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車内はひんやり寒い
乗客はみな一様にうつむき
僕の呼吸だけがまた
不細工な格好で繰り返される

耳元で川が流れている
昔、綺麗な魚に見とれて
手袋の片方を落とした
それは確かにあっ ....
扉しかない部屋で
君は朝焼けを食べている
朝焼けを食べ終わっても
朝焼けはなくならない
俺が隣で朝焼けを描いているから
なくならない朝焼けを食べ続け
そして君はまた扉を排泄する ....
人さらいは人をさらったことがない
これからもさらう予定がない
けれど人さらいは人さらい
それは何の比喩でもなく
人さらいが人さらいであるということだ
何故人さらいは人さらいなのか
生まれた ....
テーブルの上ではコンニャクが
ぷるんぷるんとダンスをしている
花束は戸籍を失効してしまった
僕のポケットには扉が無い
行きつけの店で転んだまま
起き上がれない児童相談員は綺麗な歯肉
 ....
眼、鼻、耳、口、毛穴
すべての穴に私たちは窓を取り付け続けた
窓に明りが灯ると私たちはそれを街と呼んだ
街が体中に繁茂していく傍ら
明りの消えていく窓がある
その浮力により
私たち ....
徴兵された兵士のように
寒い目をしてあなたは通路を行く
改札を抜け再び階段を降り
あなたの目が地下鉄に乗る
と、私の目だけが置き去りにされる
壁にはたくさんの色あせたポスター
その ....
心臓の近くでセミの声がしている
冷蔵庫を開けると
大きめのロブスターが、ヤー、ヤー、と
おもちゃの銃を振り回しているのが見える
いつだって無邪気な者には罪が無い

野菜室からよく冷えた ....
トーク。暁から暁までしゃべり続ける、トーク。
トーク。君とトーク。
知っていることをトーク。
知らないことをトーク。
トーク。いつまでもトーク。

人の顔を覚えるのが苦手な僕は
君が誰か ....
計算機を裏返し
ドライバーでひとつひとつ
ネジをはずす
基盤が剥き出しになる
入りくんだところで
ラーメン屋は既に営業している
のれんをくぐる
いらっしゃい、とだけ言って
寡黙 ....
またね
春風から一番遠いところで
皆でそうつぶやいたら
誰かの下唇に
名前の知らない花が咲いた
なあ、せっかくだからさ
もうしばらく
楽しいおしゃべりをしよう
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
馬鹿ターボ
全開で帰宅する俺
髭をたくわえ少しワイルドな俺に
おかえり、を言う娘は少しワイルドな俺に少し慣れ
一番星が出始めた空の下で縄跳びの練習中
綺麗でしょ、綺麗でしょ
いや、 ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
牛乳の入ったマグカップ
右手にあるその重さとその軽さ
トースト
トマト
スクランブルエッグ
生きるということの重さは
生きるということの軽さ
そこまで考えるといつも
ねずみがえしの ....
娘が補助輪無しで
自転車に乗ることが出来るようになった
それは昨日のこと

最近左手がきかぬと
父がペットボトルの蓋を人に開けさせた
それは今朝のこと

僕は時のパズルと戯れながら ....
マンホールの蓋を開けると
ハローページは既にそこまで
ぎっしりと積み上がっていて
でかくて、飲み込めね、でかくて、飲み込めね
ごきゅごきゅ喉をいわせ
頑張っている船長の隣で
僕はタウン ....
今朝、あつ子は眼鏡だった
俺はあつ子をかけて新聞を読んだ
悲しい記事をであつ子は泣き
楽しい記事をであつ子は笑う
俺のあつ子、眼鏡は泣きも笑いもしないのだよ
そう言うとあつ子は黙って ....
心臓は崖へとつながっている
推定二百メートル
くらいでしょうか
そこから下を覗きこむのも可ですが
寧ろ僕は
ヤッホー
の魅力にとりつかれいつまでも
ヤッホー
ヤッホー
と繰り ....
下駄箱の中
君はいったいどれくらいの間
神と呼ぶものに祈っていたというの
十七歳だったころの
愛されていた少年よ
牛皮の匂いがする両手で
夕日のたまごを包み込んで
すべての葉を散らした体内で
葉たちはもう
おしゃべりをしているころだ
夜中、目がさめて階下に降りると
君が僕を積み上げていた

