光が
目蓋を開き
じっと
私は視られていた
世界に
回想されていた
電車
降りる駅の看板が動きだす
見る
睫毛の間に雨粒の影
晴れ
瓦屋根の隙間から雀がでてくる
気配
振りかえると自分の影
授業
突然教師がさしてくる
歩行
つ ....
春光に
匂う
息をつめ
畦道をゆく
(ただのいきもの
(ただのいきもの。ここでは。
匂う
緑、
汗、
夢が
....
あふれるようなやさしさが
あふれてしまったのでどうしていいかわからなくなった
今日も誰もいない浜辺で
自分自身などなくしているようだった
私は 立ちつくしていた
季節の中で 藍色だった
人の心をいつも歩いていく
....
自分自身であることが
いつも 意味などないのなら
私はどこかに逃げだしたい
だけど 立ちつくした 私は
きっと この思いも 私の手には持っていない
これは 夢のどこかなのだろうか ....
瞼を開ける行為さえ億劫な日々
輝かない陽射しは夕暮れ
死にたくなる
全てがこの指の隙間から流れてゆく
あらゆる事柄が退屈で
私の心を埋めるのは絶望と空虚
私に生きている意味を
....
チョコレート
は
みかた
蹂躙
は
てき
メンソールシガー
は
みかた
制限時間
は
てき
おとこのこ
は
みかた
おんなの人
は
てき
....
青空が昨日までの
薄汚れて黒ずんだ
自らの皮膚を脱ぎ捨てて
新しい明日を迎えようと
両手をパノラマの
端から端まで伸ばしている
春になると一斉に
その体全身を花で包み
....
幾重にも重ねられた
朝霞の様に
私は青く塗られた
何かが蠢くカンバスに
薄く薄く白を塗る
決して無理をしては
いけない
分厚く塗り込めば
いずれ割れ、剥がれ落ちる
薄く薄く白を塗 ....
{引用=
朝露が、透明に落ちて、
ガラス玉、
ふりそそぐ、すべてのことに、
驚かないで
あの高台にたたずんで、
きみが眺めていたものがなんだったか、
それをたしかめるため ....
水底に
うつしとった光の波紋
桜が散って
いま 夏が目覚める
私の想いは春と逝き
ただ水底に沈むばかり
{画像=110417051719.jpg}
足下の明かりを踏んでいる
私は歩いていた
その舗装された道では
所々に白い線が引かれ
アクセントとなって
景色が次々と切り替って ....
夕暮れるのに少しだけ
早い時の中を自転車で
漕いで回れば耳に届く
ピアノを練習する
くぐもった音色や
郵便配達のカブが
ダダ・ダダと駆ける音
引き戸をカタカタカタ
と閉める音
家に帰 ....
生け囲い、小さな
妻の花壇
春の花々は
勢いよく
そろいて
青空に、光満ち
そよ風に
テント揺らぐ
茶を呑むひと時
春はたけなわ
卯月、二人して
....
さいころを振って
一の目が出たら
一歩踏み出そう
どこかに残っている筈の
希望の欠片を探して
僕に見つけ出せるだろうか
それは分からないけど
いつまでもぼーっとして
手をこまねいて ....
かなしみを束ねたように咲く春と 曇天に鳴るあさましい胸
振り向けば 散りながら咲く優しさを 知っているから前しか見れない
雨が降ったら雨を憎め
....
優しくなんかしないよ
それは罪だから
桜は
背中を伸ばして咲くの
ふわりと
散るときも
涙なんか流さない
胸にいっぱいの
悲しみを秘めて
くるりくるり舞う
蝶々みたいに ....
....
煮干しなみにひからびたゴミ人生
今日もその場を生き抜く為だけの仕事
でも、好きで始めた仕事だから文句は言えない
ああ、それにしても
全ては絶望している
街も
鳥も
....
世界は今までも今も
同じように続いていて
遠くの国の悲劇には目を耳を塞いでいたかっただけ
手放せるものなど何ひとつ無い
ひたすら積み上げてきたものを一瞬で失っても
決して ....
『博士の愛した数式』
あれは良い邦画だった
黒ブチの淀川先生も天国で ....
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった
逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
化膿した傷口をさすり続けている 夕焼け、風のにおいがしている
奥まったところに隠しているような恋だったからいけないんでしょう
愛してる
愛していると
叫んでも
届かねぇのに
生きないと駄目?
....
首を絞めあって さきに死んだほうが勝ち というゲームをやって 恋人を殺しつづける夢をみて 窒息するなら深海がいいとおもった 部屋も 窓の外も煙も おまえの首も 真っ青だった 深海魚の眼球が退化せずに残 ....
君が眠っている頃に、僕は泣いてる。声を殺して。
ここはあたたかだから、心配はいらないよ。
ひとりだからわかるよ。ありがとう。だから夜は好きだ。
明日になったら平気だよ。もう大丈夫。きっと笑え ....
群青にどっぷり、ひたひたになるまで
冷やされて、ゼリー状になるまで
僕ら懲りずに傷つける
あきらめる 和解 そしてまた、
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