなんてない
彼 ....
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず
もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る
一本であったら
孤独に揺 ....
どの道も
少し進んだところでたち消える
草原の三叉路
生い茂る草は風の方角に
倒れては起き上がる波
恋慕い
探し求めたものを見失い
(つまり触れ得た事のないものの喪失のあげく)
....
一人で乗った観覧車が止まった
1.
荒田電装の
スレートの屋根に
砂を
まきながら
夏の午後が
とおりすぎてゆく
猫背の遠浅が
満ちてゆくように
2.
大量に捕った
ショウリョウバ ....
東京湾岸の海がちょびっと見えるビルで
暮らしている一人でだ
最近ちょっと楽しいことは
このあたりのビルに
ウミネコが巣を作りだしたのさ
にゃーごにゃーご煩いぜ
隣のビルの管理人のおばちゃん ....
*
潮の香が
心地よくいざなう午後は
大抵の白い壁に
透明のバス停が浮き上がっていて
そこには潮流の到着時刻が
【珊瑚時】
【シオマネキ分】
【ゾエア秒】
海洋性の点字で記さ ....
コーヒーをひと口飲むと
下腹部に非常に強い便意が襲ってきた
そう言えば今日は朝方から
何となくお腹が妙な具合ではあった
この店では駅構内のトイレに行くしかない
けっこう遠いんですよこれが ....
日差しの強すぎる午後、私は貴方を想う。
道端に投影される光線に強い生命力を感じて。
貴方のその強靭な生への意志は、私の活力となり、
未来へと続く豊潤な果実を実らせる。
先人の放った言葉 ....
斬られるのが下手
太陽のしたり顔を避けて
君の水辺へ下って行きなさい
蜉蝣の翅のように影を透かしながら
夏の斧で頭を割られるその前に
美しく人目を避けながら
地下のカフェへ逃げ込みなさい
壁画を歩く蛇の ....
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