たどたどしい手つきで慎重に積み上げ
途中で崩れると
ふうとため息をついてまたやり直す
時々どこか気に入らないようで
何か ....
料理を注文する君の声が
空気の振動のような透明さで店内に響く
放っておくと月明かりしか入ってきませんから
と、ウェイターがカーテンを閉めていく
中央のテーブルでは座高の高い男が
大声でメ ....
庭の木にセミの抜け殻があった
手にとって握りつぶすと
ぬちゃ
それはセミの抜け殻ではなく
抜け殻のようなセミ
もて余した僕はこっそり
ぬか床に隠してしまった
夕食の時
今日のぬ ....
おおきい かあさん おおきいな

ちいさい とうさん ちいさいな

ひるね ひるね らいおん ひるね

おしろのてっぺん こうじちゅう


+


さとうと えんぴつ けんかし ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
あなたが徐々にしなり
あなたの腕がしなやかに湾曲し始め
それが良いことであり
あるかのようにあなたの腕の湾曲を
私のここから私は俯瞰する

キトキト、糸の車
からまりほつれ
て ....
〔3月の風〕
風上に向い口を開ける
口の中を短い鼓動で回流する風は
粘膜を乾かすことをやめようとしない

〔幼少の頃、〕
「この子は他の子より唾液が多いみたいで」
母は決まっ ....
交差点で白いす・うどんに呪いをかけている
たくさんのうどん屋の店主
ただひたすらに紙を排出する事務機器の前
笑いすぎて釣り合いがとれなくなった僕の右と左側は
吸い込まれていく 具の ....
薄透明の液体の中で僕の体積が膨張する
と PMとAMは分解され
いつか見たことのある景色へと再生が始まる
沈殿していく毛髪という毛髪 関節という関節
は祭の夜のような雄叫びをあげるが
 ....
空の高いところからするすると
吊革が降りてきたので
僕はそれにつかまる
今日はとても飛びたい気持ちなのに
これじゃ何だかわからない話だ

ほうっとしてると
たくさん食べられてきた ....
望月 ゆきさんのたもつさんおすすめリスト(416)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
車内- たもつ自由詩1005-4-6
- たもつ自由詩1305-4-3
人さらい- たもつ自由詩1805-3-30
優しい仕事- たもつ自由詩805-3-30
- たもつ自由詩1105-3-29
失踪- たもつ自由詩1505-3-26
減速- たもつ自由詩1305-3-24
トーク。- たもつ自由詩1105-3-22
後悔- たもつ自由詩1005-3-16
春だから全員集合- たもつ自由詩12*05-3-13
梅干- たもつ自由詩32*05-3-9
団欒- たもつ自由詩2505-3-1
サイレン- たもつ自由詩3605-2-16
朝食- たもつ自由詩405-2-15
毎日- たもつ自由詩1805-2-5
船旅のアゲハ- たもつ自由詩8*05-2-3
明朝- たもつ自由詩1205-1-25
転落- たもつ自由詩1005-1-19
たまご- たもつ自由詩905-1-17
若葉の言葉- たもつ自由詩1005-1-14
身辺雑記より(七)- たもつ自由詩2205-1-4
身辺雑記より(六)- たもつ自由詩1004-12-29
ぬけがら- たもつ自由詩1704-12-21
ファザー・グース- たもつ自由詩15+*04-12-20
十階の家族- たもつ自由詩100+04-12-11
湾曲- たもつ自由詩1004-12-9
風だった- たもつ自由詩1804-12-6
す・うどん- たもつ自由詩9*04-11-27
ヘアー・トニック- たもつ自由詩504-11-24
フラスコ- たもつ自由詩804-11-22

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