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山の麓、谷間の果てる所に家はあり
冬場はいつも風花が舞っていた

ストーブは子供の役目で
おっかなびっくり薪を割り
煙にむせびながら火を起こし湯を沸かした

町までは午前と午後に1本ずつ ....
 
 
一人行くと 決めていた

闇夜に去ると 決めていた

頭上の月は 虚しくも

一人の影を 映し出す

あの日二人で 見上げてた

優しい光の ままの月

今の僕には それさえも
 ....
 
 
みかんをむいて父に食べさせると
ぼくはみかんではないのに
お礼を言われた

咳をするしぐさが
父とぼくは良く似ていた
植物に無関心なところも
石鹸で洗う指先の先端の形も
他 ....
モザイク

ボクと君のたった一つの出逢い
甘いものが好きなボクと苦いものが好きな君の
小さな大喧嘩

都会の真ん中の小さな看板の喫茶店の店主は
甘苦いマンゴージュースを僕らの間に差し ....
色々がもうどうでもいいの
哀しみのレバニラ
わたしの選択は間違っていた
わたしの選択が間違っていた
お台所で腐臭に咽び
ごめんなさいを唱えてる
明日の朝餉も残りもの
疲れたま ....
天井の電球をひねるために相応しい
高さにまで積まれた
人一人の半生の記録集から
無雑作に選んだ一冊を
うすい指腹で繰ってゆく
健康な子どもに絵本を読み聞かす
古めかしい速度で


い ....
詩 篇



                                ああ 
                                

                 ....
東口改札から
身を投げた二人は
人知れず裏通りを流されて
ライオン像の視界を
斜めに掠めつつ
川底の止り木に引っかかった

三丁目交差点に
打ち上げられた二人は
これ見よがしにじ ....
何処までも真っ直ぐな道を僕はやってきた
太陽光線がディラックの海を撫ぜる
学術研究都市へ続く道と
凪の無い海に至る道
面倒な事は物理学に丸投げして
cobraのshiftを噛ませて ....
{引用=

願いながら、息つぎあがっていく

街をみおろす丘がある

樫の木は、そそり立つそこで、
長いときを枝にのばしながら
すこしもためらいをみせぬ
自然とよぶ惰性などでない意志 ....
僕はいつも僕を超えられない

果てしなく続く日々
立ち止まる時間もないのに

歩きだすことも
戸惑ってる

僕はどこへ行けばいい?
行き先もわからぬまま
また朝が来る

太陽が ....
空は遥か遠くまで透き通って
あの日よりもずっと現実的です
立ち並ぶ家や 生い茂る緑が
白い光を乱反射しています
眩しいけれど
それでも空を見上げたままでいます
あすこにいる野良猫も ....
 
僕が見上げた あの日の空は

とても綺麗に 輝いていて

こんな僕にも 微笑んでいた



僕も自由を 手に入れたいと

空を飛んでた 僕の翼は

醜く光り その空汚す
 ....
空の青さを集めれば
胸に芽吹いた
白が
私の体をいつか覆い
そのまま溶けてしまうのかしら

ゆっくりとしたリズムは
体の奥から
絶えず聞こえている
耳を澄まして
目を閉じて
身を ....
学生の頃 日本はバブルの全盛で
就職できないなんて考えもしなかったよ
授業も出ないでバイトして、飛行機チケットを買ったのさ
バックパックかついで、足の向くまま気の向くままに
羽の扇ふりながら、 ....
 
