すべてのおすすめ
元旦の空は
いつも真っ白い
何故だろうと見上げていると
西の方から
青い鳥が群れを成してやって来て
ばたばたばたっ
と次々空に貼りついた
瞬く間に青空が出来上がった

鳥たちはかちか ....

家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた

赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった

舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れなが ....
八月が終わらなければいいと
願っていた

そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
おそうめんを食べていると
だんだん体が軽くなってゆくようだ
でも夏はあまり高く飛べない
空気がにごっているからだ

わたしはお座布団の上で正座したまま
少し浮いて
おそうめん ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた

さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
深夜の病棟の廊下を
患者を乗せたベッドが幾つも
音もなくしずかに漂流していく
あれらはみな
モルヒネを投与された患者なのだそうだ
おっこちたりしないように
きちんと縛り ....
※いちにちめ

朝起きたら
靴から花が咲いていた
綺麗な花ではなかったが
あんまり堂々と咲いていたので
迷った揚句に仕方なく
会社へは裸足で行くことにした

※ふつかめ

朝起き ....


好きと嫌いが
ギアの上で揺れていました
わたしはちょっと迷いましたが
結局どちらとも決められないまま
右手で好きも嫌いも
すっかり覆い隠して
細心の注意を払い
 ....
濁った沼のある寂れた町に
マリーという女が住んでいた
マリーの本名は誰も知らない
彼女は
夏の真夜中のような眼をした
中々の美人であったが
友達はいなかった
若者はみな都会 ....
石田 圭太さんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
元日に思ったこと- 吉田ぐん ...自由詩2108-1-5
こわいはなし- 吉田ぐん ...自由詩2507-9-1
えいえんの夏- 吉田ぐん ...自由詩2707-8-10
おそうめん- 吉田ぐん ...自由詩907-7-27
悩ましい朝- 吉田ぐん ...自由詩35+07-5-24
書店で働くということ- 吉田ぐん ...自由詩73*07-4-25
病院の海- 吉田ぐん ...自由詩1107-4-25
朝起きたら- 吉田ぐん ...自由詩2207-3-15
仕事の話- 吉田ぐん ...自由詩2507-3-11
喪服屋マリー- 吉田ぐん ...自由詩1707-2-25

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する