らくだ
らくだ
月夜のらくだ
らくだの黒目は何を見る
地平線の果てまでも
星明かりのみ
らくだ
らくだ
月夜のらくだ
かなしみもよろこびも
おまえには見えるのかい
君が他の誰かを好きになれば
食事は喉を通らず 眠ることもできない
それで死ねる
きっと 死ぬことができる
汗ばんだ背中をなでてみたら、
あなたの目の中のあたしが鳴いた。
(それは寒い冬のような気さえしたけど)
あなたのレディー・ゴディバになろうとしたら
きっと君には似合わないといって
....
不器用に生きていて 素直に生きていて
あなたの気持ち そのままで
音楽をしたければ おやりなさい
演劇をしたければ おやりなさい
うまく生きようとしないで 生活に ....
僕の涙がいつか
暗闇を突き抜けて
光へと届いたなら
未来が顔を出す
君の涙がいつか
深海へたどり着き
宝石に変わったなら
それは過去になる
こんなにも悲しい世界 ....
真っ黒くて大きな影。
じっとこっちを見ている。
零れる涙。
君の瞳が濡れていく。
広いくさはらの真ん中で、
幼い影は二人ぼっち。
木々が擦れるざわめきが、
獣の呻き声に聞こえてきて、
....
冷やし中華が
静かに終わった奥の方
特別なこともなく
人をまたぎ
人にまたがれ
狭い柄模様のシャツが
時々きれいだと感じられた
入口の貼紙には
かつての文字のようなものが書かれ
それ ....
ぼくはいぬ
といってもはしれない
ぬいぐるみのいぬ
ママもパパもいない
このへやに きづいたらいた
ぼくをだきしめて ほおずりしてくれる
あのこが おおきくなってからも ....
ぶらつく歩暮す
ぶらつく僕‘s
自販機のなかみは きいてはいけない
ぶらつく歩暮す
ぶらつく僕‘s
つつくブラス僕に 今夜はあらわれない
不ラックに 無辣く黙す
ぶら ....
甘ったるい芳香
胸を食い破る愛撫に近い
洋ナシの
妄想の
うつつを運ぶ
くるくる惑う
棺も限りも知らず
子供と大人と獣
一緒に囲い
此の世の縮図
悲嘆の狂った咆哮が
擦り ....
さようならに染まる夜の向こうに君はいて
こっちとあっちでチクタク秒針
多分 君はもう寝てる
その頃 私は浴室で現在未来を考える
今日生きていた 明日も生きていたいって
シャワーの中で ....
継母の喫煙
見つめている
あたしの喫煙越しに
扇風機の
あおい羽根越しに
りんごの木
ふしぎな果実
かしっ、かしっ、
あたしたちはさ迷う
....
走ってきたんだね
わたしに会いたくて
走ってきたんだね
夕ご飯いっしょに食べようって
あの日のように
ほほえみながら
あなたは
瞳を輝かせて
ぼくのこころに
語りかける
そ ....
目を閉じて願うものは
まぶたの裏側で
こぼれ去ってしまうから
君に触れて
言葉にして
後悔と一緒だとしても
確かに刻んでおきたいんだ
さざ波のように
押し寄せる気持ちの前で
....
いつか、必ず土に帰る
その事を、どれだけの人が分かっているのだろう
かんらん石を積む夢と
黒砂が舞い踊る夢を
秒針が殺したので
小指にてそれを折りました
ざあざあと鳴る
雨の音の降りしきる
信じ
終わり
嫌疑は流れず
淀み腐り異臭を奏で
雨の音 ....
終業式
植木蜂、教科書、道具箱
水着、上履き、ピアニカ 夏休みの宿題、
給食エプロン、ランドセル、
悪魔の通知表
あふれる荷物
ながれる汗
戦がはじまるチビ兵隊
....
光がきれいだといいますが
朝日が夕日がきれいだといいますが
太陽で人は死ぬんだと思うわ
....
二人が出会ってから
いくつもの電車が通り過ぎた
始発の準備をするあなたが
終電の窓の向こう側に見える
わたしはあなたに
ありがとう
と言った
次の瞬間にはもう
始発に乗っている ....
祭の金魚すくいで義理でもらった
間に合わせの小さな薄いビニール袋に
入れられた時から
すでに水がこぼれていた
それでもそこから漏れてくる水を
押さえながら
そろりそろりと家に持ち帰る
....
高い空から照りつける
強い陽射しがじりじりと
焦がれた土は風の手に
夏の匂いと蜃気楼
細い川から流れ出す
静かな音でさらさらと
潤う水は風の手に
夏の匂いと糸トンボ
小さな店に ....
病院の 向いに 図書館がある
受診日は そこによるのが楽しみなの
でも今日はちょっと 違ってた
サンテグジュペリ、サンテグジュペリ・・・
探しているうちに くらりくらり
ふ ....
弟が、
はじめて天体望遠鏡を買った夜のことは、
今も忘れない。
失われた母星を見ようと、
みんなでベランダに集まって、
家族で覗き合った。
結局、
あたし ....
暖かい
花の色さえ
悲しくて
見上げれば
雲ひとつない
青空で
それでも
晴れない
この心
形無いもの
多すぎて
いつしか
あなたを諦め ....
夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった
葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく
川のせせらぎの音も
....
夏の朝
白いテラスで
ラジオが唸ってる
はるか頭上の風は
あまり動いてない
雲も眠ってる
テーブルクロスも
キッチンから
また君がドーナツを揚げる音と匂い
揚げたては好きだけ ....
夜が放つ神聖さを模倣しただけの
薄っぺらな言葉に、
どうしてこんなにも
心を掻き乱されて、しまうのだろう
持て余している
誰かの足になりたい思い、と
震えてそっぽを向く頑な ....
俺の流した涙が
川になって
海に流れ
日に照らされ
空に昇って
大雨を降らしている
申し訳ない
多大な迷惑をかけている
この場を借りて
お詫び申し上げま ....
つきを
見上げるための、その装置を
湖底にそっと、
眠らせて
ノスタルジアが、いま、
宝石に
なる、
王冠は
燃え盛ろうとする、あの
いつわりの技巧
....
ほたるがりしたら
おりひめとひこぼしをつかまえちゃった
うちではかえません
とママの怖い顔
しかたがないから
どうぶつえんにあげた
来園者数はうなぎのぼりで
....
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