たもつ



角の先から尻尾の先まで
数えている間
よだれでベトベトの浴槽に
肩までつかっていると
今日の牛の冷たさが伝わってくる
それはほんの少し痛くて
やはり懐かしい
牛はただこちらを
じっと見つめるばかりだけど
見つめているのは
僕の方なのかもしれない
ドアの向こうから産声が聞こえて
また新しい
牛が始まっている




自由詩Copyright たもつ 2005-11-24 22:21:57
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