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ワールドアパート
酢酸
失われたハサミの片方のもう片方
イチローの背番号51のように
音も無く降る雨の形
ワールドアパート
共通しない扉で
耳を傾けるスパイス・ガール
俺の掌の ....
君が笑った
笑った口元から
白い歯がこぼれた
こぼれた歯は
たくさんの子どもになった
うまれた子どもたちは
道路を掃除した
掃除された道路は
きれいになった
子どもたちがその ....
スーパーのレジで
おつりのコインを数枚受け取ると
「わあ、お金が増えたね」
と娘は目を輝かせる

自動ドアから出るときも
「あのおばさん、きっと親切な人なんだよ」
ふわふわと歌う
 ....
夕暮れ
警察署の壁面が赤く染まる頃
帰宅途中の私はその前に来るといつも
自白する

通勤鞄の底のそこでは
見慣れぬ証拠物件が小さく笑っているが
立番の若い巡査はそ知らぬ顔で
手 ....
無駄口を叩いている君の側で
僕は電卓を叩いている
端数がうまく積み上がらない
けれど僕の電卓は旧式だから
いつも君の指を叩こうとしてしまう

時計は見たこともない時計回り
僕は長 ....
風が吹いていた
風のように母は声になった
声のように鳥は空を飛んで
鳥のように私は空腹だった
空腹のように
何も欲するつもりはなかったのに
母についていくつか
願い事をした

 ....
世界で一番悲しい人が笑った
花のようだった
花の名前と同じ速度で
列車は走った
良い陽が入るね
そう話す乗客たちの袖口は
等しく汚れていた
窓の外にはいつも窓の外がある
という ....
スパイスきょうじゅ
スパイクはいた
スパイクはいて
スパイスのんだ
いちめん ひろがる 
じゃがいもばたけ
おくさんうめたの
だれでしょう

*

あさ うたたねをしていたら ....
白線の内側におさがりください
融けかかった身体が通過して行きます
主成分は耳とし耳けるもの
声のいくつか
危険ではありませんが
触れると昔を思い出して
いささかに寂しい
窓とし窓 ....
何故降り積もったのか
僕らを組成する因子は
間違えることなく
ある日僕らを僕らにした

悲しみは毎日のように語られけれど
掌には幾ばくかの幸せが残されている
まだ誰も本当の悲しみ ....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
リモネン、セプテンバー
君の名で良かった
繋がり
繋がろうとする
僕らの身体は
いつも酸っぱくて
どこかが潔く
欠落している

育った街で
僕らに罪は無い
同じくらい
 ....
船をまたぐ
昨日より長くなった分だけ
自分の脚に目盛を入れる

円盤のような声で
おしゃべりをする少女たち
そのフードの中には
いくつもの星が散らばっていて
誰も知らない星 ....
気付かなかった
キリンの傷に
裏の木々より背が高くなったのは
誰の所為でもないのに
金属のものを身体につけられて
何かの記念のような姿で立っている
沈みかかる夕日を見て
人は美味しそ ....
鬼のいない鬼ごっこを
弟と久しぶりにした
記憶の中ではまだ
幼いはずだった足音が
いつの間にか大きくなっていて
少し誇らしげだった
何も追いかける必要など無かったのに
大勢の人の ....
玄関に立っていたのは畳だった
今日は暑いですね
そう言うわりには
畳なので汗ひとつかいてなかった

畳は座敷に上がりこむと座し
良い畳ですね、と手で撫でている
それからいくつかの世間話を ....
昨晩まで裏庭で死んでいた父が
今朝は生き返って
何かの冗談のように
冗談を言いながら食事をしている

自分の胸に手を置けば
小さな鼓動が伝わってくる
それは生きていることの証なのに
多 ....
午前、町の本会議場では
一般質問に立った初老の議員が
延々と演説をしていた
議員も当局側も
数名が舟を漕ぎ始めている
誰が忘れていったのだろうか
傍聴人席には一冊の事典
その立派な装 ....
角の先から尻尾の先まで
数えている間
よだれでベトベトの浴槽に
肩までつかっていると
今日の牛の冷たさが伝わってくる
それはほんの少し痛くて
やはり懐かしい
牛はただこちらを
 ....
野を渡る風が表皮をなぞると
確かに私たちからは
生きているものの匂いがする

