おそうめん
吉田ぐんじょう
おそうめんを食べていると
だんだん体が軽くなってゆくようだ
でも夏はあまり高く飛べない
空気がにごっているからだ
わたしはお座布団の上で正座したまま
少し浮いて
おそうめんをすすりながら深呼吸する
すると鼻から蝉が入り
のどで上手に羽化して
飛び立ってゆく
振り返ると
やはりおそうめんを食べていた君が
めんつゆがもうないよ
と言いながら
すこし透き通ってゆれていた
自由詩
おそうめん
Copyright
吉田ぐんじょう
2007-07-27 15:05:33
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