架空少女事典
たもつ


午前、町の本会議場では
一般質問に立った初老の議員が
延々と演説をしていた
議員も当局側も
数名が舟を漕ぎ始めている
誰が忘れていったのだろうか
傍聴人席には一冊の事典
その立派な装丁に頁を捲ることもできず
初夏の風は
またどこかへと去っていく




自由詩 架空少女事典 Copyright たもつ 2005-12-02 15:02:56
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