ひれ状に並ぶ背中の突起物にさえも
既に意味は付与されているのだ

と、唐突に閃光が走り
どこか、と ....
手荷物、は戦いだった
毎夜欠かすことなく
網棚はやって来て
月はまるごと列車でよかった
主翼があれば飛行機でよかった
ぼくは懐疑的な目
愛についてを語る

農家の野菜売りのおばさん ....
話に尾ひれがついて
泳ぎだす速度で
泳ぎだす
身体にあたると少し痛く
自分の血はまだ赤い

眠たい目を擦りながら
恋人のだらしない口元にキスして
唇から溢れたものは
唇に戻る ....
中村が集団となって土ぼこりをあげながら
ひなびた宿場町を走る
中村が健脚だとは聞いていたが
この地で生まれ育った番頭ですら
中村がどこに行こうとしているのか知らない
おい、とうろく、 ....
部屋に突然インドがやって来て
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かっては ....
夜の更ける頃
君の身体から
今までに聞いたことの無いような
音が聞こえてきた
安らかに君は君の中で
溺れているのかもしれなかった

+

縄跳びの回数を
数え間違えて
少女はずっ ....
太った男の人が
日向で陽の光を浴びて
まだ少しずつ
太っている
やがて坂道経由の犬がやって来て
すべてを食べてしまった

+

お座り、が得意な子でした
お手、もしたし
 ....
焼き鳥が
香ばしい匂いを振りまきながら
暁の空を行く
カルシウムでできた複雑な骨を失い
たった一本の竹串を骨にすることで
初めて得た飛行を
力の限り大切にしながら
もうコケコッコ ....
好きなものを頼みなさい
メニューを渡すと
娘はしばらくうつむいて
星が見たいと言う
隣のテーブルにバスがいたので
手を繋ぎ乗る
ひとつ前の停留所で
サーカスを見るために
大半の客は ....
よく晴れた日
ハンガーに吊るして
自分を干してみる
きっと人はこのように
優しく干からびていくのだろう
水分も記憶も失いながら
+

鏡に向かって
笑う
そんな嘘
ばかり ....
尖った粘土に
刺さった虫
のように
息だけ
している
息しか
できない

+

明方
キリンの群れが横断歩道を
渡っていく
あれは首長竜の一種だ
と弟に教える
弟は悲しそ ....
望月 ゆきさんのたもつさんおすすめリスト(416)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ワールドアパート- たもつ自由詩10*06-3-2
笑う- たもつ自由詩806-2-28
おつり- たもつ自由詩54+06-2-26
- たもつ自由詩606-2-24
旧式- たもつ自由詩706-2-22
風のように- たもつ自由詩1006-2-14
春の裁ちかた- たもつ自由詩1406-2-5
ファザー・グース(2)- たもつ自由詩11*06-1-31
わわく_ろらん- たもつ自由詩15*06-1-25
雪眠る- たもつ自由詩706-1-15
初詣- たもつ自由詩5206-1-2
リモネン、セプテンバー- たもつ自由詩11*05-12-31
冬の円盤- たもつ自由詩1305-12-29
- たもつ自由詩305-12-23
- たもつ自由詩1105-12-19
世間話- たもつ自由詩705-12-10
蘇生- たもつ自由詩1105-12-4
架空少女事典- たもつ自由詩805-12-2
- たもつ自由詩605-11-24
幻獣- たもつ自由詩1205-11-20
手荷物- たもつ自由詩705-11-7
- たもつ自由詩1405-11-2
とうろく- たもつ自由詩1205-11-1
小詩集「書置き」(九十一〜一〇〇)- たもつ自由詩29*05-10-31
小詩集「書置き」(八十一〜九十)- たもつ自由詩2105-10-23
小詩集「書置き」(七十一〜八十)- たもつ自由詩1605-10-18
小詩集「書置き」(六十一〜七十)- たもつ自由詩1305-10-13
小詩集「書置き」(四十一〜五十)- たもつ自由詩12*05-10-8
小詩集「書置き」(三十一〜四十)- たもつ自由詩1705-10-6
小詩集「書置き」(二十一〜三十)- たもつ自由詩1805-10-4

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