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ギザギザの
気温の折れ線グラフの
端がほつれて
光の縦糸が
眠たそうな家並に
垂れ下がる
カチカチに
凝り固まった表情筋の
端がほつれて
微笑の横糸が
路地裏の野良猫を
追い ....
ゾロリ
色のない
貧血の頬を
滑るカミソリ
ピリリ
痛みのような
微弱電流
プクリ
鼻の左下
盛り上がる
赤い液体
チッ!
煩わしいだけの
日常茶飯
ゾ ....
「明日の情」
優しく蛇行して
適度に濁って
こそばゆく岸を撫でながら
僕の根底を流れる
情の小川は
ときおり
なす術もない豪雨に
のたうち回って
....
いくつめかの丘の上で
目から流れ落ちる汗を拭った
いったい誰のための汗なのか
そんなもので救われようと思ってる
自分がちゃんちゃら可笑しいよ
勾配の緩やかな所を
選んで登ってきたは ....
しっかりと背筋の伸びた
背中を想い出す
負けず嫌いで前のめりな
背中を想い出す
スーツの ジャンパーの
似合わないポロシャツの
背中を想い出す
ブレない 振り向かない
....
るん
光が
さえずってる
北風に耐える
常緑樹の
尖った指先の上で
るん
光が
うわずってる
北風を壊す
自転車の
忙しないスポークの間で
るん
....
青空に顔を向けて
無邪気に咲いた早朝
陽射しが眩しすぎて
不甲斐なく萎んだ午後
無力を思い知って
力なく項垂れた黄昏
もう夢なんか見ないと
突っ伏して泣いた真夜中
花が落ち ....
吹きすさぶ風に
みがかれて
凍てつく水に
すすがれて
透き通ってしまった
哀しみは真冬の
背骨に宿った
遠ざかる空に
みはなされて
優しすぎる光は
とどかなくて
行先すら ....
草食系だと
もてはやされたり
馬鹿にされたり
その度に
膨らんで青空を目指したり
萎んで地面に貼りついたり
そんな僕は
サヨナラも言わずに
強制終了された恋を
いつまでも ....
年の瀬戸際につかまって
泡立つ街を浮遊する
地が足につかないような
こんな感じもいいかもね
とりあえず全部棚上げにして
ニュートラルコーナーへ
今なら許してあげるから
本当のこと ....
見上げられたり
ボールをぶつけられたり
喚き散らされたり
夕陽をむりやり飲み込んだり
よりかかられたり
素敵な落書きをされたり
蹴っ飛ばされたり
三日月に添い寝してみたり
....
東口改札から
身を投げた二人は
人知れず裏通りを流されて
ライオン像の視界を
斜めに掠めつつ
川底の止り木に引っかかった
三丁目交差点に
打ち上げられた二人は
これ見よがしにじ ....