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ビールを飲んだ僕のからだは 
北国の暖炉みたいにほてっとあっだがぐなってくる。 
心臓がどくりどくりと高鳴ってくる。 
このボールペンを持つ手も、震えてくる。 

しゃんそんっていいなぁ・・ ....
震災から1年の3・11に復興を願い 
仙台で行われた朗読会の前 

主宰者の南ダイケンさんは 
「これ、心ばかりですが・・・」と言い
直筆で「謝礼」と書いた
白い封筒を、僕に手渡した。 
 ....
3月9日・19時51分 
新幹線の待合室のましろい空間 

いくつか穴の開いた空席に 
吸い寄せられるように、一人・・・二人と座る 

一人・・・二人と、すくっと立っては 
待合室を出て ....
私は今、遠い異国の空の下 
遥か昔に栄えた、廃墟の前に立っている 

まっ青な空に輝く太陽に照らされた 
誰ひとりいない古代の都市で 
幾百年の時を越えて吹く風に 
角の溶けた無数の柱の間 ....
夢に過ぎない明日の中へ 
ひかりの者として、入りなさい 

世の道に、躓く石のある時は 
低い目線で地にしゃがみ 
丸い掌でなでなさい 

やがて吹く不思議な風は 
人々の暗い心を吹き ....
半身麻痺のお婆さんの
両手を引いて後ろ向きで歩く 
介護青年だった、10年前の僕 

いつも面会中にさりげなくにこやかに 
見守っていた初老の娘さんと 
古都鎌倉の喫茶「扉」で 
偶然顔 ....
自らの意思に反して 
もう一人の私が 
何処か遠くへ歩いてゆき 
おーい、と呼んでも聞こえない 

永遠に列車の来ない 
線路の上を歩いていたら 
地に伸びる私の影が、口を開き 
耳傾 ....
目が覚めた、部屋の窓の風景は 
雨にすっかり洗われた 
まあたらしい世界 

一枚の葉は透けた滴をしたたらせ 
こちらに合図を送っている 

憂鬱な気分に頬杖ついて 
眠っている間に  ....
上野の美術館内で 
ガラスの内側に坐る法然上人は 
時を越えて歩いて来た 
旅人の私を待っていた 

少し猫背に身を屈め 
指のすき間から数珠を垂らし 

700年前に描かれた 
色 ....
金曜の休みに出かけた日 
終電に近い電車で帰ったら 
くたびれ果てたいくつもの寝顔が 
ネクタイを緩めて、右に左に傾いていた 

サラリーマンの皆様の顔を見て 
(これがほんとの疲労だろう ....
数日前にすっと切った 
指の傷口を
ほうっておいたら 
裂けた肉と肉の間を 
細い血の糸が縫っていた 

心の傷もきっと 
体の傷とおんなじで 
あれこれ{ルビ穿=ほじく}ってしまうよ ....
今夜も、仕事から帰った家で 
待っていてくれた嫁さんの 
台所で、とんとん
野菜を刻む音がする  

僕の安月給でやりくりする 
我家の食卓 
  
昨日炒めた野菜の残りでつくった
 ....
つよく握りしめていた 
拳を、そっと開いてみる 

この掌は、いつのまに 
透き通ったひかりの泉が湧いてくる 
不思議な器になっていた 
君がつくってくれた朝食の 
おかゆを食べ終え 
茶碗の運ばれた、広い食卓に 
何とはなしに手を置けば 

木目に残る余熱は 
一つのぬくもりのように 
指から皮膚へ 
皮膚から体内へ  ....
ある画家の内面を映し出した 
目の前のキャンバスには 
ふたりの男が描かれ 

荷車を曳く者と 
荷車に乗る者と 
ふたり共、哀しく頬がこけている 

その画家は 
「生」という題を ....
心に棘の刺さった時は 
真綿のように包んで 
黙って何処かへ流れゆく 
雲の旅人になろう 

あの空から地上を見れば 
大きな荷物を背負った人も 
小さい蟻に見えるだろう 

あの空 ....
朝の浜辺を散歩する 
夏休みの終わりに 
金髪の青年が2人、遊び疲れて 
またを開いてぐっすり寝ていた 

ある意味遊ぶということは 
若人の仕事でもあり 

大人と言われる{ルビ年齢 ....
世界を征服した、孤独な高い塔の上から 
広い地上を見下ろすより 
たった数人で集う、ひとつの場所を 
素朴な{ルビ日向=ひなた}でみたしたい 

「私は正しい人である」 
と胸を張るより  ....
自然の水はあふれんばかりに、今日も 
泉に湧き、滝から落ち、川を流れ 

{ルビ人間=ひと}の哀しみさえも 
自然に湧き出ずる水の如く 
美しい涙の{ルビ滴=しずく}は  
君の瞳から、 ....
出産後の妻とゆっくり過ごす為 
休みをもらった日の午後 
テレビをつけたら 
決選投票で選ばれた 
次期の首相が熱く語っていた 

