夏の夜に雪をふらせて
ねこの言葉を聞き分けて
なにものからもわたしを守るバリアをはる


よごれた世界は電気みたいに
わたしのまわりを取り囲むけれど
わたしを闇に隠してくれた夜が ....
海に刺されたその日
雲は裏切り
風は行き過ぎた

生意気な
月が笑うた次の日
一緒になって笑う
星達が


  いい加減
  頭にきたので
  砂を
  生贄とした


 ....
名前を持つものから離れ
河口に立ち並ぶ
数億年の牙を見つめる
雨の光 灯の光
また 雨の光


早い時計
地平線
昼の雷
流れつく音
どこか欠けて


 ....
 
 
水鉢で
金魚が泳いでる
赤いから
女だと思ってる
女はなぜ赤いのか
知るすべもなく
あなたは宇宙に浮かぶ
水鉢で泳いでる
地球はなぜ青いのか
知るすべもなく
 
 
舞い散る花びら地に堕ちて

黒く消え行く定めなれば


次世もまた闇から闇…

あなたがいなければ



あやまらないでくださいな

わたしに光をくれた人
 ....
目覚めのひと呼吸が
かなしかった日は
ふい、と
砂漠に連れて行かれるようだ


そこは盛り上がった砂地/育ちかけたトマト/の/墓標が整列/黄色い花が手向けられている/生ぬるい南風が/背中/ ....
た行とな行のあいだには
明らかに海溝があり、
そこにわざと忘れてきたものなんてのも
あったかもしれない

海だ、食い散らかす、う み

ひらがなは大概、星で、
わたしはそのあいだに目を ....
プラスチック
展示ケースの中の身体

柔らかに保存された眼球に
尊いという意味の
生きる日が見えるようで

僕らはただ

神様を思い出した


しなやかに

細胞は明日へと ....
                 090514

良くない
欲が無いから
良くならない

良くない
良くない烏が
良くない男を囓る
囓るのは狸の癖
良くない狸が良くない烏を囓る
 ....
海のこどう
陽のゆらめき
浮かんでは帰っていく泡
ゆりかごのリズム
火山のオルガスム
海がめはひとり見知らぬ故郷にもぐる
海のこどう
胎内と殻を結ぶ絆
優しさの渦が孤独を呼びこんで閉じられた世界をつく ....
川面に漂う
名残の桜の
花びらめがけて
一粒の雨の旅は
小さな
波紋を残して
終わる

旅が終わるとき
一粒の雨は
何を見たのか
何も言わなかった
ただ 最後の光景は
波紋の ....
窓に映る窓 沈む窓
手首から土
幾度もひらく
白く小さな花火のはじまり


光なく光ある
言葉の淵の舞をすぎ
針を静かにつつむ手のひら


大きな銀の鳥
唱と踊 ....
あのロックシンガーが死んだと聞いた日
街は泣いた

たかが1人のロックシンガーの死で
時代は終わる
終わっちゃう

街ゆく人はきょうもみな
エラそうだ、幸せそうだ
代わってもらいたい ....
30、29、28、息を切らした
駆け巡るは時か我か
さらにスピード、増して

25、24、23、諦めている
絵札無きポーカーだね
有り金出しても逃げ出す

それは美談さ、我が身振り切り ....
誰かの悲鳴が聞こえてくる
そろそろ終わりにしようじゃないか
世界に中指立てんのは
映っているのはブラウン管じゃなく
俺らの瞳

パンクな奴らが叫んでる
アメリカは馬鹿だと叫んでる
俺は ....
猫がのびをするように
舌を出して


髪を風に翳して
眠るうちに
世界の大半が嘘に染まって

太陽さえもイミテーションになってしまう



午後に於ける
2時00分と云うものは



ひときわ ....
寂しいレシピは青空の味がする 皮膚の下に
いつも消えない断絶がある
電気が切れて、30分は
花嫁の
夢に用意した砂の中で
炎症している水を「見つけて

逃げてゆく
赤いキャップ、海の貝がら
いま此処には無い
心 ....
君は頭のごくわずかなすきまに
生温かいミルクを注ぎ込んで
僕を騙そうとする

不安な宇宙を満たすそれが
なんなのか分かったとき
君はもういなかった

君は誰?
過去進行に思いをめぐら ....
里に寄せる
風向きの奏ず



羽二重と蕾む
鬱金香の艶やかに


絹擦れの音、軽く


君、聴こゆるか
誰か知らぬひとの手をとり
裏の暗がりの路をゆく
鳴りつづける何か
水たまりのつらなり


土の眠り
土の夢
影の家々
光の淵につもる雪


風が分かれる ....
群青をひとつ、ひとつ
飽きるまで数えてみる

雨上がりの夜
余計なものは流れてしまい
ぴんと張り詰めた大気
群青

水際を囲うように
涼やかにひらひらと
色を落とすあやめ達
群青 ....
しめつける
しめつける
ああ

なにがやさしさで
なにに堪えられなく
なってるの

憎む おもいやる
痛いよ もう
ああ

涙がどくどく
出てきた

ぼこぼこした
つぎはぎのコンクリートの歩道で
まっ ....
祈ることしかできないと言った
君の傷ついた指先の白さと潔白が
フリージアの訪れで、彩られればいいと思っていた

真摯な言葉で幾度となく揺さぶられた
僕の孤独も
いっそ清らかなまでに傲慢な
 ....
一針
また一針
言葉の
日向と日陰を
縫い合わせる

一針
また一針
自分の
頂点と底辺を
縫い合わせる

ときどき痛くて
たびたびくすぐったくて
ちょくちょく嘘で
 ....
     




     ふかい 
     眠りの 底で、 
     燻っている 火 
     が あり、
     仄かな 
   ....
今生は空虚すぎて
箱庭の内から出る事さえ
何か意味が有るのかと
問いたくなる青空

底は何処までも深く
青が淡く深く時を刻む
流れる時間の虚しさを
どう遣って伝えれば
届くのかと
 ....
夜の雨に濡れて
八重桜の花びらの
細いながれが
夜を
夢のように
匂い
艶めかせる
雨音だけの
柔らかな夜を
低く
漂う
花びらの春を
雨に濡れて
見送る
月夜のビルディング
その屋上に座す
大勢の透明な人々

洪水はやみ
街は黙って溺死したまま
波打つ腹に月を映す

誰も居ないが 誰かの居る
窮屈でないひしめきの群れが
あちらやこち ....
角砂糖をひとつ
昨日の夕焼けに落とした
レモンだけじゃ
辛すぎるかもしれないし
ただなんとなく

作り笑いをひとつ
一昨日の捨て台詞に添えた
当って砕けただけじゃ
苦すぎるかもし ....
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