 
こびとの ふねが
ちいさな おおきな ふねが
たそがれの
うみへ きえてゆく

いま みたばかりの
まど まど まどが
そこからみえた
ゆうやけの
ひとつ ひとつでも
 ....
ここにいれば安全なのです
ここを出なくても 生きていける
そう、それならば…

違うのです
知っているのですから、外界の情報は、
過多になりすぎるほどに 手に余るほどに
だったら ....
何だったの
さっきまでの手続き
色を合わせたワインカクテル
タクシーで装ったクール

暗闇に4つの光
互いのタクラミに
目を見張る
始まろうとする儀式に飾りはない

 ....
私がモーリタニアでタコだった頃
あなたは宇宙船の乗組員だったので
私の姿に驚かず毎日キスしてくれたよね
私は画家を目指してたけど
人類の壁の前に泣いてばかりで
そんな私の手だか足だかを
あ ....
慰めの言葉をかき集めるつもりの帰省で
何のことはない
旧い友人たちを精一杯なぐさめる酒を飲んだ
思えば卒業をきっかけに
故郷を彼らに押し付けて
都会へ来た俺はまだ幸せものだったのかもしれない ....
朝露の滴る草むらに横たわり
私の身体はがらんどうなのに
脈を打っていた
温もりもわからず

コロンカラン コロンカラン

流した涙は
冷たい石のような音を立てて
深い井戸に落ちた
 ....
置き去りにされた
残骸の片方だけ残る後輪に
硬質ゴムの黒いよごれは、
動くことのない平衡を失ったもうひとつを捜してた
均等に働く両足の仕事のようにもとめあう
互いを見ることもなく、罵り合 ....
夕暮れ

みんな家路に帰ろうと
一人ぐずぐず
オニのまま
悔しいままで
夕日を睨み

そのまま暮れて薄暗く
ぽつりぽつりと街灯が
道をぼんやり照らす頃
オニも泣き顔拭かぬまま
 ....
 
 
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる

その帰 ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。


わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
夏の夜が好きだ

蜂蜜色の月が
ぼんやりと闇色の綿菓子に浮かぶ

制服に入り込む夜風は
チョコとバニラの匂いがする

ねっとりと絡みついて
わたしの皮膚に吹きかけた
甘いフルーツの ....
私の足元を見てください。

貴方がくれた、ガラスの靴です。

綺麗ですか?どうですか?

あのとき貴方は、私にひとときの魔法を、かけてくれました。

そのおかげで

私は今の主人と ....
この坂道の途中に
大きな金木犀の木があります
毎年秋になれば
そのやさしい香りに足を止め
この木を植えた人を思います

開け放された窓からは
ピアノの悲しげな音が響きます
赤茶けた壁に ....
橘祐介さんの自由詩おすすめリスト(148)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風花- 西天 龍自由詩11*10-3-27
‐月‐- ‐弘‐自由詩510-3-2
空の切れ端- たもつ自由詩1010-2-11
モザイク- もこもこ ...自由詩3*10-2-5
レバニラ- 鎖骨自由詩509-10-4
「わたし」の日記- かいぶつ自由詩9+09-10-4
詩_篇_の_た_め_の_試_論- るか自由詩509-10-3
新宿追分恋之道行- nonya自由詩7*09-10-3
太陽- 透明な魚自由詩209-10-3
October_hill/神無月- 月乃助自由詩6*09-10-3
孤独な踊り- ヒロシ自由詩109-10-3
Infinity- 小林 柳自由詩3*09-10-3
‐空‐- ‐弘‐自由詩409-10-2
青い空- ミツバチ自由詩5*09-10-2
ごめん- リーフレ ...自由詩4*09-10-2
浮舟- 小川 葉自由詩4*09-10-2
well/井戸- 月乃助自由詩7*09-10-2
クールを通すなら- snowworks自由詩109-10-2
モーリタニアでタコだった頃- テシノ自由詩5*09-10-1
帰省- 西天 龍自由詩10*09-9-30
Eve- within自由詩19*09-9-27
「秋のわかれる」- 月乃助自由詩5*09-9-27
土曜の夕暮れ- ……とあ ...自由詩11*09-9-26
ブランコ- たもつ自由詩3509-9-26
うずく、まる。- 夏嶋 真 ...自由詩4909-9-17
夜甘帰宅- 愛心自由詩10*09-8-28
シンデレラと、魔法使い。- 愛心自由詩7*07-7-25
金木犀- 未有花自由詩25*06-9-3

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