「政治というのは、坂道を皆で押す雪ダルマ。 
 あいつ ....
夢の中に美人女優が現れたので 
ふら〜りと吸い寄せられていったら 
ぱっと姿が消えて、目が覚めた。  

隣には、妻が小さい{ルビ鼾=いびき}をかいていた。 

起き上がって、ソファに腰を ....
君の出棺に間に合わなかった僕が 
斎場に辿り着き、参列者がまばらに帰り出した頃 
最近遠ざかりかけていた2人の友が残っていて 
互いの潤んだ瞳を見たら 
互いの鎖が何故か、{ルビ解=ほど}けた ....
世間の冷たい風に押されて君は、目の前 
の扉を開いた銀河の世界へ、逝ってしま 
った。地上に遺された僕等は、舞台で{ルビ詩=うた} 
う君の輝きを心象のネガに灼きつけて、  
冷たい風に抗いな ....
猫はまことに、遊び上手である。 
部屋の隅に落ちていた、萎んだ風船さえも 
小突いて、追って、じゃれている 
僕も日常の些細なものを見つけて、遊びたい。 
布団に入った妻が 
すやすやと夢を見る頃 

すでに世を去った
妻の母さんの面影は 
安月給の{ルビ婿=むこ}を祝福しに 
何処か遠い国からやって来る 

机上の花瓶に咲く  
あふ ....
私の詩は、一つの庭。 
暖かい陽のふりそそぐ庭に根を張る 
草と木と花 

土の下に張り巡らされた 
地底の家へ 
今日の食物を運ぶ一匹の蟻の、愛しさよ。 

今・私の詩を読んでいるあ ....
あじさいの大きな葉っぱの上 
2匹のかたつむりは 
雨の中、風に揺れていました 

葉っぱから眺めるあじさいは 
小さいかたつむり達にとって 
巨きな巨きな花でした 

かたつむりの目 ....
夜道にぽつり 
焼鳥屋の赤提灯が、揺れて 
暗がりの地面に映る 
丸い灯りの場も、揺れて 

濁った世間の暗闇で 
この両肩にずっしり乗せられたものに 
膝のくず折れそうな、夜 

 ....
今朝のブレックファーストで 
身籠った妻は、{ルビ忙=せわ}しい{ルビ最中=さなか}に 
かしゅっと一つの卵を割って 
暖かいベーコンエッグを 
僕の部屋まで、運んでくれた 

Golde ....
昨夜も妻は寂しがり屋な夫の手を 
両手で包み 
その指の温もりはすでに 
この不器用な手をゆるしていた・・・ 

翌日、結婚してから初めて、傷心の街を歩いた。 
もうだいぶ昔の春に砕け散っ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゲーテさんと晩酌_- 服部 剛自由詩412-3-20
言葉のゆげ_- 服部 剛自由詩512-3-17
東京駅にて_- 服部 剛自由詩212-3-14
夢の都_- 服部 剛自由詩6*12-3-6
明日の夢_- 服部 剛自由詩1*12-2-15
喫茶「扉」にて_- 服部 剛自由詩812-2-14
もう一人の私_- 服部 剛自由詩8*12-2-11
雨上がり_- 服部 剛自由詩612-2-10
不思議な声ー法然と親鸞展にてー_- 服部 剛自由詩511-12-12
東京動物園_- 服部 剛自由詩411-12-10
自然治癒力_- 服部 剛自由詩211-12-10
残りもの家族_- 服部 剛自由詩1211-10-13
掌の器- 服部 剛自由詩611-10-11
手のひらの詩_- 服部 剛自由詩811-10-11
夕暮れの坂_- 服部 剛自由詩411-10-11
雲の旅人_- 服部 剛自由詩311-10-6
青春遠望_- 服部 剛自由詩711-9-16
天の声_- 服部 剛自由詩511-9-15
幸いの虹_- 服部 剛自由詩411-9-4
雪ダルマを、押す_- 服部 剛自由詩311-9-2
妻の寝顔_- 服部 剛自由詩511-8-11
はからい_- 服部 剛自由詩211-7-1
wonder_words_- 服部 剛自由詩311-7-1
遊心_- 服部 剛自由詩111-6-19
母の面影_- 服部 剛自由詩511-6-19
箱庭の詩_- 服部 剛自由詩411-6-17
梅雨の花見_- 服部 剛自由詩311-6-11
夜の赤提灯_- 服部 剛自由詩211-5-31
Golden_Egg_- 服部 剛自由詩311-5-7
銀の指輪_- 服部 剛自由詩211-4-20

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